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わたし、過去に帰る

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わたし、過去に帰る

1 - わたし、過去に帰る

2019年01月31日

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あたしの名前は椎名 そら

椎名と書いてシイナと読む

まんまじゃん。(笑)

あたしは来月の18日で22になる

現在一人暮らしの無職

無職とバイトを繰り返してはや2年が経った。

こんなクズな姿親にも見せれないね

無職ていうか、ニート?(笑)

ほんと恥ずかしい。

明日から2月か。

もうすぐ22歳になるのか。

あたしの地元の同級生たちはみんな立派です。

役者だったり整備士だったり薬剤師だったり美容師だったり料理人だったり、、

みんなそれぞれ楽しんで頑張ってます

だけど、あたしは…

あたしの兄弟も立派です

姉は看護師、弟は来年から整備士

そしてあたしは無職

おいおいそんな落ち込むなよ

あたしはあたしの人生を歩めばいいの

あはは

そんなの、、無理だよ

あの頃に戻れたら…どんなにいいか

お母さん

こらー!早く起きなさい!!

お母さん

遅刻するよ!!

椎名 そら

んー

チョコ

ミャー

椎名 そら

うべしっ

椎名 そら

は?何?!

椎名 そら

え、チョコ?な、なんでチョコがこんな所…に?

椎名 そら

あれ?ここ、、、

椎名 そら

あたしの家だ。実家だ

椎名 そら

な、なんで?

目が覚めたら、あたしは…実家にいた。

あたしが高三の時に亡くなったはずのチョコが

今目の前にいる

チョコ

ミャー

椎名 そら

ちょ、チョコーーーー!!!

チョコ

シャー!!

椎名 そら

いた!痛いよチョコ

お母さん

こら!あんた何してるの!早く起きて準備しなさい!

椎名 そら

えあ

椎名 そら

お母さん

お母さん

ほら、布団畳んで!

椎名 そら

あ、あうあ

お母さんがいる。わ、若い…

椎名 そら

あ、ねっちゃん

邪魔

椎名 そら

うぐ

に、憎たらしい

お母さん

いってらっしゃい!

お母さん

車に気をつけるんだよー

はーい

いってきます

お母さん

ほら、あんたも早く行きなさい

椎名 そら

はーい

一体全体どうなってるんだ?

あんた今日こそは固まるんじゃないよ?

そーだそーだー

椎名 そら

う、うるさいな

じゃ、あたしここだから

二人とも気をつけてねー

じゃーねー

椎名 そら

ばいばーい

さて、姉がいて弟がランドセル背負っててあたしもランドセル背負っててお母さんが若くてチョコが生きてる…てことは、、

あたし、過去に来た??

椎名 そら

過去に来た?

椎名 そら

来た?

椎名 そら

キタワァ━━━━━━(n'∀')η━━━━━━ !!!!

うるさい!!

椎名 そら

うぎ!

椎名 そら

ごめん

キモイ

椎名 そら

ガ━l||l(0Δ0)l||l━ン

この生意気なやつは確かにあたしの弟だ

~放課後~

椎名 そら

はぁ、今日は疲れたな…

椎名 そら

学校で喋ることってまずなかったもんなあの頃は…

椎名 そら

今になって思うと…なんであの頃はあんなに人と喋るのが怖いとか恥ずかしいとか思ってたんだろ?

椎名 そら

あほらし

椎名 そら

こんにちは

おじさん

あ、あぁこんにちは

見かけない人だなぁ…スーツなんて着ちゃってさ

あたしの地元は田舎なので滅多にスーツ着てる人なんて見かけない

だからすごく浮いてるこの人

おじさん

おじさん

ちょっと待って

おじさん

君、ここらへんにコンビニかスーパーないかな?

