一覧ページ

LINE1156

第1話 - あ

2023年09月20日

#恋愛

結城　真矢

カエデ

ツクシさんのLINEでいいかしら？

カエデ

A会社の社長の妻のカエデと申します

ツクシ

初めまして、企画開発部のツクシです。

ツクシ

失礼ですが、私になにかごようでしょうか？

カエデ

隠さなくても大丈夫ですよ

カエデ

息子のツカサから話は聞いてますので

ツクシ

えっとなんの話ですか？

カエデ

なにって2人がお付き合いしている話ですよ！

カエデ

若い男女の恋仲に私が出るのもどうかと思いますが

カエデ

あなたは我が家にはふさわしくありません！

ツクシ

すいません、たぶん勘違いされてると思います

ツクシ

私はツカサさんとお付き合いしてませんので

ツクシ

心配は無用かと思います

カエデ

あくまで隠すスタンスでいくのね

カエデ

まあいいです

カエデ

でも、絶対に許しませんよ

カエデ

あなたのような学歴も家柄も普通な方は我が家にはふさわしくありません

ツクシ

あの本当に違いますから

ツクシ

お付き合いしているとツカサさんから聞かれたんでしょうか？

カエデ

ええ、そうよ

カエデ

写真も見せてもらいましたよ

ツクシ

写真ですか？

カエデ

ええ、この前飲みに行ったとツーショットを見せてもらいました

カエデ

楽しそうに2人とも笑ってらっしゃいましたね

カエデ

本当に自分の立場をわきまえていない人間は嫌いです

ツクシ

あの、先ほどからツカサさんのお話を鵜呑みにされてますけど

ツクシ

私はツカサさんとお付き合いしてないし

ツクシ

その写真も2人で行ったものでもありません

ツクシ

会社の飲み会に参加した時の物ですし

ツクシ

他の社員も一緒に写ってます

カエデ

じゃあ、息子が嘘をついているとでも？

ツクシ

失礼ですが、そういう事になります…

カエデ

そんなわけないでしょ

カエデ

嘘をつくメリットがないでしょ

ツクシ

そうですね…

ツクシ

だから私も驚いてます

ツクシ

とにかく勘違いですので

ツクシ

嘘だとお思いなら他の社員にも聞いてみて下さい

カエデ

別にそこまでする必要はないわよ！

カエデ

本当に可愛くない！

ツクシ

失礼します

～数日後～

カエデ

あなた、本当に嘘つきね

ツクシ

なんのことでしょうか？

カエデ

息子から聞きました

カエデ

付き合ってるのは嘘だと

ツクシ

良かったです、信じていただけて

カエデ

なに言ってるの！！

カエデ

さらに最低な事をあなたはしているじゃない

ツクシ

はい？

カエデ

息子が泣きながら話してくれたんです

カエデ

あなたに言い寄られて困っていると

カエデ

写真もあなたが撮ってくれと頼んできたと言っています

カエデ

先日の感じだと息子が嘘をついていると言わんばかりでしたけど

カエデ

フタを開ければやっぱりあなたが嘘をつかせたんじゃないの

ツクシ

あの、どうしてそうなるんでしょうか？

ツクシ

私は1度もツカサさんに言い寄った事はありません

ツクシ

むしろツカサさんの方が私に言い寄ってきて

ツクシ

正直迷惑しています

カエデ

迷惑？

カエデ

それはこっちのセリフです

カエデ

息子はウチの会社の大事な跡取りです

カエデ

あなたのような女に言い寄る訳がない

カエデ

謝罪と今後一切息子に近づかないと言うなら

カエデ

今回の事は多めに見ると息子とも話してますので

カエデ

感謝して二度と近寄らないでちょうだい！！

カエデ

さあ、謝罪しなさい

ツクシ

謝罪は出来ません

ツクシ

謝罪する理由が私にはありません

ツクシ

今ツカサさんはどちらに？

ツクシ

ツカサさんも交えてお話させていただけませんか？

カエデ

なんのために？

カエデ

息子はあなたが怖いと言っているんですよ

カエデ

なのに息子を出すわけないでしょ！！

カエデ

そうだわ、部署も変わってもらいましょう

カエデ

あなたが居たらまともに仕事できないですからね

ツクシ

ちょっと、待ってください

ツクシ

失礼ですがそれは、パワハラでは？

ツクシ

なんの証拠もなく降格人事は納得できません

ツクシ

ツカサさんの話だけ信じて判断されるのは間違ってると思います

カエデ

パワハラ？

カエデ

何言ってるの？

カエデ

私は息子を守る為だけに言ってるんじゃないのよ

カエデ

将来会社を背負っていく息子がしっかりと会社内で勉強し

カエデ

信頼を得て会社を守っていく

カエデ

これは社員を守る事でもあるのよ

カエデ

