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ブクマ失礼します!!🙇🏻♀️
遅れてますがブクマ失礼します🙇♀️ めっちゃ泣けました😭
めちゃめちゃ泣きました… ブクマ失礼します!!
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
💗💙
『手放した君を、愛してると思った』
S.
暗い部屋で一人
パソコンから、顔をあげる
カーテンの隙間から
しずかな暗闇が覗いていた
時計に目を向けると
短針は、2のところを指していた
S.
大きく伸びをし
パソコンを閉じる
少し耳をすますと
隣の部屋から音は聞こえなくて
彼はもう眠っているのだと判断する
音を立てないよう、静かにスマホを手に取り
ある人へ、メッセージを送った
何度かやり取りをし
今度は、上着を片手にドアに向かう
カチャ.......
隣の部屋のドアをそっと開けると
ベットで布団をかけずに寝ている
彼の姿があった
そっと近づくと
小さな寝息が聞こえる
綺麗な水色の髪に触れ
そのまま肌へと移動させる
きめ細やかな白い肌からは
暖かい温もりが感じられた
風邪を引かないようにと
彼の枕元に無造作に置かれた毛布を
彼に掛けようと
手を伸ばした
でも、その手は毛布に届く前に
寝ているはずの彼に、掴まれる
びっくりして
思わず、え、と漏らしてしまうが
彼は変わらず寝息を立てていて
俺の手をつかんだのも
無意識らしかった
その無意識さは
逆に俺の心をえぐってくる
無意識に手を握るくらい
彼に、想ってもらってるのに
俺は今日も
彼を置いて家を出る
肌寒くなってきた10月の夜に
袖から指を出して
インターホンを押す
程なくして
ガチャリと扉が空いた
Ri.
S.
Ri.
Ri.
S.
Ri.
S.
Ri.
Ri.
Ri.
S.
Ri.
Ri.
Ri.
S.
Ri.
S.
Ri.
Ri.
S.
Ri.
やっぱゲームだよね〜、と言いながら
パソコンを起動する莉犬
それを横目に
今、莉犬に言われた言葉を思い返す
”ちゃんと大切にしなよ”
”ころちゃんのこと”
いつからだろう
俺が、ころんを置いて
こうやって莉犬の家に来るように なったのは
昔は仲が良かった
C.
S.
C.
S.
毎日一生にゲームをして
C.
C.
S.
りすなーさん
一緒に放送して
C.
S.
C.
S.
S.
一緒にお酒を飲んで
S.
C.
S.
C.
好きって言って
C.
S.
S.
C.
好きって言われて
C.
C.
S.
C.
C.
S.
お互いの家をたくさん行き来して
俺の家の方が多かったかな
S.
C.
S.
ちょっとずつ
家にころんの荷物が増えていって
S.
S.
C.
S.
C.
S.
C.
S.
S.
一緒に甘い時間を過ごして
だけど、ころんが完全に俺の家に住むようになってからは
一緒にいることの特別差を感じれなくなったのか
はたまた一緒にいることが当たり前に感じたからか
前みたいに、彼の事を抱きしめたいと
思わなくなった
喧嘩をしたわけじゃないし
嫌いになったわけでもないけれど
彼の事を好きかと聞かれても
自身を持って
「YES」と答えられない気がした
でも、多分
そう思ってるのは、俺だけ
ころんは、俺の家に住むようになってからも
何一つ変わらず、接してくれた
少し照れながら
「好きだよ?」って言ってくれて
今まで通りの無邪気な声で
「さとみくん」と呼んで
笑ってくれて
でも、たんだん
俺がころんに対して
前みたいに好きだと思ってないことを
感じ取ったのか
あまり好きだと言ってこなくなった
それどころか
前みたいに、少し甘えてきたりする こともなくなって
でも、それでも
家に帰ろうとしないのと
たまに話した時に見せる
悲しそうな表情を見ると
彼はまだ自分の事を好きでいてくれてるのだと
何となくわかる
そんな彼の表情を見るのが嫌で
こうやって誰かの家に来たり
家にいても、パソコンに向き合っていたりと
そうしている時間が
長いようにも、短いようにも感じる
ころんに気持ちがないと言ったら 嘘になる
でも、自分でもどうしたらいいのか分からず
結局今日も
彼との関係から目を逸らして 過ごすのだ
Ri.
Ri.
莉犬が明るく話しかけてきたから
俺も明るく返す
S.
Ri.
Ri.
S.
Ri.
