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そらしろ
コメント
3件
一気読みしました!イタリアかわいそーだよーそしてロマーノ君良いことしたね!そして書くの上手ですね!私もこのぐらい日本語がうまければ、、、
「笑って」って言われて無理やり口元を上げるシーン、すごく胸が締め付けられました……。あの白い部屋の冷たい空気とか、逃げても頭の中に刷り込まれた声が消えない感じ、本当に重くて苦しかったです。それなのに最後のロマーノとスペインの軽いやり取りが、今のイタリアに少しだけ日常が戻った証みたいで、じんわり来ました。本当にお疲れ様でした、そらしろさん💧🥀
白い部屋
幼いイタリアはベッドに座っていた
手首には固定器具
逃げられない
扉が開く
白衣の研究員
いつもの人数
イタリア
この時のイタリアは今のイタリアとは、違って
あまり笑わなかった
研究員
電極を取り付けられる
体が緊張する
研究員
ピッ
一瞬
身体の奥に”ビリッ”とした刺激
心臓が跳ねる
呼吸が乱れる
モニターの数字が動く
研究員
研究員は淡々と記録する
研究員
ピッ
少し強い刺激
イタリアの指がベッドのシーツを掴む
息が詰まる
イタリア
小さな声が漏れる
研究員を見る
研究員
さらに記録される
ピッ
今度は少し長い刺激
身体が跳ねる
イタリア
声が出た
初めてだった
それぐらい限界が来てるということだろう
研究員の1人が少しだけ驚く
研究員
研究員
ピッ
刺激が続く
息が上手くできない
怖い
止めてほしい
でも止まらない
イタリア
声が少し大きくなる
それでも研究員は止めない
研究員
そして最後
ピッ
強くは無い
でも”長い”
逃げられない感じだけが続く
イタリアの喉が震える
イタリア
叫びだった
小さな部屋に響く
研究員は淡々と書く
研究員
その後
静かになる
電極が外される
誰も何も言わない
イタリアは荒い呼吸のまま天井を見ていた
目が熱い
でも泣けない
研究員が言う
研究員
そしていつもの言葉
『笑って』
イタリアは震える手で口元を上げる
イタリア
声がかすれている
でも笑う
さて、皆様方
何故,イタリアがこんなとこにいるんだ?
って思う方もいらっしゃるかもしれない
この個体は”戦時回収サンプル”
戦場で回収された子供であり
国籍や名前より先に『適性データ』が記録された存在だった
人として扱われたのではない
最初から
戦力になるかどうか測るための対象
としてここにいた
そして同時に、まだ完成していなかった
「恐怖反応」
「判断力」
「従順性」
その全てを測り、調整するための実験
だからここからは逃げることが出来なかった
”外に出す価値があるかどうか”が決まるまで
それでもある夜
いつもと違う異変が起きる
警報が遠くで鳴った
赤いランプが廊下を照らす
研究員
研究員
研究員の声が慌ただしくなる
扉のロック音が途切れる
ガチャ,と音がした
鍵が”外側”から解除された
誰かがミスをしたのか
それと事故か
それすら分からない
ただ1つだけわかった
今しかない
イタリアはベッドから立ち上がる
手首の固定具はまだ付いたまま
でも扉は開いていた
誰も止めない
廊下に出る
誰も止めない
走る
裸足のまま
角を曲がる度に警報音が大きくなる
研究員
遠くで声
研究員
走る
走る
足が痛い
息が切れる
それでも止まらない
階段を飛び降りながら下りる
扉が見える
外へ続く非常口
手首に拘束器具を付けたまま手を伸ばす
背後で足音
研究員
振り返らない
扉を押す
重い
でも開く
外
風
夜の空気
久しぶりの”外”
光がない世界
でも白くない
後ろで叫び声がする
それでも走る
走り続ける
気づけば
研究所は遠く,闇の中に沈んでいた
膝が崩れる
地面に手をつく
イタリア
イタリア
イタリア
息が乱れる
イタリア
やっと……やっとあの研究室から
イタリア
イタリア
でもすぐに
頭の中に声が響く
『笑って』
イタリアは震える
そして
イタリア
誰もいない夜に笑った
理由は1つじゃなかった
”生きるために作られた存在”だったから
そして
”逃げるしかなかった存在”だったから
その後はイタリアにも記憶がない
イタリアは疲れて、倒れたのはわかっているが
起きた時には政府の所へ安全に確保されていた
そして、誰が連れて行ったのかは分かっていない
ロマーノ
スペイン
ロマーノ
スペイン
スペイン
ロマーノ
ロマーノ