FaithN

スタート！

ここに来るまで最初しかまともに注意事項言ってない…

まぁ、ここまで来たらいっそ言わなくていっか！

そんじゃスタート〜

僕はスマホを取り出してラファエルにもう少し待っててと連絡しようとした

けれど…

その態度に少しイラッとしたが…あれ、どうしてイラッとするんだ？

確かに僕はやってないけど…この子は信用出来ないし…

その瞬間あの子の後ろから...いや、その後ろのタンク辺りから物音がした

僕は思わずビクッと反応する

すると物陰から人が出てきた

レインはあの子の事をじっと見ている

暫くするとあの子がため息をついて、まるで勝手にしてろとでも言うかのようにそっぽを向いた

するとレインは僕の方を見て今までの事柄を話し始めた

その瞬間僕は泣いてしまった。なんで泣く必要があるのか分からないけど…

バタン

もうアリンはとっくに限界なのにね

そういった美月の声は、今にも空に吸い込まれそうなほどか細かった

嘘だ。アリン、さっきから笑ってるけど、貼り付けたような笑顔をしてる

それに、話して見て思った

今のアリンは言葉に感情が乗ってない

前は楽しいならもっと声が上がってたし、悲しいなら沈んだ声を出していた

けど今は一定で、抑揚がない。

まるで感情のない機械みたいだった

その瞬間アリンは過呼吸になって座り込んでしまった

俺はこの時さっき言った事を後悔した

俺はアリンの背中に手を置き、ゆっくりとさすった

その途端アリンがビクッとして俺を見た。だから俺は「大丈夫」と笑いかけた

俺はつい反射的にアリンの腕を掴んでしまった。

アリンは俺の手を振り解き、走って帰ってしまった

俺は複雑な気持ちのまま自分の家へ帰った

バタンッ

僕はあの後レインから逃げるように家に帰ってきた

本当なら感謝を伝えて、そしたら家に帰るつもりだった

でも出来なかった

でも何故か身体の震えは治る気配がなく、カタカタと震えている

そう言って包帯を取る。そこにはビッシリと刻まれた跡があった

その時スマホからバイブ音が流れ、部屋に響いた

そう言って僕はため息をつき、スマホの画面をみる

相手はラファエルだった

ラファエルの家は一度帰ったら外へ出る事を禁止されている

何故かは分からないんだ、昔からね…

理由を聞こうとするとすぐ話を逸らされるし、ラファエルの機嫌が悪くなる

だから、いつも別の話になって結局聞くことが出来ないんだ

それから僕は今日の事をラファエルに話した

だけど屋上での話は話さなかった。いや、話したとしてもほんの一部だけ

僕としては全部話しても良かったけど、美月が2人で話す予定の内容だったし…

それに、なんだか嫌な予感がした

話してしまえば大変な事になりそうな…そんな感じ

だから話さなかった

そして通話が終了した