飼い主サマ

6:25

｢早く起きたなら、早く行動｣ そんな毎日が当たり前だった。 だが、変わってしまった。

君が両思いだと気づいたときから

仕方ないなと思いながら もう一度布団へ潜る。

そんな変なことを呟いていると

ﾋﾟﾋﾟﾋﾟ

6:30

ﾌｧｻ

君はキッカリ6:30に目が覚めてしまうようになり 遅刻も一切しなくなった。

何度このセリフを聞いたことだろう ご飯の日は決まって豚汁としゃけがおかずだ

ﾀｯﾀｯ

ﾊﾞﾀﾝｯ

｢飽きた｣ なんて言ったら意外と優しいキヨ君の事だ。 また メニューを変えてくれるのだろう

俺が完食をすると満面の笑みで ｢おそまつさまっ！｣ と 言ってくれる。 皮肉ながらもその顔が大好きだ。

ソレよりも前俺が ｢飽きた｣ そう言ったものならば すごく辛そうな泣きそうな顔をして ｢ごめん｣

そう一言だけ言った。

そのときの顔を 俺はもう 見たくない

ﾊﾞﾀﾝｯ

目の前では毎日キヨ君が ニコニコと感想を求めるような顔で 眺めてくる

ﾁﾗｯ

6:59

7:00

ｼﾞｰ

ﾆｺﾆｺ

あの顔をされると俺は弱い スマホを見てると毎回 めんどくさい ゲームもおちおち決められやしない

ｶﾞﾊﾞｯ

ｷﾞｭｰ

ﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞﾅﾃﾞ

ﾍﾞﾘｯ

なんだか恥ずかしくなって その場を早足で立ち去った

俺んちの猫も可愛がりすぎるとこうなるからなぁ 気持ちが少し分かった気がする。

逃げてきたついでに大量のお菓子を買った。 コンビニのお菓子が何よりも大好きだからやめられない

時計は8:00を刺しており 逃げてきてから10分が経過していた

ｷﾞｭｰ

キヨ君は10分をすぎると俺を即座に探し始めるようになってしまった。 俺はれっきとした大人なのに

君はペットのように俺を扱う

それから、昼も夜も いつもと同じ時間におなじことの繰り返し 実況を撮るときしか開放感がない

家から一人で出たら心配し

ご飯も毎日そんなに変わらない

そして自分のことをすごく 愛してくれる

あぁ、君は

まるで

俺の

飼い主サマ

おしまいです。

お塩さんタイトルありがとうございました！ とっても書くの楽しかったです！ (そして一日でリクエストを消費してしまう自分)