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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

魔法局

オーター

レイン、また徹夜ですか?

レイン

オーターさん・・・・

現在の時刻は23時、殆どの局員がいないなか、レインとオーターは帰宅せず、仕事をしていた。

オーター

お互い、大変なことになりましたね・・・

レイン

そうですね・・・・何かしてないと、不安で・・・

オーター

レインは本当に弟思いなんですね。それに比べて私は・・・・

レイン

?・・・・何かあったんですか?

オーター

私が実家を出てから、弟とは疎遠になりまして・・・ここ数年、ろくに会話もしていないんです。仕事でイーストンに行ったことはありますけど、見かける程度なので・・・・・

レイン

そうだったんですか・・・

オーター

正直、会っても何を話したらいいか分からないもので・・・

レイン

(そういえば俺も、フィンと最後に会話をしたのはいつだったか・・・)

オーター

ですが、今はこんなことを言っている場合ではありませんね。ウォールバーグさんからの連絡を待ち、居場所が分かり次第すぐに探しに行きましょう

レイン

はい

マッシュ

失礼します!

翌日の昼頃、マッシュ、ドット、ランス、レモンの四人が魔法局にやって来た。

ライオ

おや君達、どうしたんだい?

ランス

突然すみません。校長が、フィンとワース先輩の居場所が分かったとのことで、お伝えするために参りました

ライオ

何⁉︎本当か⁉︎オーター、レイン、弟君の居場所が分かったそうだぞ!

オーター

レイン

ランス

こちらが報告書です

報告書には、二人が見つかった場所や、その場所に関する情報が正確に書いてあった。

レイン

ライオさん、オーターさん、この場所って・・・・・

ライオ

ああ、かなりまずい状況だな・・・

ドット

え?・・・何がまずい状況なんですか?

ライオ

ここに書いてある場所は、立入禁止区域なんだ。昔、ある不可解な事件が起きて、それ以降この場所は封鎖されている危険な所だ

レモン

嘘・・・そんな危険なところにフィン君が・・・?

ドット

じゃあ早く行かねぇと大変じゃないですか!

ライオ

そうだな、準備が整い次第すぐに向かおう

マッシュ

あ、あとこれを・・・

そう言ってマッシュは手の平サイズの鏡を渡した。

マッシュ

校長が、この鏡で二人の様子が分かるようにしてくれました

ライオ

ラフレの鏡か。これはありがたい

レイン

ライオさん、見せてくれますか?

オーター

私にも見せてくれ

鏡を見ると、牢屋らしき部屋にフィンとワースが拘束されている姿が見えた。

ワース

[外れねぇなぁ。フィン!そっちはどうだ?]

フィン

[ダメです。外れません]

ワース

[あの女、特別な魔法がかかってるとか言ってたからなぁ、やっぱ人の力で外すのは無理か]

オーター

・・・・・どうやら拘束されているようですね

レイン

すぐにでも助けに行きましょう

マッシュ

あの、そのことについてなんですけど・・・

ライオ

どうした?

マッシュ

僕達も一緒に行かせてください。友達を助けたいんです。お願いします

マッシュに続いてドット、ランス、レモンも頭を下げてお願いした。

ライオ

なるほど、だから君達は四人で来たのか

マッシュ

はい、校長に許可は取ったので、あとは神覚者の人に許可を取るようにと言われました

ライオ

・・・・・・・何が起こるか分からない危険な場所だ。覚悟はできているか?

マッシュ

はい、勿論です

ドット

絶対助けましょう!

ランス

覚悟はできてます

レモン

ちょっと怖いですけど、行かないという選択肢はありません!

ライオ

よし、いいだろう!出発だ!

こうして、ライオ、オーター、レイン、マッシュ、ドット、ランス、レモンはフィンとワースの救出に向かった。

魔法局を出発してしばらく経った頃、ラフレの鏡から声が聞こえてきた。

フィン

[あの、ワース先輩・・・]

ワース

[何だ?]

フィン

[僕達がいなくなったことって、神覚者の方にも伝わってるんでしょうか?]

ワース

[多分そうじゃないか?イーストンの生徒が二人もいなくなるなんて、結構大きな事件だろ]

フィン

[そうですよね・・・兄様になんて思われるか・・・]

レイン

ワース

[あー、お前兄貴と仲悪いって言ってたからなぁ]

フィン

[はい・・・]

ワース

[俺もそうだよ。ここ数年全く会ってもない上に会話もしてない。・・・・・もう家族でもなくなるってのによぉ・・・]

オーター

⁉︎

二人の会話の内容に全員が驚いていたが、誰も声を発することなく、静かに聞いていた。

フィン

[え?どういうことですか?]

