女の子A
そろそろ起きて。次のバス停で降りないと。
女の子B
んー。もうそんな時間?
女の子A
今日は遅くなっちゃったね。でも、寝過ごしたら次のバス、もう来ないし。
女の子B
うう。田舎って不便だなぁ。
女の子A
そんなこと言わない。ねえ、面白い話し、してあげようか。
女の子B
面白い話し?
女の子A
そう。このバス、出るんだって。
女の子B
出るって、おばけ的な?
女の子A
そう。最終バスに乗ったら、絶対、後ろを振り向いたらいけないの。
女の子B
うしろ?なんで?
女の子A
おばけに食べられちゃうんだって。
女の子B
何それ。都市伝説?
女の子A
まあね。都市じゃなくて田舎だけど。
女の子B
じゃあ、田舎伝説だ。でもあたしたちは大丈夫だね。一番後ろの席だし。
女の子A
だって怖いじゃない。振り向いたらいけないって知ってても、振り向いちゃうかも知れないでしょ。
女の子B
そんなこと気にしてたんだ!意外な一面、見ちゃったな。
二人の女の子はクスクスと楽しそうに笑いながら、いつまでもおしゃべりを続けていた。
彼女たちが降りると言っていたバス停はどんどん近付いていたが、二人はおしゃべりをやめる気配がない。
気付くと乗客は、わたしと彼女たちだけだ。
教えてあげないと彼女たちは、真っ暗な夜道を歩いて帰らなければいけなくなるだろう。
わたしは、おしゃべりに夢中な彼女たちに声をかけようと、後ろの座席を振り向いた。
女の子B
あーあ、振り向いちゃった。
女の子B
振り向いちゃいけないって、あれだけ言ってあげたのに
女の子A
ふふ。いいじゃない。今日のお夕飯が釣れたんだから。






