彼との出会いは突然で。

別れも突然に訪れた。

ﾊﾞﾀﾝｯ

アイドルである俺は事故で片目を失い、時々病院に来ていた。

そんなある日、

ファンの子達に偶然あってしまい、近くにあったドアに勢いよく入った。

部屋を見渡せば、どうやら一人部屋らしく、部屋主のベッドはカーテンで仕切られていた。

カーテン越しに聞こえる声は男性。

急かされ入ると、そこには美少女のような人がいた。

黒と黄色の髪に金色の瞳。

その姿がとても美しかった。

でも、両腕に伸びる管が妙に痛々しく、彼の身体は細かった。

ずっと見ていたせいか、彼は顔を背ける。

彼の笑顔に胸がなる。

俺は彼に出会い、恋に落ちた。

その日から俺は、何度もその病室に通いつめた。

お互いをまろ、あにきと呼ぶくらいまで、仲良くなった。

事故で失明した目。

正直、もう見えることはない。

ずっと眼帯をしているのも、見た目に悪く、アイドル活動をどうしようかと考えていた頃だった。

急にあにきの瞳から涙が溢れ出てくる。

いつか絶対にあにきを俺のライブへ、連れて行く。

そう、心に誓ったのに＿＿＿。

いつも通りにあにきの病室へ行こうとしとき、あにきの担当の看護師さんに呼び止められた。

本当なら、本人に聞くべきなのだろうが、本人に聞く勇気がなかった。

小学生から病院生活。

……てことは、もう10年以上、か。

そう、いつも病気については何も話してくれないあにき。

小学生の頃から病院生活。

その事を考えると、長期的なものだと想像ができる。

自分の人生が残りわずかなことなんてとっくに知っている。

だから……

俺に笑顔をくれたまろに恩返しがしたくて…俺が選んだこと

それは＿＿＿＿＿

暫くして、あにきは寝たきりが多くなった。

眠りについたあにきの手を握る。

あにきの病気は悪化していた。

早くライブにあにきが来て欲しくて。

しかし、そんなある日

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾙﾙ

それは、あにきがいる病院の電話番号だった。

あにきに何かあったのだろうか。

そう不安が過ぎる。

スマホを持つ手に汗が滲む。

電話越しに聞こえてきたのは、あにきの声だった。

震えているあにきの声。

いままで、電話なんてしてこなかったあにきに違和感を覚える。

ちょうどリハが終わり、今からあにきの元へ行こうとしていたところだった俺は急いであにき言う。

いままで

その言葉が永遠の別れのように思えて。

だんだんと小さくなるあにきの声。

ﾋﾟ＿＿＿＿＿

電話越しに聞こえる電子音。

その電子音が示すのは。

ｶﾞﾀｯ

スマホが手から滑り落ちる。

死んだ……？

俺は震える手で身支度を整え、急いで病院へと向かった。

電話の後、すぐに病院へ行ったが、すでにあにきは亡くなっていた。

そして、あにきが亡くなってから、あにきの担当医だった先生に呼ばれていた。

あにきの残したもの

そして…目の手術。

俺の目は無事、両目で見えるようになった。

片方が青。

もう片方は黄色。