ワース

[俺・・・もう実家を勘当されそうなんだよ・・・]

フィン

[え⁉︎なんでですか?]

ワース

[お前みたいな無価値な奴はマドル家の恥だ、って父親に言われてな]

フィン

[無価値って・・・ワース先輩は勉強だってできますし、充分お強いじゃないですか。アザだって二本あるんですし、七魔牙に選ばれてるぐらいですし・・・]

ワース

[それだけじゃ駄目なんだよ。毎日のように、兄さんを見習え、兄さんを見習えって言われて・・・]

フィン

[そうなんですか・・・]

ワース

[だから七魔牙に入れってアベル様に言われた時、ようやく自分の価値を認めてくれる人が現れたって思った。でも結局は、犯罪に手を染めただけだった・・・]

フィン

[・・・・・・・]

ワースの衝撃的な話を聞いて、フィンは何も言えなかった。

ワース

[でも、お前は違うだろ?お前みたいな感情豊かで優しい奴は親に愛されて育ったんだろ?]

フィン

[覚えてません・・・]

ワース

[は?・・・・覚えてない?]

フィン

[はい、僕がまた小さい頃に、突然亡くなったので・・・今はもう、殆ど思い出せないんです。顔も声も、全部・・・]

ワース

[そうなのか・・・]

フィン

[はい、それからは親戚中をたらい回しされて・・・路上生活してた時期もあるんです]

ワース

[は⁉︎そうなのか⁉︎]

フィン

[はい、でも辛くはありませんでした。兄様がいてくれたから、それだけで充分幸せでした。でも、僕がイーストンに入学してからは、殆ど会話もしなくなって・・・きっと、僕みたいな出来損ないが弟で恥ずかしいと思ってるんですよ。僕、成績悪いので・・・]

ワース

[・・・・・・・]

フィン

[あの女の人、私が作る商品の材料になってもらう、って言ってましたよね?]

ワース

[ああ、言ってたなぁ]

フィン

[僕達、ここにいたら死ぬんでしょうか?こんな思いするくらいなら、もういっそのこと・・・ここで死んだほうが楽になれるんじゃないかって思います・・・]

ワース

[!・・・・そいつは奇遇だな、俺もそう思った・・・]

今、フィンはなんて言った・・・?俺が出来損ないだと思ってる?このまま死んだほうが楽になる?俺はそんなこと微塵も思ってない。お前にはイーストンには入らず、普通の生活を送ってほしかっただけだ。それなのに、どうしてこうなった・・・?

レイン

(俺のやり方は、間違ってたのか・・・?)

ワース、お前はずっとそんな地獄の生活を送っていたのか?勘当されるなんて、今初めて知った。私はあの子の兄として、何もできていなかったのか。

オーター

(私は兄失格だ・・・)

ライオ

お前達、気を引き締めろ!もうすぐ着くぞ!

前方に大きな建物が見え、一同はその手前で地面に降りた。

ドット

何だここ、気味悪いなぁ

ライオ

事件が起きてからずっと放置されていて荒れ放題になっているからな。全員、気をつけて歩くように

レモン

きゃああああ!

ライオ

どうした⁉︎

レモン

あの、あそこにあるのって・・・

レモンが指を指す方向を見ると、そこには大量の人骨があった。

ランス

何だ、これは・・・

レモン

本物、ですよね?

マッシュ

フィン君と先輩を攫った人、かなりヤバい人ってことですな

ライオ

そうだな、一瞬の油断が命取りになる。気をつけて行こう。それじゃあ、中に入るぞ

ギイィィィ・・・・

建物の中は薄暗く、悍ましい空気が漂っていた。

ライオ

何があるか分からない、バラバラにならないように固まって歩こう

その時だった。

コツコツコツ・・・・・

こちらへ近づいてくる足音が聞こえた。

???

あらあら、駄目じゃない

???

人の家に入る時は、ちゃんと呼び鈴を鳴らさないとね

奥から黒いローブを纏った女性が現れた

???

あら?貴方は・・・ライオ様ではありませんか

ライオ

誰だお前は?俺と会ったことがあるのか?

???

うふふ・・・

女性はフードを取ると、顔を露わにした。濃い紫色の瞳に淡いピンク色の髪。ライオは見覚えがあるようだった。

ライオ

なっ!お前は・・・・・!

二度と後悔しないために

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