楽しい
ころんとは、ほとんどゲームをしたりしていないから
最近は、こうやって
莉犬と遊んでいる時の方が
楽しいと感じるようになってきた
我ながら、最低だな、と思う
Ri.
S.
S.
Ri.
今日は一睡もしていないのに
夢中になって
日が昇るまでゲームを続ける
気づけば、時計は
朝の8時を回っていた
チュンチュン、と雀のなく声がして
うっすらと目を開ける
飛び込んでくる光に目を細めながら
ゆっくりと起き上がった
まだぼんやりした意識のまま
何となく、スマホを起動させる
スマホの画面には
彼からのLINEが一件
「莉犬の家行ってくる」
という
質素なものだった
「わかった」とだけ送って
電源を落とす
別に
今更おどろいたりしない
いつもの事だから
C.
自分しかないな部屋で
そう呟いて、もう一度布団に潜る
最近は、何となく、寒くなってきた 気がする
今までの10月はこんなに寒かった だろうか
………寒かったのかもな
前までは
隣に彼がいたから
だから、暖かく感じていただけかも しれない
そう思うと
自然と寂しさが込み上げてくる
涙が溢れる前に
目を閉じる
脳裏に浮かんでくる
彼との記憶
S.
S.
彼が、「好き」って言って
笑ってくれるのが
大好きだった
S.
泣きだしたら
なかなか泣き止まない僕を
ずっと抱きしめてくれる彼が
大好きだった
でも、きっと、もう
あのころの彼は帰ってこない
未だに
自分の何が悪かったのかは 分からないが
もう彼が自分のことを好きではない事は
薄々気づいていた
それでもこの家から離れようとしない僕は
なかなか頑固だと思う
大好きだった彼は
もういないのに
僕の全てだった彼は
もう戻ってこないのに
ガチャッ
1階から玄関の開く音が聞こえて
ハッと我に返る
気づいたら
頬を暖かいものがつたっていた
C.
そう思って
急いで拭いて、下に降りる
彼は僕のことが
好きじゃないけど
僕は彼のことが
好きだから
C.
S.
S.
C.
C.
S.
C.
僕は今日も君に話しかけて
ほとんど会話は続かずに
無言の空間が生まれる
彼は
僕の言葉を無視したり
嫌な顔をしたりはしないけど
彼からの応答の声に
愛情がこもっていないのは
嫌でも感じ取れた
C.
C.
無言でいるのが気まづくて
そんな、意味不明な言葉を 発してしまう
うん、と答えた彼と
一瞬、目が合った気がした
でもそれは
気の所為なんかじゃなくて
S.
S.
心配してるのか
無関心なのか分からない表情で
彼が聞いてきた
C.
しまった
さっき泣いたんだった
一瞬
なにか嘘を付けば、 心配してくれるかもと考えたが
そんな馬鹿な考えはすぐに捨て
笑顔を作る
C.
彼は
少し、僕の顔を見つめてから
S.
とだけ言った
なにこれ
何度も繰り返してきたことなのに
こうなることは
わかっていたはずなのに
なぜか、今日は我慢できなくて
C.
と言って
彼に背を向けた
C.
そう思って
急いで階段を駆け上がった
ころんがいなくなった先を
ボーッと見つめる
なんで目が赤く腫れていたのかを
気づいていたのに分からないふりをした俺は
最低だ
ふぅ、と息をついて
リビングに入る
朝のリビングは
思ったより寒くて
なぜか、いつもより寂しかった
やかんに水を入れ
火にかける
S.
こうやって心配してしまうのは
きっとまだ心のどこかで
ころんがのことを想っているからだと思う
でも
すぐに彼の部屋に行こうとしないのは
きっと前みたいに
心からの好きだと思ってないからだと思う
このふたつの感情のせいで
俺はころんとの関係を
あやふやにしてしまっている
好きじゃないけど
別れたくない
こう思ってしまうのは
結局
好きだからか
好きじゃないからか
分からない
粉状のカフェラテをマグカップに入れ
お湯を注ぐ
今更ながら
ころんのも作っておけば良かったな
と、後悔した
昔は
無意識のうちに
2人分作っていたのに
そう思うと
少し切なくなった
マグカップを持ったまま
2階に上がり
カップをデスクトップの横に置く
結局
ころんの部屋に行くことは
できなかった
なのに、それに対して
そこまで深く考えていない自分に
少し嫌気がさす
考えるのが嫌になって
急いでパソコンを起動させ
録り溜めしてある動画の中から
ひとつをクリックし
編集作業を始めた
急いで階段を駆け上がり
部屋のドアを閉める
そのままズルズルと座り込み
目を閉じた
今日は、何故かいつもより
感情的になってしまう
気温が低いせいだろうか
だめだ、落ち着かなくては
そう考えて
ふぅ、と息をつくと
少しずつ
溢れそうな気持ちを
押しとどめることが出来て
ゆっくり、目を開ける
たった数ヶ月で増えた
僕の荷物たち
ざっと見渡してから
さとみくんに借りた押し入れを開け
水色のそれを取り出す
C.
