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文武両道で常に明るく友達も多く、先生にも程よくチョケて信頼もされる。人当たりがよく扱いやすい性格でよく周りから何かと頼まれることが多い。雑用を押し付けたり、先輩たちとの間に立たせて伝言係みたいにして扱われていた。 だからなのか、誰もその子の限界を見ていなかった。知ろうともしなかった。 彼らの瞳に映る彼女は変化などないようだった。そのつけが来たのだろう。いつの日かその子は朝の学校の校地内で血だらけで見つかった。
恵美まどか
昼近くになろうとしている時間。僕たち、スワロウテイルはネストの本部まで来ていた。依頼は、なく事務所でゆっくりまったりして過ごそうと思っていたら、誠一が来て「今日はネストに呼ばれたやろ」と強引にここに連れてこられた。
踏分誠一
神柴健三
健三の言う通り、いつもの月に何回かある聞き取りだ。だから僕が行く必要はない。それなのに誠一が連れてきたんだ。どうせ、少しでも身体を動かそうとしたんだろう
踏分誠一
僕の予報通りだ。余計のお世話だ。おっせかい。ありがた迷惑。 口に出して言ってやってもいいが、また小言が返ってくるだけだ。 あーもう、早く終わらないかな。 順番待ちだからここで数分待つことになっている。そっちから読んだくせに待たせるなんてどうかしてる。そんな僕の心境など知らない2人はまた喧嘩してる。
神柴健三
踏分誠一
神柴健三
踏分誠一
神柴健三
長引きそうだな。よし、この間に逃げよう。聞き取りはいつもみたいに2人にまかせればいいし。そう思い立って僕はこっそりとその場を離れた。幸い2人は言い合いに夢中で気づいていない。いつもなら気づきそうだけど喧嘩している間の2人はお互いしか見えてないから隙をつくのは簡単だった。
恵美まどか
天幻次彩
恵美まどか
天幻次彩
ドンっと手を伸ばしていたら何かとぶつかった。お互い気が緩んでいたのだろう。
恵美まどか
天幻次彩
ぶつかった相手はパロットビークの名探偵、天幻次彩だった。
恵美まどか
僕の記憶が正しければ元舞台役者。ネストに入ってからは探偵一筋で辞めたはずじゃあ。
天幻次彩
恵美まどか
天幻次彩
そういって包装紙に包まれた飴をいくつか渡された。
恵美まどか
天幻次彩
恵美まどか
わざわざ人にあげるなんて見た目のわりに小賢しい。酸っぱいの苦手なのか?それなら、他の記録者にあげそうだけどていよく押し付けたってことかな?けどこいつの性格的に違うな。まぁ、僕別に酸っぱいの平気だしいいんだけど。とりあえずポッケトにしまっておくことにした。
天幻次彩
恵美まどか
天幻次彩
恵美まどか
そう別れの挨拶をして僕は今度こそ帰ろうと歩く
???
恵美まどか
以前は飲食店があったが違う雑居ビルが建てられていたりして前に来た時とは変わっていた。
恵美まどか
そう呟きながら曲がり角を曲がろうとすると不意に誰かと肩がぶつかった。
???
ついさっきも誰かとぶつかったのにまたぶつかった。しかも今回は相手側が走ってきていての不注意だった。視線を下にすると、名門校の制服。きっちりとしたブレザーに、校章のバッジ。時間はまだ授業中のはずだ。普通に考えれば、体調不良で帰ってきた。けどこの子は走っていた。もし体調が悪かったら走らないだろう。なら、不登校か、あるいは通信の可能性もあるけど、通信制から私服通学が基本だ。わざわざ制服で来る理由は薄い。それに通信の生徒が一般生徒の授業時間ど真ん中に来る確率は少ない。今日は平日の昼過ぎ。中途半端な時間だ。なにより、学校がある方から来なかったか? ーー何か事情がありそうだ。
???
何も言わずに観察していると、その子は僕の目を見ていた。
恵美まどか
???
