フィン
ん・・・・・・
フィンが目を覚ますと、そこは牢屋だった。
フィン
え?・・・・なに、ここ・・・
辺りを確認しようと立ち上がると、なにかに手首を引っ張られた。
ガチャン!
フィン
!
手首は鎖でがっちり固定されていた。
フィン
な、何で・・・
フィン
(そもそも何で僕はここに・・・・確か学校の中庭にいて・・・爆発音が聞こえて・・・・)
ワース
うっ・・・・・
フィン
え⁉︎ワース先輩⁉︎
ワース
え?・・・フィンか?
フィン
はい、そうです
フィン
(そうだ!ワース先輩と一緒にいたんだ)
ワース
ここはどこだ?
フィン
分かりません、僕もさっき起きたばかりで・・・
???
目が覚めたようね
フィン
!
ワース
!
声がした方を向くと、牢屋の前に一人の女性がいた。
ワース
てめぇが俺らを攫ったんだな⁉︎何が目的だ⁉︎
???
まぁまぁ、落ち着きなさい。私はね、お前達の負の感情が欲しいんだよ
フィン
どういうことですか?
???
お前達二人は、神覚者のレイン・エイムズ、オーター・マドルの弟だろう?
フィン
確かに、そうですけど・・・
???
優秀なお兄様がいるせいでお前達は今までかなり苦労してきたでしょう?フィン君は周りの人間から劣等生と言われて、ワース君はお父様に認めてもらえなくて、そうでしょう?
ワース
そんなくだらないこと聞くために俺たちを攫ったのか?
???
そういう訳ではないわ。私は・・・・いや、今言うのはやめときましょう。簡単に言えば、お前達は私が作る商品の材料になってもらうのよ
フィン
え・・・?
ワース
なっ!・・・どう言う意味だ⁉︎
???
いずれ分かるわよ。じゃあ私はやることがあるから、そろそろ戻らないと。あ、ちなみに逃げようだなんて考えないことね。お前達の手首の鎖は魔力吸引具の一つで、自力で外すのは無理よ。その上、私の特別な魔法がかかっているからね。それじゃあ
そう言い残すと、女性は去っていった。
ワース
おいっ!待ちやがれ!・・・・・・くそっ!
フィン
ど、どうしましょう?
ワース
どうするって言ったって、杖もねぇし魔法は使えない。これじゃあどうすることもできねぇよ
フィン
ですよね・・・・・
魔法局
オーター
私達の弟が行方不明・・・・?
レイン
ライオさん!どういうことですか⁉︎
ライオ
とにかく、これを見てくれ
ライオは二人に報告書を渡した。行方不明者の欄には、フィン・エイムズ、ワース・マドル、と、確かに弟の名前があった。
ライオ
それに書いてある通り、今はウォールバーグさんが探知魔法を使って、二人を探しているそうだから、見つかるまで待つしかない
レイン
では、場所が分かり次第探しに行くと?
ライオ
そういうことになるな
オーター
・・・・・・・・・
イーストン魔法学校 アドラ寮302号室
マッシュ
フィン君、何処にいるのかな・・・?
レモン
心配ですね・・・
ドット
確か、レアン寮の先輩も一人行方不明になってたよな?
ランス
そうだな、あの爆破事件が関係してることは、間違い無いと思うんだがな・・・
マッシュ
・・・・・・僕、助けに行きたい
レモン
!
ドット
!
ランス
!
マッシュ
校長のとこに行ってくる
ランス
マッシュ、気持ちは分かるが、今は校長が探知魔法を使って探している最中だろう
マッシュ
お願いしに行くだけだよ。フィン君を助けに行くの手伝わせてくださいって。だってこのまま待ってるだけなのは嫌だから。
そう言うとマッシュは部屋を飛び出した。おそらく校長室に向かったのだろう。
ドット
あっ!おい待て!・・・ったく!
ランス
ああなったらもう止められない。俺達も行くぞ
レモン
ですね!
ドット、ランス、レモンも校長室に向かった。友人を助けたい、その気持ちは皆一緒だから。







