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『エナ』 ドアは、ノックしない。 ここは、そういう場所だから。 静かに開けて、靴を揃える。 少しだけ、右に寄せる癖は直らない。 ……やっぱり、ここだ。 空気が軽い。 何もないのに、何かが多い。 「エナ。」 名乗るほどでもないけど、一応。 忘れられることはないと思うけど。 無口って、よく言われる。 無愛想も、ついでに。 別に、否定はしない。 話す理由がなければ、話さないだけ。 ……でも、ここには来る。 みゅーがいるから。 あいつは、うるさい。 勝手に話して、勝手に決めて、勝手に笑う。 で、気づいたら巻き込まれてる。 たぶん、今回もそう。 少し視線を奥に流す。 ……マリニも、いる。 同じ顔してる。 たぶん、振り回されてる。 「……大変だね。」 小さく、誰にも向けずに落とす。 同情、ってほどじゃないけど。 ちょっとだけ、わかるから。 エナは、壁に寄りかかる。 来る理由は、特にない。 帰る理由も、まだない。 だから、とりあえずここにいる。 それだけ。
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成長痛ガチ膝にくる