浮島
ピン箱のままのようですが?
蓮
当たり前だろう
蓮
詳しいことを聞かずに吸えるか?
浮島
慎重派ですね
浮島
まぁ、いいでしょう。
そう言うと、浮島は1本 箱から抜いた。
見たところ何の変哲もない。 そのまま浮島は火を付けた
浮島
ふぅ
浮島はそのまま1本吸いきった。
蓮
お前何ともないのか?
浮島
当たり前でしょう?
煙草ですよ?
煙草ですよ?
浮島
まぁ、気が向いたら
吸ってみて下さい
吸ってみて下さい
浮島の電話が鳴った
浮島
お疲れ様です。
はい、その件でしたら…
はい、その件でしたら…
そのまま浮島は部屋を出た
さて、どうしたものか
吸えばいいのだろうが まだ怖気付いている俺がいる
蓮
ちくしょう
吸えばいいんだろう
吸えばいいんだろう
火を付けた。 最初はフカした方がいいだろう
特に何も変わらねぇな メ〇ウスのオプションみたいだ
浮島
おぉ、吸ってますね
浮島
どうです?普通でしょう?
蓮
ああ、確かにな
魂胆が分からねぇ
早川は俺に会社を辞めさせた
何故それ程の事をして俺に この煙草を吸わせたいのか?
蓮
悪いな浮島
蓮
今日は失礼するぜ
浮島
ここ結構予約取れないんですよ?
浮島
まだ聞き足りないという
顔に見えますけどね
顔に見えますけどね
こいつにはハッタリは効かないか
蓮
悪いがお前の勘は外れてるな
蓮
じゃあな
俺は浮島の顔を見ることなく 店を出た
顔を見れば 俺の焦りがヤツに読まれてしまう そんな気がした
家路へと急ぐ
特段、あの煙草に 変わったカラクリは無かったな
背の高いビルが俺を見下している
生暖かい風が俺の髪を撫でた
夏の終わりにはこういう風が吹く
今日はもう眠りたい
俺の家まで目と鼻の先
曖昧だった事が確信に変わる
尾けられた 店を出た時からだ
後ろを振り返った
蓮
おい、お前だれだ
緑の服を着た男
何ですか?
蓮
シラ切るんじゃねぇよ
蓮
どうせお前も
あの会社の奴だろう?
あの会社の奴だろう?
緑の服を着た男
へぇ
緑の服を着た男
それならお前が
早川が引き込んだ秋山か
早川が引き込んだ秋山か
蓮
なに?
緑の服を着た男
黒川連合の狭山だ
蓮
黒川連合?
早とちりしすぎた
こいつは恐らく早川が 俺に頼んだ始末して欲しい 街のハンパものだろう
狭山
悪いが
お前には死んでもらう
お前には死んでもらう
目の前が急に暗くなった
知らない男
こいつどうします?
意識が遠のく中、声が聞こえる
狭山
知らねぇ、ただボスが
連れてこいと言っただけだ
連れてこいと言っただけだ
狭山
運べ
どうやら後ろから殴られたらしい
そこからは声が聞こえなくなった