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人とすれ違うと

酷く醜(みにく)い「声」がする

頭に響く

汚い「声」

いやだ

ずっと聞いてきた

皆の「本心」を

「好きだよ」

と言っている人ほど

「近付くな」

と思ってたり

「ごめんね」

と言っている人ほど

「黙れ」

とか思ってたり

今日も僕は

酷く汚い「声」を聞く

「こんなモノがあるから…!」

と思ってしまったこともあったが

兄弟のおかげで生きて来れた

こんなモノ、大嫌いだ

聞き飽きたんだ

皆の「声」は

嫌でも聞こえてくる

頭に響く

醜い「声」

いやだ

唯一の救いは『森』でした

森には大抵 人間はいないし

あの「声」も聞かなくて済むから

ある日 いつものように森へ行くと

奥の方から聞こえたんだ

一目見て確信した

「この子を護らないと」

絶望の底から「声」がした

綺麗で優しいあの子の「声」

初めて「声を」

聞き続けたいと思った

頭に響く

優しい「声」

好きだ

あれからどのくらい経っただろう

今日もあの子の「声」がする

今でもずっと護ってる

大好き

“あの頃の俺“が手を振った

「…良かったですね、」

と笑ってる

嗚呼 あの頃の俺

この子を見つけてくれてありがとう

あの頃からずっと

愛してる

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