そらねこ
はぁ…はぁ
そらねこ
なんで…っ
そらねこ
ここにも…いないの…
そらねこ
はぁっ…はぁっ
そらねこ
あれ…
そらねこ
ヘアピン…
そらねこ
ない…
そらねこ
落としちゃったのかな…
そらねこ
でも探す気力もないや…
そらねこ
なんで…こんな事になったんだろうな…っ
そらねこ
かもめさーん!!
kamome
ん?なーに?
そらねこ
紙飛行機作ったの!!
突然部屋に不協和音が鳴り響く Jアラートのようなアラーム音だった
そらねこ
うわぁっ!?
そらねこ
なに!?
kamome
地震かっ!?
kamome
とりあえずテレビ…っ!!
そらねこ
かもめさん…!なにこれ…?怖いよ…!!
kamome
大丈夫だからな
地球に隕石と思われる物が落下する可能性があります
直ちに地下又は屋内に避難してください
そらねこ
え…!?
そらねこ
この家地下なんてないよっ!!
kamome
とりあえず窓から離れよう
kamome
そらねこ、こっちにおいで
そらねこ
うん…
かもめさんは抱きしめてくれた
とても温かくて優しかった
kamome
そらねこ、2階に行って枕をとってくる
kamome
戻ってくるまでここにいてね
そらねこ
そんな…!!
そらねこ
やだよ!!
そらねこ
2階なんて…危ないよ…!!
kamome
すぐに戻ってくるさ。
そらねこ
やだ、僕も行く…
kamome
そらちゃんを危険にさらす訳にはいかない
kamome
いい子に待っててな
そらねこ
…っ
そらねこ
すぐに、すぐに戻ってきてね…?
kamome
おう。約束だ
kamome
すぐに取って戻ってくる
そらねこ
かもめさん、大丈夫かな
その時、空から聞いたことのない音が降り注いできた
そらねこ
っ!?
そらねこ
かもめさん!!!!!
辺りが真っ白に染まって耳には爆音が響いた
そらねこ
うっ…
そらねこ
え…
辺りは一面炎の海だった
必死に炎から逃げようともがき苦しんだ
そらねこ
なんとか…出られた…っ
そらねこ
…そうだ…!!かもめさんは…!?
立ち上がり走ろうとすると全身が痛んだ
よく考えれば怪我をしているのなんて当たり前だ
そらねこ
かもめさーーん!!!
僕はただ、叫ぶことしかできなかった
きっとかもめさんは生きている
そう信じてやまなかった
いや、自分に言い聞かせていた
そらねこ
かもめさん…
そらねこ
きっと、僕より先に逃げてるんだよ
そらねこ
かもめさんが生きていたらそれでいい
そらねこ
きっとすぐ近くにいるよ……