これで良かったんだ…これで…
今はすっかり冬の時期。
女子達はというと…
女子達
バレンタイン!バレンタイン!
バレンタインで大はしゃぎ。
茉莉花
うるさ。
冬花
茉莉花はほーんとバレンタインとか恋愛に興味ないね〜
茉莉花
恋愛とか別に。
冬花
もーそんなこと言って好きな人とかいるんじゃないの〜?
茉莉花
ほんとにいないから。
冬花
はいはい。分かってますよーだ。
そんな風に思ってたのに…
女子達
きゃー!祐二先輩!
茉莉花
(うるさ。何?外で何かやってるの?)
そこではサッカー部の練習をしていた。
茉莉花
図書室まで聞こえてくる騒ぎ声って何なのよ。
しばらくして…
茉莉花
やっと静かになった。
と思えば…
ガラガラ
祐二
…おっ!図書室空いてた。
茉莉花
(あの人キャーキャー言われてた人か。)
茉莉花
もうすぐ図書室閉めますが。
祐二
あっまじか…
祐二
頼む!もう少しだけ居させてくれ!
「なんで」と聞く前に分かった。
女子達
祐二先輩どこいったの〜?
茉莉花
そういうことね。
祐二
だから…頼む!
茉莉花
いいですよ。私もうるさいのは苦手なので。
祐二
ありがとう!
祐二
そういや名前は?
茉莉花
私のですか?
祐二
他に誰がいるんだよ…
祐二
お前おもろいな。
茉莉花
…そういうのいいですから。
茉莉花
私は遠藤茉莉花(えんどうまりか)です。
祐二
茉莉花ね。
茉莉花
い、いきなり呼び捨て?
祐二
俺は島谷祐二(しまやゆうじ)だ。
茉莉花
…そして無視…っていうね。
祐二
細かいことは気にすんなよ。
茉莉花
でもあなた見た目チャラいじゃない。
祐二
やっぱそんな風に見えるのか〜
祐二
俺別にそんなんじゃないんだよな。
祐二
俺さ。単純にサッカーがしたくてサッカー部入ったのに…
茉莉花
キャーキャー言われて面倒くさい…と。
祐二
分かってくれて助かる。
祐二
それに俺好きな人がいてさ…その人が運動出来る人がいいって…
茉莉花
ふーん。
祐二
まあ人の恋愛話なんて興味ないよなー
茉莉花
まぁね。私は特に興味ない。
祐二
茉莉花もそんなこと言っていつか出来るから。
祐二
そういう人が。
茉莉花
(何よ。チャラそうな顔して…)
茉莉花
(かっこいいこと言うなんて…)
祐二
何かっこつけてんだ…俺。
茉莉花
ほんとね。
祐二
うっ…
茉莉花
でも不思議ね。別にあんたに言われても嫌でもない。
祐二
良かった。ありがとう。
茉莉花
…やめて。お礼は言われ慣れてない。
祐二
照れんなって〜
茉莉花
はいはい。
祐二
おっ!もう女子達行ったみたいだな。
祐二
ありがとう!助かった。
茉莉花
いいえ。
祐二
また話そうな!
茉莉花
(もういいってーの…)
茉莉花
(なんで私こんなに嬉しいんだろ…)
数日後が経ち…
冬花
茉莉花!いよいよバレンタインだねー!
茉莉花
そうだね。
冬花
チョコ作ってきたの?
茉莉花
作ってきてる訳ないでしょ。
冬花
えー…
冬花
後…私今日放課後は一緒に帰れないの。ごめんね!
茉莉花
了解。
放課後
茉莉花
(今日は冬花もいないから早く帰ろっかな…)
祐二
どうしたんだ?
???
実は…渡したい物があって…
祐二
お前と会うのは久しぶりだな。
冬花
そういうの良いから。
茉莉花
(え…?冬花?)
祐二
んで渡したい物は?
冬花
これ。チョコ。
祐二
…お、俺に?
冬花
そうだよ!てか渡してる時点で気付いて…
ぎゅっ
冬花
祐二が好き。
祐二
…俺もだ。
茉莉花
(…。)
タッタッタッ
茉莉花
(…私は何も見なかった。)
茉莉花
(そうだよね…)
茉莉花
(あーあ…あいつのために作ったチョコ。)
茉莉花
(台無し…)
パクッ
茉莉花
(苦い。しょっぱい。)
茉莉花
あっそっか…私いつの間にか…
茉莉花
…好きになってたんだね。
冬の風が自分の顔を撫でる。
茉莉花
(こんなのが初恋とか…)
茉莉花
…おめでとう二人共。
最後まで見て下さりありがとうございました!失恋はいつまでも辛い…。