椎名 そら

コンビニはないよ?でもスーパーはあるよ

椎名 そら

ここまっすぐ行ってあの家をクイッと曲がってまっすぐ行ったらあるよ三好スーパーってのが

おじさん

あ、あぁそうか。ありがとう…

椎名 そら

どーいたまして

おじさん

ねぇ、よかったらそこまで一緒に行ってくれないかな?おじさんこの歳になるとどうも記憶力がね…

椎名 そら

いいよ?

椎名 そら

だけどその代わり

椎名 そら

お菓子ひとつで手を打とうじゃないか

おじさん

ははは笑

おじさん

うん、うん。いいよ

椎名 そら

よっしゃ!交渉成立ね

椎名 そら

じゃ行こうか

おじさん

うん、頼もしいね

椎名 そら

まあね(*`ω´*)ドヤッ

おじさん

君おうちはこの近くなのかい?

椎名 そら

ここから30分ほど歩いたところにあるよ。お家の住所は言わないよ?だっておじさん初めましての人だもん

おじさん

あはは、そうだね。いやいや住所までは聞かないよ

椎名 そら

おじさんお仕事何してる人?

おじさん

おじさんは普通のサラリーマンだよ

椎名 そら

サラリーマンか。すごいね

おじさん

え?

椎名 そら

だってさ、サラリーマンて社畜でしょ?

おじさん

しゃ…

椎名 そら

それにね

椎名 そら

毎日楽しくもない会社行って親しくもない後輩や上司や取引先の人にペコペコ頭振って大変じゃん。お疲れ様

椎名 そら

ここには何しに来たの?お仕事?それとも観光?

おじさん

…あ、あぁ観光だよ

おじさん

妻がね

椎名 そら

奥さんと来たの?

おじさん

ううん、妻が死ぬ前に言っていたんだ。

おじさん

「わたしはあなたとならどこへ行っても楽しい、だけど静かな場所で2人で焼酎飲みながら海を見たりするのも悪くないね」

おじさん

って。

おじさん

本当は、生きているうちに連れてきたかったんだけど…仕事が忙しくてね…妻の願いを叶えてやることが出来なかったんだ。

椎名 そら

なんかいい話だね。

椎名 そら

よし、おじさんにいい話を聞かせてもらったからあたしもひとつお話してあげよう

おじさん

うん?

椎名 そら

あたしね本当は21歳なの。あと1ヶ月で22歳になるはずだったの。

おじさん

…ん?

椎名 そら

聞いて。ちゃーんと最後まで聞いて

おじさん

う、うん

椎名 そら

それでね無職でねお家にずーっと引きこもってたの。だけど、今朝目が覚めると…あたしは過去に来ていたの。

椎名 そら

今あたしは小学5年生。

椎名 そら

つまり10歳ってことになるよね。早生まれだから。

おじさん

う、うん…?

椎名 そら

黙って聞いて

おじさん

うん

椎名 そら

そして小学5年生の頃のあたしは

椎名 そら

というか昔のあたしは

椎名 そら

なんていうか人見知りと人間嫌悪という病気の狭間で壊れかけていたの。

おじさん

…あ

椎名 そら

黙って聞いてって何回もいわせないで!

