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『 それでも、皆で 』

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『 それでも、皆で 』

2 - 第二話:三男の気持ち

♥

709

2023年04月01日

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(開いててっ!!)

担当医

待ちなさいっ!!

ガチャッ、ガチャガチャッ!!

どうしてっ、、ポロポロ

担当医

桃くん落ち着いて

担当医

とにかく今は部屋に戻ろう?

グッ (自分の首)

ヒュ~ッ、ヒュッ、、

担当医

っ、!!

担当医

首から手を離しなさい!!

いッ、、やだッ、、

担当医

っ、!グイッ (桃腕)

やッ、、離して…ッ、ポロポロ

殺してよ…ッ、ポロポロ

担当医

出来ない

担当医

………少なくともここでは

なんでッ……、ポロポロ

担当医

桃くんのお兄さんに頼まれてるから

兄貴はッ……俺の事に苦しんで欲しいんだッッ、ポロポロ

担当医

そうじゃない

担当医

桃くんの先に明るい未来があるとは決して限らない

担当医

でも、無いとも言い切れないから桃くんのお兄さんは

担当医

桃くんをここに置いてるの

担当医

だから、苦しんで欲しいわけじゃない

………俺は、、

死んだ方がマシだよ…ッ、ポロポロ

こんなやつ生きててもなんの価値もッ、、ポロポロ

………そんなこと、ッッ、、!

そんなことない!!

……兄貴ッ、、

俺は、桃くんに生きてて欲しい

でもそれは苦しめたいからじゃない

じゃあッ、!!

俺が桃くん自身が生きたいって思ってほしい

それにどれだけ時間が掛かろうとも、

俺は絶対、桃くんから離れたりしない

だから、一緒に頑張ってくれない……かな、?

…………無理、、だよ、ッ

ポスッ…、

っ、??

担当医

これは、、笑

す~ッ、す~ッ、、

……、笑

担当医

相当、疲れたんでしょうね

ですね、笑

担当医

とりあえず部屋に運んでもらってもいいですか、?

担当医

私は朝ごはんを部屋にお持ちしますので

了解です

行こっ、青ちゃん

うん……ッ、

僕は昔から すぐ兄に頼むような弱虫だった

自分自身で判断できなくなったら ・兄に聞く ・兄に頼む これをすぐする弟だったと思う

でもある日、僕には 弟ができた その子は今の橙くんだ

でもその時は母さんがいて 父さんがいて 兄達も元気に学生をしていた

だから僕は 時々 遊んだり オムツを変えたり 離乳食などを食べさせるだけだった

でもある日、 母さんは亡くなり 父さんは自殺し 長男が社長になったと思ったら 新たに双子の弟ができた

すぐ泣くし すぐ反抗するし すぐ熱を出す

だから僕はイライラしていた そんな僕を見て橙くんは ずっと、不安な目をしていた

いまから一年くらい前の日 いつものように寝ていて いつも通りの二人の夜泣きが始まった

僕はイライラしながら起き上がり 不安な目をする橙くんを少し撫でた後 二人の元に向かった

でも向かっている途中で ある異変に気づいた

泣き声が どんどん弱くなっていっている

だから僕は少し急ぎ足で 二人と次男の元に向かった

そして、 ようやく二人と次男の 部屋について

少し荒くドアを開けた

そこから先は 思わず言葉を失う風景だった

二人の首を絞める次男 次男を見ながら苦しそうにする二人

どんどん強くなっていく 僕の心臓の音

どんどん力を強くする 僕の兄

どんどん弱まっていく 二人の呼吸の音

僕は我に返り 兄を振り向かせたあと 兄をビンタした

その後は 二人を小児科に連れていき 長男に報告

そこまでが流れだった

そこから次男はおかしくなった

昼は家から出なくなり 家族とも口を聞かなくなって よく暴れるようになった

そんな次男を見た長男は 精神科に連れて行き そのまま入院

それから一年以上、次男は 家に帰ってきていない

外泊は禁止 面会も月一のみ

長男は次男の面会に行く際に 不登校の僕を毎月誘う

でも僕は正直言うと 会いたくない

「 今は落ち着いている 」

なんて医師も長男も言う でも僕はそれが信じられない

次は僕の首を絞めてきたら? 目の前で死のうとしたら? 目の前で次男が自分自身を傷つけていたら?

なんて想像が 次男の病室のドアを開ける度に 毎回頭によぎる

それが怖くて 兄に会いたくない

でも今日は勇気を出して 兄に会いに来た

その結果がこれだ

もう二度と見たくない と思っていた景色を また見てしまった

なぜ紫にぃと先生は そんなに笑っていられるの?

なんで桃くんは 死のうとするの?

どうして僕は 泣いてるの?

なぜ

なんで

どうして

なんて聞いても無駄なのに

また僕は兄に問う

どうして桃くんを 殺してあげないの?

『 それでも、皆で 』

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青くん、、、

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