あなたが異動すれば話は丸く収まるのよ

カエデ

それに本来ならあなた、クビよ！

カエデ

それを学歴の無いあなたをクビにしたら再就職が難しいと

カエデ

思って優しさで異動で我慢しているのに

カエデ

あなたは謝罪も感謝もせず

カエデ

ただ、パワハラと罵って自分を正当化するだけで

カエデ

恥ずかしいと思わないのかしら

カエデ

そもそも、住む世界が違うのよ

カエデ

あなたと私達では

カエデ

下は上のいう事を聞いてればいいのよ

カエデ

黙って謝罪と異動を受けいれなさい

ツクシ

さすがに言いすぎかと思います

ツクシ

私はなに1つ間違った事は言ってません

カエデ

謙虚さのない人間はウチの会社には必要ありません

カエデ

嫌なら辞めていただいて結構です

カエデ

たかだか事務員1人いなくなった所でなにも困らないわ

ツクシ

社長はこの件についてご存じなのでしょうか？

カエデ

あなたごときが知る必要はありません

ツクシ

教えてください。

ツクシ

教えていただけないなら直接聞きます

カエデ

平社員がどうやって社長に聞くのかしら？

カエデ

おかしな人ね

～数日後～

カエデ

どういう事？

カエデ

主人がこの件の事を聞いてきたわ

カエデ

あなたよね、主人に話したのは！

ツクシ

はい、そうです

ツクシ

奥様は教えて下さらなかったので

カエデ

なんて失礼な人なの

カエデ

社長にいっかいの平社員が話しかけるなんて最低よ

ツクシ

勘違いされないで下さい

ツクシ

私は社長面談の時にお聞きしただけです

ツクシ

社長も随分と驚いていらっしゃいました

ツクシ

社長には今回の件しっかりと報告させてもらいましたので

ツクシ

ご了承ください

カエデ

主人に話た所であなたの異動は決定事項よ

カエデ

先日、人事部に私が直接話を入れましたから

ツクシ

知ってます

ツクシ

人事の方から連絡をもらったので

カエデ

あらそう！

カエデ

仕事が早いわね

カエデ

早々に異動してちょうだい

カエデ

これでようやく安心出来るわ

カエデ

あなたも今後は気をつけなさい

カエデ

自分の身の丈にあった相手を好きになる事ね

カエデ

玉の輿なんて狙ったって無理なんだから

カエデ

あなたのような凡人には

ツクシ

あの、お話は終わりでしょうか？

ツクシ

はっきりと言わせてもらいますが

ツクシ

異動はの件は受理されていません

カエデ

へっ？

カエデ

何言ってるの？

カエデ

さっき連絡が来たっていたじゃない

ツクシ

それは、連絡があった事を教えてくれただけです

カエデ

どういう事よ

ツクシ

まず、ツカサさんからの聞いている話しは全部噓です

ツクシ

奥様が私に異動しろと言ってきた時点で

ツクシ

社長に事情を説明して異動の件を取り下げてもらいました

ツクシ

まあ、人事の方も部外者の奥様に言われても

ツクシ

何もできないと思いますよ

カエデ

部外者ですって！？

カエデ

仮にも私は社長夫人ですよ

カエデ

どこが部外者なのよ！！

ツクシ

部外者ですよ

ツクシ

ツカサさんが会社でなんと呼ばれているかご存じですか？

ツクシ

社長の器ではないとみんながが言ってます

ツクシ

それに、ツカサさん自身もそう言ってます

カエデ

ツカサが？

ツクシ

ええ、私によくそう話してくれてました

ツクシ

お母さんが期待しているから

ツクシ

なりたくない社長にならないといけないと

ツクシ

ツカサさんは十分頑張ったと思います

ツクシ

そろそろ好きなように過ごさせてあげてください

カエデ

うるさい！！

カエデ

あなたのような何も背負う物がない人間に

カエデ

何が分かるのよ

ツクシ

分かりますよ

ツクシ

私の実家も会社をやっていますし

ツクシ

私は1人娘なので後々は後を継ぎますから

カエデ

小さな会社と一緒にしないでちょうだい

ツクシ

これは本当は内緒ですが

ツクシ

奥様なので言っときます

ツクシ

私の実家の会社はこの会社の大口契約者でもあるB社です

カエデ

噓でしょ…

ツクシ

本当です

ツクシ

疑われるなら社長に聞いてください

ツクシ

この事は社長しか知りませんから

カエデ

確認しました…

カエデ

主人も同じことを言ってます

ツクシ

では信じてもらえましたかね

カエデ

ええ、まあ一応

カエデ

なんだか失礼な事ばかり言ってしまって

カエデ

でも、息子が嘘をつくなんて思っても居なくて

ツクシ

言い訳は結構です

ツクシ

ツカサさんが私と付き合っていると嘘を言った事も