おじさん

は、はい

椎名 そら

で、あたし学校ではいつも固まっちゃうの。

おじさん

かたま、え?あ、ごめんね

椎名 そら

いいの。多分普通の人間はわからないと思うから。

椎名 そら

固まるって言うのは、

椎名 そら

体が動かなくなってその場所から動けなくなること。

椎名 そら

それでね

椎名 そら

あの頃は毎日のように泣いたり固まったりしてて周りの人に迷惑ばっかかけてて

椎名 そら

するとどうでしょう

椎名 そら

友達も後輩も先輩も先生達も

椎名 そら

近所の人も親戚の人も

椎名 そら

みんなみーーーんな

椎名 そら

あたしから離れていきました。

椎名 そら

表面上は優しい言葉かけてくれたりしてくれてたけど

椎名 そら

みんなあたしから離れていきました。

椎名 そら

友達もいなくなってしまいました。

椎名 そら

あたしはずっと何も知らされず何も知らないまま高校生になりました。

椎名 そら

人が怖い、何話せばいいのかわからない。知ってる人もいない。みんな、敵?て思い悩んで入学式の日あたしはこれから3年間同じクラスになる人達の前で

椎名 そら

泣いてしまいました。固まってしまいました。言葉が出てきませんでした。自己紹介が出来ませんでした。

椎名 そら

みんな困惑し、笑いました。

椎名 そら

あたしはみんなに笑われました。

椎名 そら

その後もクラスの子以外の同じ学年の人達に笑われたりからかわれたりいじめられたりもしました。

椎名 そら

あたしはこんな人間が生きていてもいいのだろうか?と病みました。

椎名 そら

だけど、ネットの人たちの優しい励まし共感の言葉に救われました。

椎名 そら

内地に出ていろんな人に出会いました。

椎名 そら

あたしは、もう弱くない。

椎名 そら

メンタルは豆腐のままだけど

椎名 そら

あの頃の屈辱は忘れない。

椎名 そら

もしも、やり直すことが出来たのなら

椎名 そら

未来を、今を変えたい。

椎名 そら

もう笑われるのは嫌だ。

椎名 そら

あいつらを見返すためにあたしは汚れたんだから

椎名 そら

椎名 そら

椎名 そら

ふぅ

椎名 そら

どぉ?いい話でしょ?

おじさん

え、あ、あぁ。うん。

椎名 そら

これ、実は実話なの。

椎名 そら

ね!今のダジャレっぽくない??

椎名 そら

あ、それでね今日ね学校でね喋ってみたの。

椎名 そら

そしたらね、

椎名 そら

みんながねすっごい驚いた顔してねww(ಡ艸ಡ) プクク

椎名 そら

もうねほんっと笑った!!!

椎名 そら

久々に大笑いしちゃったーーー

椎名 そら

明日から自由気ままに生活できるよ。あたしゃ嬉しいね神様ありがとう、だね!!!

椎名 そら

あ、おじさんスーパー着いたよ

おじさん

え、あ、あぁ

おじさん

ありがとうね

椎名 そら

ちょっと待って

椎名 そら

おじさん約束破っちゃダメだよ

椎名 そら

お菓子1個って、約束したでしょ?めっ!

おじさん

あはは、そうだったね

おじさん

じゃあ中に入ろうか

椎名 そら

おじさんは何を買いに来たの?

おじさん

焼酎だよ

おじさん

近くの海に行こうと思ってね

椎名 そら

あ、もしかしてさっきの感動的なお話?

椎名 そら

よし、まかせて

椎名 そら

ならあたしも一緒に行く

おじさん

え?行くって

椎名 そら

決まってんじゃん

椎名 そら

海だよ。

椎名 そら

海っつーか浜?

椎名 そら

海より浜の方がいいよ?そこにしようよ

おじさん

うん、そうだね

おじさん

ありがたいお話だけど君帰るのが遅くなってしまうよ

椎名 そら

しょうがないなぁ…奇跡的に明日はなんとかの日で休みだから1日付き合ってあげるよ

おじさん

…え、いいのかい?

椎名 そら

おじさん何日に帰るの?

おじさん

明後日だけど…

椎名 そら

何時の便?あ、飛行機ね

おじさん

昼の…確か14時頃だった気が…

椎名 そら

なるほどね

椎名 そら

ま、大丈夫っしょ

椎名 そら

おじさん、海に行くのは明日。

椎名 そら

だから焼酎も明日買えば?

椎名 そら

明日このスーパーに朝10時頃はどうかな?浜まで歩いて30分~40分ほどかかるからさ

椎名 そら

ゆっくり行こうよ

椎名 そら

ね?

おじさん

そうだね、じゃあそうしようかな
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