莉犬
なんでもない、
口をつぐんだ。
ななもり。
本当はちょっと足を止めたくて、
莉犬
でも、きみは早足で俺の先を行くから、
莉犬
俺はそれを見つめてる。
莉犬
遠くへと君は行く俺を置いてって、
莉犬
走り出すゆっくりと
莉犬
地面がずれていく、
莉犬
泣いちゃダメ、泣いちゃダメ、でも
莉犬
でも本当は言いたいよ、
「行かないで」
莉犬
炎上終わればいつもと同じ、
莉犬
変わらぬ夜が来るんだと知った、
莉犬
でも、君はいつもよりずっと、
莉犬
小さく見えて、
莉犬
俺はそれを見つめてる。
莉犬
時間だけが過ぎていく
莉犬
俺を連れてって、
莉犬
帰り道、暗いけど一人で大丈夫?、
ななもり。
街灯に照らされて
ななもり。
影ができている
ななもり。
一人ぼっちさ、
莉犬
遠くへと消えていく俺を置いてって、
ななもり。
完全にまた今度
莉犬
夜が
滲んでいく、
莉犬
泣いちゃダメ、
莉犬
泣いちゃダメでも、
莉犬
本当は言いたいよ、
「行かないで」
莉犬
泣いちゃダメ、
莉犬
泣いちゃダメ、
莉犬
でも本当は言いたいよ、
「行かないでっ、!」