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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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夜遅く、窓の外を眺めている。

自分

全然眠くならない……

自分

ん…

……、カラカラ………。

遠くのほうで音が微かに響く。

自分

カラカラ…?何の音だろ…

自分

窓開ける音か…

自分

換気でもしてるのかな…

どこから聞こえたのかと目を凝らして探してみる。

自分

ん…、特に変化なし…か…

自分

んん?

自分

あそこの家…人が…窓………

自分

不法侵入?

視線の先には、そろそろと窓のサッシをまたいで中へと入る男の姿が。

自分

え、通報するべき?

自分

不法侵入だよね、あれ

自分

ど、どうしよう…

迷っている間に男はさっさと部屋の中へと姿を消してしまった。

自分

あ…

自分

あそこの部屋ってまだ若い女の子の部屋じゃなかったっけ…、たしか…

自分

だとすると、なおさら危険…

自分

警察に通報…、110番しないと…

なんて考えていると、

!!!!!

自分

びくっ!

瞬時にしゃがんだ、窓の下に隠れるように。

自分

まさか男がいきなり窓の外を振り返るとは…

自分

はぁ…

自分

こっちには気付いてないよね…

自分

不法侵入するような奴と目が合ったら、何が起こるか分からないし

自分

口封じ…?次の獲物?

自分

ぶんぶんと首を横に振る。

自分

ううん、そんなことは考えたくない

自分

そもそもじっと見なければよかったじゃないか、って?

自分

だって窓の外を眺めていたら、おかしな様子のところがあったから…

自分

つい気になってしまったのだから仕方がない

自分

さて、そろそろあの男も消えたかな…?

自分

えっ…

まだ居た。しかもこっちを見ている。

自分

完全に目があっている気がするのだけど…?

さっとしゃがみこむ。再び。

自分

……

自分

ちょっと待て、落ち着こうか自分。

自分

端から見たら、不審な奴と見つめあっている状況だぞ、これ…

自分

よし落ち着こう。深呼吸、ふーっ。

自分

ん?

窓の外を見ると、そこにはもう男の姿はもうなかった。

自分

危険は去った、か…

自分

はっ!中の住人は大丈夫だったのだろうか……

自分

今からでも通報したほうがいいだろうか…

自分

?!

突然目の前に何かが現れた。

そう、あの男だ。 先程向かいの家に不法侵入していたあの男が、である。

自分

予想外過ぎて、ただ口をパクパクするしかなかった。

自分

待って、よく見ると…、この男…何やら大きな袋を持っている?

自分

人が一人入りそうな大きさ……

??

??

○△★○▲…

自分

何やら喋りかけてきているみたいだけど、生憎家の中に入れるつもりはない!

自分

さっき男が不法侵入しようとしているのを見た時点で締めておいたからね!

カラカラ。

自分

えっ?

男が侵入してきた、部屋の中に。 先程のときとはまるで比べ物にはならないほどに素早く。

自分

ピッキングして開けたのか…!

自分

そんなまさか…。こんな短時間で…?

もう逃げ場はない。

自分

自分

男はにこにこと笑っている。気味が悪い。

自分

もう終わりだ…

何をされるのかと恐怖に染まっていると、

男は、きっちりラッピングされた包みを渡してきた。

自分

一体なんだ?

 男が口を開いた。

“Merry Christmas!!”

自分

ああ、今日クリスマスか…

自分

袋の中身は大量の贈り物か!

サンタさん🎅

いやあ、参ったよぉ

サンタさん🎅

不審者だっていう目であんなに見つめられたら…

自分

自分

だって見るからに不審者でしたから

自分

人の家に不法侵入する現場を目撃したんですよ?

サンタさん🎅

手厳しいねえ。ははは、おじちゃんも困っちゃうなあ

自分

そんな困り顔で言われても。別に全然可愛くないし。何より…、

自分

あれを見て誰がサンタだと思いますかー!

