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桐谷紫苑は、窓のそばでそっと制服の袖を握っていた。 今日で高校生活が終わるなんて、まだ実感がわかない。 後ろの席から、明るい声が飛んできた。
愛梨
紫苑
いつものように笑顔で駆け寄ってくる 立花 愛梨 その無邪気さに、紫苑の胸がふっと熱くなる。 彼女は、紫苑の想いには気づいていない。 ずっと幼なじみという“関係”のまま。
そこに、ふわっとした声が加わる。
雫
星宮雫が優しくスマホを差し出す。 中性的な顔立ちに、柔らかな笑み。 女子に人気な理由もわかる。
愛梨
雫
そこへ、ニヤッとした声が割り込んだ。
美羽
紫苑
櫻井美羽。 ミステリー好きで、いつも鋭いツッコミをする幼なじみ。 彼女は紫苑の気持ちをなんとなく察している気がする。
美羽
愛梨
言われて初めて実感が押し寄せ、 紫苑の胸がぎゅっと締めつけられた。
【帰り道】
卒業証書を片手に持って 4人で学校の坂道を下っていく。
愛梨
雫
美羽
愛梨
紫苑は、そんなやり取りを聞きながら優しく笑った。
紫苑
紫苑は胸の奥で、そっと願った。
【そして、春。】
大学の入学式当日。 桜がひらひらと舞う中、 紫苑は緊張した面持ちで校門をくぐる。
紫苑
そんな考えが頭をよぎった瞬間――
愛梨
突然、すぐ近くから叫び声。 驚いて振り向くと、あの日と変わらない 愛梨の姿
紫苑
そこへ、ふわっとした声。
雫
雫は目を丸くしながら、 袖をぎゅっとつかんで小さく震えている。
(少し遅れて到着)
美羽
3人そろって紫苑を見つめる。 そして全員がほぼ同時に、
全員 「「「えぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」」」
桜の花びらが舞う中で、 4人の叫びが校門に響き渡った。 紫苑は信じられないという顔で言った。
紫苑
雫
雫はふわりと微笑む。 その優しい声で、紫苑の胸の緊張がゆっくりほどけていった。
こうして、もう二度と揃わないと思っていた4人が―― 再び同じ場所に集まった。 それが“始まり”だった。
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