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曖昧独白パルラーレ

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曖昧独白パルラーレ

2 - #1 社交辞令

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2025年01月06日

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#1 社交辞令

放課後、図書室

静寂の中に ページを めくる音が響く

その音の出処は わたしと、

彼。

…あの

私、思うんです

んー?

人生って、きっと

私達が自覚するよりずっと短くて

あっという間に過ぎ去ってしまうんじゃないかって

うん

そうなのかもね

答えながらも、彼は雑誌から 目を離さずにいる。

私はそれに構わず話を続けた。

時間は無限じゃない

人生には終わりがある

だからこそ

興味のないものに
時間を費やすほど

無駄なことはないんじゃないかって、思いませんか?

例えば

社交辞令とか

辞めたいって言い出せずに続ける部活とか

読んだフリで
ページをめくる本、とか

……何が言いたいの?

その雑誌、本当は読んでないんじゃないですか?

あ、ばれた?

気付いて欲しかったと 言わんばかりの笑顔。

どうやら彼は私が思うより ずっと子供で面倒くさいらしい。

…わかりますよ、それくらい

ページをめくるのが
早かったり遅かったり

その割には全然目が動いてない

すげー

でも残念、不正解

ちゃんと読んでるよ

でもこの雑誌、読んだことあるやつだから

気になったとこしか
読んでないってだけ

内容は大体覚えてるけど久しぶりに読むと楽しくて

…そうですか

で、山野サンは何読んでるの?

そして誰もいなくなった、です

ふーん…面白い?

面白いですよ

とある孤島に集められた10人の人間が次々に殺されていくお話です

なにそれ、ホラー?

ミステリーです

読んでみますか?

えー、読まない

そんなはっきり…

こんなに丁寧に説明したのに

字ばっかりの本は苦手でさ

ほら、

社交辞令は無駄、なんでしょ?

悪戯っぽく笑った彼は私がそれを否定できないことを知っている。

本当に面倒臭い人だ。

…篠宮くんはもう少し人との関わり方を考えた方がいいです

えー、僕だって色々考えてるのに

彼がなにやら文句を言っているが聞こえないふりをして

私は読書に集中し、 ページをめくる

フリをした。

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