自分

しかも、この家に入るときは一瞬でしたし。
口封じにきたとしか思えませんでしたよ…。

サンタさん🎅

あー

サンタさん🎅

最近は戸締まりしっかりしているおうちが多いからね。鍵を開けておいて泥棒に入られたら困る、ってね

サンタさん🎅

だから今どきのサンタ養成所では、素早く鍵を開ける技も習うのさ

サンタさん🎅

素早くかつ静かに開ける訓練さ

自分

それにしては、ゆっくり開けていたような…

サンタさん🎅

ああ、あれは起こさないように静かに開けようと最大限の注意を払っていたからさ

サンタさん🎅

あの家の住人はほんの少しの音ですぐ起きてしまうからのう

自分

なるほど?

自分

はあー

完全に安心したからか、体に入っていた力が一気に抜けた。

サンタさん🎅

おっと、大丈夫かね

あんたのせいで大丈夫じゃなかったんだよ!

と心の中で叫ぶ。

サンタさん🎅

わしのせいか。それ悪いことしたねえ

サンタは苦笑いしながら謝った。

自分

心の声が漏れてたか…

サンタさん🎅

いやあ、毎年何人かには目撃されてしまうんじゃよ…

サンタさん🎅

全く。こんな深夜3時に起きている悪い子が何人もいるせいで!気付かれないようにせんといかんのに!何しとんじゃい!

自分

なんか聞いてはいけないものを聞いてしまったような?

サンタさん🎅

これでまた上司に怒られてしまうわい。

サンタさん🎅

あー、今年こそは誰にも見られずに終わらそうと思っとったのじゃが。あーあ

なんだかすごく空気が重たい。 こちらを見てくる視線が痛い。

自分

分かったよ、もう…

自分

サンタ見たとは言わないでおきますよ…?

サンタさん🎅

お主が見たと言おうが言うまいが、もうばれておるのじゃ!上司に!

サンタさん🎅

ボイスレコーダー搭載じゃからな。ボソッ

自分

えっ、じゃあ今こうして喋っている記録も…?

サンタさん🎅

ああ、もちろんとっておるよ?

自分

でもそれって、何も話さずに黙っておけばばれなかったんじゃ…。ここに寄るのも後回しにして。

サンタさん🎅

それじゃと、わしが不審者決定だったろ?それはあんまりじゃないか

自分

つまり…、誤解されたままは我慢ならなかった、と

自分

いや誤解ではないような…

自分

いくらサンタとは言えども、不法侵入したという事実はなくならないんじゃー

ちらっ、とサンタの様子を伺う。

サンタさん🎅

それは皆黙認しておるのじゃろー!暗黙の了解じゃー!!

暗黙の了解じゃー!!○△★●!!

サンタが声を張り上げて言った。

自分

待って待って、近所迷惑になるー!!

自分

なんとか声のトーンを落としてもらえた。ふう、やれやれ

静まったところで改めて聞く。

自分

でも結局は、締まっている鍵を勝手に無理やり開けて侵入するのは不法侵入ですよね?

ぶちっ

自分

あっ、キレた。

サンタさん🎅

サンタさん🎅

じゃあなんじゃ、お主はプレゼントいらないんじゃなー!!もうここには絶対来てやらんぞ!!!

サンタ、大人げない。

サンタの肩がわなわなと震えている。

自分

ごめん、もう突っ込まないので。プレゼントはほしいです。

サンタさん🎅

ふん、分かればよろしい

サンタさん🎅

それにしても、ああー今年も失敗したー。うじうじぐだぐだ

サンタ、今度は落ち込みモードに突入。

サンタさん🎅

来年こそは、夜は寝るように徹底して言い聞かせておかないと、あー

サンタって大変なんだな。

最後まで読んでくださりありがとうございます! これから夏がやってくるという季節に、あえてクリスマスのお話を投げ込みました。 ※なろう小説でも以前に(これはちゃんと去年のクリスマスの頃に)投稿したお話です。悪しからず。

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