ツクシ

ストーカー呼ばわりされた事も許すことは出来ません

ツクシ

正直、最初はツカサさんの境遇に同情しました

ツクシ

お母さんの期待に応えないといけない

ツクシ

プレッシャーは分かるので

ツクシ

でも、次第にツカサさんの言動がおかしくなって

ツクシ

私に付きまとうようになりました

ツクシ

これは他の社員も知っている事です

ツクシ

それなのに奥様は確認も取らず

ツクシ

一方的に私を断罪しましたよね

ツクシ

正直こんな親子に将来会社が渡ると思うと

ツクシ

不安しかありませんよ

カエデ

返す言葉もありません

ツクシ

父にはまだ言ってませんが

ツクシ

私は知ってしまいましたから

ツクシ

正直自分が社長の椅子に座るときは

ツクシ

A会社さんとの契約は現社長までにしようと思います

カエデ

待ってください…

カエデ

悪いのは私と息子です

カエデ

B社との契約が切れればうちはやっていけません

カエデ

それは全く会社の事を知らない私でもわかります

カエデ

だからどうか契約を切るのは考えなおしてください

カエデ

お願いします

ツクシ

では、今後の事はこれからのツカサさんの行動を見て

ツクシ

判断させて頂きます

ツクシ

あの、奥様よろしいですか？

カエデ

なにかしら？

ツクシ

ストーカー扱いした事などを謝罪してもらえますか？

カエデ

謝罪？私に言ってます？

カエデ

どうして私がしないといけないんでしょうか？

カエデ

本来嘘をついた息子からするべきだと思いますが

ツクシ

もちろん嘘をついていたツカサさんにも謝罪してもらいます

ツクシ

ですが、確認もせず人をストーカーだの罵った奥様も

ツクシ

謝罪すべきだと思いますが？

カエデ

それは出来ません

ツクシ

はい？

カエデ

あなたにも責任があると思いますよ

カエデ

それに私は社長夫人です

カエデ

いくら契約先の娘だとしても今はウチの会社の社員でしょ

カエデ

私は自分より下の人間に頭を下げる事はしません

カエデ

なによりも、私はプライドを大切にしてますので

ツクシ

あの、プライドだかフライドだか知りませんが

ツクシ

悪い事をした時に下も上もありません

ツクシ

謝罪できない事こそ恥じるべきです

ツクシ

悪い事をしたら謝る3歳児でも出来る事が

ツクシ

奥様に出来ないとは…

ツクシ

はっきり言って恥ずかしい大人の典型ですね

カエデ

なんですって！！

カエデ

こっちが下手に出てたら調子に乗るんじゃないわよ

カエデ

あんたがどんな女か調べて私に歯向かった事を

カエデ

必ず後悔させてやるから覚悟しなさい

ツクシ

あの、本当にもうそういうのいいんで…

ツクシ

奥様と話してもこちらは何のメリットも無いんですよ

ツクシ

でも社長夫人だしと思って我慢してたら

ツクシ

逆切れですか？

ツクシ

言わないでおこうと思いましたが

ツクシ

あなたが怒ったどころであなたを信じる人は誰も居ませんよ

ツクシ

あなたの社内での評判は最悪ですから

ツクシ

みんな、あなたが社長夫人だから面倒を起こさない様に

ツクシ

我慢しているだけで、尊敬など一切してませんよ

ツクシ

これ以上話してもお互い理解できないでしょうから

ツクシ

もう送って来ないで下さい

カエデ

待ちなさいよ

カエデ

話は終わってないわよ！！

～後日談～

ツクシ

その後LINEを無視し続けていた私にしびれを切らしたのか

ツクシ

1度会社まで来た奥様だったが社長に早々に見つかりしこたま説教されたようです

ツクシ

説教だけでは聞かないと社長は奥様に渡していたカードを取り上げ

ツクシ

自分のお小遣いは自分で稼ぐように言われたらしくしぶしぶパートに出ているそうです

ツクシ

ツカサはというと社長に今回の事がバレ関連会社に飛ばされました

ツクシ

正直、2人に対して申し訳なさは全くなくむしろざまあみろと思っていますw

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

結城　真矢

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

LINE1156

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説
一覧

関連するタグ

LINE1156

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説一覧

関連するタグ

#恋愛の新着小説
一覧