僕はスマホを起動させ
連絡先を開くと
ある人に、電話をかけた
端末から聞こえる
「もしもし」、という声を合図に
すぅ、と息を吸う
C.
作業を一段落終わらせ
すっかり冷たくなった残りの カフェラテを
一気に飲み干す
スマホを取り出し
何気なくTwitterを見ていると
背後で、控えめなノックが聞こえた
C.
ノックの主は
もちろん彼
しばらく俺の部屋に来たりしていなかったから
少しびっくりしつつ
どうしたの、と声をかける
自分が思っていたよりずっと
優しさのない声音になってしまった ことに
気付かないふりをして
C.
S.
S.
C.
C.
C.
顔にこそ出なかったが
内心、とてもびっくりした
もう何日もの間
ゲームすら、一緒にしていないのに
突然の彼からの誘い
でも俺は
頷かなかった
きっと、今散歩なんてしても
気まづいだけだ
そう思って
S.
S.
C.
そういった彼は
俺が断ることを分かりきっていたように
切なそうに、笑った
C.
彼が部屋から出ていくのを
時間をかけて見つめてから
せめて行ってらっしゃいくらい言えば良かったかな、と思い
俺も玄関に向かった
階段を降りて玄関を見た俺の目に
1番に飛び込んできたのは
淡い水色の
大きなボストンバック
彼は今にも
その大きなボストンバックを持って
この家から、出ていくところだった
すぐに玄関に駆け寄り
びっくりした顔のころんに
話しかける
S.
C.
C.
S.
S.
C.
彼は黙って
じっと俺の足元を見つめる
S.
C.
C.
C.
ころんは
俺の質問に答えずに
消え入りそうな声で
そう聞いてきた
いつも聞いてきた馬鹿みたいに大きい彼の声からは考えられないくらい
小さな、小さな声に
彼自身が溶けきってしまいそうで
思わず、手を伸ばす
C.
だけど
その手が彼に届く前に
ころんが続きを話すために
口を開いた
C.
S.
彼に届かなかった腕は
その場で、固まったまま
C.
C.
S.
C.
C.
固まった腕を
ゆっくり下ろす
彼は、いつから
この家を出ていこうと思っていたのだろうか
自分のせいだと分かっているのに
頭が真っ白になって
ころんが何を言っているのかすら
分からなくなる
C.
C.
なのに、なぜか
彼に言われた「好きじゃない」は
すぅっ、と心の中に溶け込んできた
だから
自分のためなのか
彼のためなのか
分からないけど
カラカラになった喉から
何とか声を出す
S.
S.
別れよっか、
そう言った瞬間
泣きたいくらい、彼の事を
愛おしいと思った
小さく、小刻みに震える彼を
抱きしめたいと思った
でも
そんなのは今更で
彼は、大きな目から
大粒の涙を零しながら
うん、と言って
それから
何かを呟いた
ゆっくりとした動作で
玄関から外に出ていく
気づいたら俺は
玄関で、泣き崩れていた
S.
泣いたらいけないのに
泣きたいのはころんなのに
苦しくて
吐きそうで
S.
玄関に残る、彼の匂いに
いないのはわかっていながら
すがりつく
散々冷たくしといて
俺から突き放しておいて
今更行かないで欲しいなんて
なんて自分勝手だろう、と思う
それでも
手放したくなかった
手放す出来じゃなかった
あの小さな体に何度も助けられた俺は
ころんが隣にいるのが
どんなにありがたいことか
何もわかっていなかった
彼がくれた
掛け値のない優しさが
当たり前だと思っていた
その罪深さに
彼が抱えていた
見えない天秤の残酷さに
ほんとうにころんが俺の前からいなくなってしまったことを
実感させられる
俺は
こんなことをするために
ころんを愛したわけじゃないのに
S.
S.
彼が俺に向けて言ってくれた
最後の言葉
"好きになってくれてありがとう"
S.
S.
どれだけそう言っても
もうそこに
彼はいないのに
無邪気な笑顔で
"僕も"って
言ってはくれないけど
S.
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ
なごみ