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「ねえ。いっつもさ、何でEXP譲ってくれないの!?」
だんと勢いよく足で床を強く踏むキラー。
その言葉は、紛れもなくソファーにてブレイクタイムを行っている俺に向けられた言葉だった。
キラーの顔は怒りに満ちているものの、どこか愛らしさを感じさせる。
「…早い者勝ちだから。」
怒っているキラーとは正反対に、俺は冷静沈着に言い払う。
その態度と言い言葉と言い、キラーは俺にムカついたのか「はぁ!?」と大声を出す。
「早い者勝ちとか理不尽すぎない!?
てかそんなんお前が勝手に決めんじゃねーよ!この幻覚野郎!」
というキラーの最後の一言で、一気に俺の堪忍袋の緒はぶっちぎれた。
「…お前だって。」
勢いよくソファーから立ち上がる。
キラーは俺の勢いに驚いたのか、一瞬ビクりと体を震わす。
お構い無しに俺は、じりじりとキラーに歩み寄る。
キラーは恐怖心からか、はたまた驚きからか、少し冷や汗をたらして、顔を顰めながら後ずさっている。
「…いつもいつも、"自己中"ばっかだし、お前も理不尽なこと…。」
と、言葉を言いかけた時。
足を1歩踏み出した床には、運悪く紙が落ちており、その紙に足を滑らせた俺は、キラーがいる方向へと倒れかける。
「っ…!」
「わぁ!?」
どたん。
大きな音をたてて、2人は倒れた。
口に何か当たっている感覚がする。
恐る恐る顔を上げてみると、驚きと困惑が混ざった表情をしているキラーの顔が、近距離で見えた。
「え…。は…。おま…。」
あれよあれよという間に、キラーの顔は赤色に染まる。
そこでやっと、自分がキラーに何をしたのかがわかった。
「……
すまん。」
フードを深く被って、目を逸らす。
顔が熱い感覚はしないが、心の中は大変なことになっている。
「な、なんだよそれ…。よ、余計恥ずかしくなるじゃん…っ。」
「…すまん。」
「だから謝んな!あとそれやめろ!」
それとは、俺がキラーに覆い被さるような体制になっている状況のことを言っているのだろう。
…でも。
もう少しだけ。
もう少しだけ、このままでいたいと思ってしまう、自分がいる。
「…もう少しだけ、 "じこちゅー"してもいいか?」
そのままぎゅっとキラーを抱きしめる。
腕の中でびくりと小さい肩が揺れた。
「え…は。
べ、別に良いけど…。」
照れた顔を見られるのが恥ずかしいのか、手で顔半分を隠しながら、キラーがボソリとつぶやいた。
後日。
この姿をあのクソだこに見られて散々いじられたのはまた別の話。
とある人へのお礼のお礼です♡
コメント
9件
わぉ☆マダキラは好きや
神😇✨💕 マダキラは神
🐙「なぁ じこちゅー さんよォ、昨日は楽しそうだったなぁ?w」って言われてそう