恵美まどか
隠す理由もないので正直に答える。けど僕が住んでいる街ではないんだけどなぁ。ただぶらっと歩いていたらここにきただけだ。なのに厄介ごとの予感がする。
???
その子は一瞬ためらい、それから覚悟を決めたように言った。その声は少し震えていたがどこか切実だった
???
恵美まどか
???
恵美まどか
???
その子は唇を噛んだ。
???
その言葉に僕は一瞬だけ笑った
恵美まどか
???
風が制服の裾を揺らす。僕はその子の着崩れていない襟元、やや赤い目元、寝れていないのか隈もうっすら残ってる。コンシーラとかで隠しているけどよく目を凝らせばわかる。この子自身も、もう半分飲み込まれかけている。 流行り、空気、無言の圧力。 それはいつだって、人を簡単に染める。
恵美まどか
直球に聞くとその子は硬直したが、微かな声で答えた。
???
正直だ。誤魔化すわけでもなく、黙るわけでもなく、本当に正直に答えた。僕はわずかに口角を上げた。
恵美まどか
???
恵美まどか
そう言って踵を返す。正直言うとこれは事件でも何でもない。どこにでもあるようなことだ。特に学校では。大衆が作る空気ほど、静かで、強くて、残酷なものはない。
恵美まどか
その子は小さく頷くと「こっちです」と歩き始めた。そして小さな事件は、ゆっくりと動き出す。それがただの思い込みなのか。それとも、もっと厄介な何かなのか
名門校の体育館
恵美まどか
学校に来たはいいものの、その子は昼練、部活があるらしくて僕はここの校長にに頼んで、学校見学に来た人ということで見学する、いわゆるオープンキャンパスのような形でここにいる。もう直ぐ夏だし早めの体験入学の子ってことで。
名門校の生徒
焦げ茶色のショートヘアの子が依頼人の、藤井日向近づきていく
名門校の生徒
藤井日向
寺沢杏
大野咲
胸元まで伸びたサラサラな薄茶色の髪の、靴の紐の色的に先輩だな
藤井日向
大野咲
隣を歩いている大野が、ちらりと藤井の方を見てくる。夏が終われば三年生は引退してしまう。そうなれば二年の中から部長と副部長が選ばれる。そしておそらくは——
寺沢杏
本人に悪気なんてないのだろう。けど藤井の笑顔はどこか影が出るようにみえる
藤井日向
大野咲
寺沢杏
みんなに頼られているように見えるがそれは都合よく扱いやすいだけだ。顧問の先生に気に入られているように見えるのも、顧問にとっても藤井が扱いやすいだけで好かれているわけではないだろう。
恵美まどか
恵美まどか
藤井日向
僕はそういうと来るように促す。これ以上あそこにいたらこの子は間違いなく駄目だと思った。
藤井日向
恵美まどか
助けたつもりはない。ただ見ていられなかっただけ。
調べていくうちに共通点は何個か見つかった。依頼人を含め、無気力になっていく生徒の多くが、同じ部活に所属している。しかも、人数が異様に多い。
恵美まどか
僕は部室の前の廊下で立ち止まった。壁に貼られた大会実績のポスター。強豪校らしい輝かしい成績。実力の成績表などと。 名門校。勝ち続ける部活。結果が全ての世界。話を聞くと顧問は厳しいが実績のある人物だった。そして確かに、大会運営、作戦立案ら後輩指導などそういった責任の重い仕事は、次期部長候補や、実力トップクラスの生徒に集中している。
恵美まどか
確かに構図は見える。期待をかけて、重責を負わせ、逃げ場をなくす。空気を作ることは可能だ。だけどそれだけじゃ説明が足りない。顧問が直接圧をかけているのは、せいぜい数人。なのに、部全体に広がろうとしている。何故か。気づいたのは証言ではなく"視線"だった。トップ層が明らかに疲弊している。責任を押し付けられた生徒が、明らかに余裕を失っている。 そして周囲はーー助けない。いや、助けないのでない。らすでに実力主義の空気が出来上がっている。あの部活では力があるものが背負うのが、できる者がやるのが、強い者が引っ張るのが当然。そういう正義という名の押し付けが静かに共有されている。だから他の部員は自分より上の実力のある人を見て自分の立ち位置を決めて、自分に害がないようにする。責任の集中は、顧問の直接的な圧力から始まった。だからそれを固定化し、拡散させたのは部員たちの「同調」と「保身」だ。そしてもう一つ。僕は依頼人に訊ねた。
