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赤受け集

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3

雨もたまにはいいのかも。② 紫赤/(桃赤)

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2022年07月10日

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⚠紫赤

がちゃりと玄関のドアを開けると、るぅとくんとジェルくんがバスタオルを持って待っていた。

俺達がびちょびちょに濡れているのを見て、ふたりはすぐに駆け寄ってきてくれた。

root

おかえりなさい莉犬にぃ!ななにぃ!

jel

めっちゃ濡れてるやん…はよお風呂入ってきなふたりとも。

お風呂は沸いてんで。とジェルくんが乾いたバスタオルを渡してくれた。

なんてできた弟達なんだろう。

お兄ちゃん感動してきたよ。

nanamori

ありがと、ジェルくん。

髪の水分を拭き取りながら莉犬くんの方を見ると、るぅとくんにわしゃわしゃと髪の毛を拭かれていた。

雨が降る中長い時間走っていたからか、されるがままに目を瞑っている様子が可愛らしい。

流石に疲れたのだろう。

nanamori

莉犬くん、先にお風呂入っていいよ。

ri−nu

え…いや、兄ちゃん先でいいよ。

ri−nu

体冷えてるだろうし。

nanamori

それは莉犬くんも同じでしょ。

nanamori

俺ならだいじょーぶ。

ri−nu

それで風邪とか引かれても困るもん。

ri−nu

それに、先生のお手伝いしてきたんだから疲れてるだろうし。

nanamori

え、知ってたの?

ri−nu

こんな遅い時間まで学校いるの不思議だったし…兄ちゃんよく先生に頼りにされてるから、そうかなぁって。

そう淡々と話す莉犬くんに呆気にとられる。

どんぴしゃだ。すごい。

莉犬くんに向かってぱちぱちと手を叩くと、当たった?とはにかむ莉犬くん。やっぱり可愛い。けど、

nanamori

でも莉犬くんが先。

ri−nu

いやここは兄ちゃんが流れでしょ?!

nanamori

そんなのありませーん。

nanamori

風邪引いてほしくないのは莉犬くんも同じだよ。

ri−nu

むむむ…。

でも…と唸る莉犬くん。

なにか言いたげにしていたが、莉犬くんの口からは何も出てこなかった。

これだけ言ったのだから流石に先に入ってくれるだろう。

莉犬くんの言った通り身体は少し冷えているのかもしれない、すぐに新しい服に着替えないと。

そう思っていたときだった。

root

…二人で一緒に入ればいいんじゃないですか?

るぅとくんがそう言ったのは。

jel

あ、それいい案やなぁ。

nanamori

いいね、それ。

ri−nu

え?ふ、ふたりで?

るぅとくんの発言に乗り気のジェルくんと俺に、困惑している莉犬くん。

目をぱちぱちと瞬きさせこちらを見る莉犬くんに、俺はにこりと微笑んだ。

なんで乗り気なんだって?

誰にも言っていないけれど、俺と莉犬くんは兄弟であり、恋人なのだ。

秘密にしてと莉犬くんに言われているから、人前ではあまりいちゃいちゃすることができない。

だからこそ、一緒に入りたいのだ。

ほら行こ。と手を差し出すと、莉犬くんは眉をハの字にしておずおずとこちらを見た。

ri−nu

流石に狭くない…?

jel

莉犬兄ちゃんちっちゃいしどうにかなるんちゃう?

ri−nu

…バカにしてんの?

root

まぁ充分な広さでは無いかもですけど、入れるには入れるんじゃないですか?

俺はうんうんと頷いた。

nanamori

それとも、俺とは一緒に入りたくない?

ri−nu

っ…そういうわけじゃない、

nanamori

じゃあ入ろうよ?

ri−nu

っう゛……。

顔を真っ赤にする莉犬くんに優越感を覚える。

莉犬くんの可愛い顔は俺しか見ちゃだめなのだ。なんて独占欲も湧いてきた。

本当、それくらいかわいい。

ri−nu

…わかった、入る…

nanamori

ん、やった!

やっと了承を得た俺は、莉犬くんにぎゅーっと抱きついた。

jel

そうと決まったらはよ入ってき。

root

そうですよ。ご飯は僕たちが作っときます。

ri−nu

え、るぅちゃん作れるの?

root

僕が一人で作るとは言ってません。

jel

あ、これ俺ら手伝わされるパターンやな…。

どや、と効果音が出そうな笑みを浮かべるるぅとくん。

張り切ってるのはいいけれど、怪我にだけは気をつけてほしいものだ。

ri−nu

ありがとう、ふたりとも。

jel

全然ええよ。全部任しぃ。

root

だからななにぃたちはゆっくり温まってきてくださいね!

やっぱりいい子だ。俺の弟たちは。

そう改めて思いながら、俺たちはお風呂場へと向かった。

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