恵美まどか
依頼人は少し考えて言った。
藤井日向
それだ。トップ層が疲弊するりその姿を見た他の部員はこう思う。あそこまでやられるなら目立たない方がいい、と。すると無意識に熱量を落とす。そうすれば顧問に目がつかない位置に下がる。これは感染ではなく防衛だ。この部では今、期待される=摂取される、という認識が共有され始めている。だから人数が多い。顧問から圧をかけられていない部員も巻き込まれないために自分から熱を消している。それが流行の正体。原因は顧問だけではない。顧問は火種だ。だが燃え上がらせたのは部全体の空気。責任を押し付ける構造。実力主義の歪み。助けないことで自分を守る心理。 大衆はいつもそうだ。直接殴らなくても見ているだけで人を追い詰める。
その話を聞いた依頼人は青ざめた
藤井日向
恵美まどか
責任を分散させる。顧問に見える形で是正させる。トップ層、実力がある者が休める場所、とか。何かしら対策しないとこの部は崩壊するだろう確実に。
これは病気でも何でもない。人が作り出すそのものの空気。そしてらこれは誰か1人を止めれば消えるものでもない。全員が吸っている限り続く。
キンコンカン
授業の始まる5分前のチャイムが鳴った
恵美まどか
今日は放課後も部活があるらしいから調査は一旦放課後にする。この子の授業を邪魔してまでする気はない。僕もちょっと休みたいしね。
藤井日向
依頼人はお辞儀をして廊下を走っていく。
さて、僕はどうしようかな。放課後になるまで時間を潰すのもいい。調査を進めるも良し。僕は寝たいな。ここの生徒でもないしどこが空き教室かもわからない。屋上でもいこうかな。開いてるかわからないけど。とりあえずそこで休憩しよう。
ガチャ
恵美まどか
???
声のした方を見ると、奥のフェンスに腰がけてスマホを弄っている生徒がいた。
恵美まどか
予鈴は鳴っていた。なのに屋上で呑気にしている男子生徒。
???
恵美まどか
???
スマホを弄っていると思ったら僕の特徴とかで調べたのだろうか
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
滝波涼という人は意味深なことを言った。ネストということは事件だろうと思ったんだろう。でも、事件だと思わないようなことだったら今のような発言はしない。この学校他にも何かありそうだ。そうと分かればこいつに聞くしかない。
滝波涼
恵美まどか
杞憂であればいい。そうでなければ依頼の結論は部の空気だけではなくなる
滝波涼
藤井。依頼人の。
滝波涼
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
あの先輩の行動ということは誰かしらが意図して行ったことになる。一体誰が。
滝波涼
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
滝波涼
確かにそうだ。今日来た僕にだって分かる。あの部の実態は。他の部活もあそこまでではないけど何かしらありそうだ。だけどーー
恵美まどか
滝波涼
そうか。衝動的な行動。骨が折れていなかったとしても部には多分戻らない可能性が大きい。僕だったら即辞める
恵美まどか
滝波涼
こいつは見抜いてるな。僕のこと。なら、なおさら関わりたい。だって君も似ている目をしている。何かに絶望してそれでもなお、諦めきれない何かを探しているような。そんな目を
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
プルルルーー
恵美まどか
誠一と健三からの着信がたくさんある。あ、そういえば黙って来たんだった。とりあえずメールだけして。うわ、またきたし、これは無視で。
滝波涼
恵美まどか
滝波涼
恵美まどか
ぴすぴす(◉▽◉ )Э