遠い時の果てそこに住む人々は 永遠の命を持つ者
そんな世界の中にただ1人”呪い”を 持って生まれた少女がいた。 これはその少女の話
木々が色づく街外れ、 湖畔が光に照らされて蒼く光っている
少女
少女
食べてもらいたいわ!
少女
少女はお菓子屋 赤い実を使ったお菓子を売りに街へ行く
少女
時計塔のある街へ
少女
少女
これはチャンスだわ!
少女
自信作なの!
少女
街の人
街の人
街の人
少女
少女
少女
今日も声は届かない
少女
少女
それは少女が呪われているから
少女
つまらないだけじゃない
少女
そんなにも大事?
少女
たった1人、”呪い”にかかった少女の話
少女
少女
少女
これを食べてもらうんだから!!
少女は諦めない 今日もまた、めげずに笑顔で 自信作を売りに行く
少女
みんなもお腹がへるはず!!
少女
少女
ドンッ
少女
その時誰かが少女を押した そのはずみで地面にパイが入った 籠が落ちた
少女
少女
声をかけても、もう遅かった
少女
少女
泣きそうになりながら、それを拾う
少女
少女
(誰かの手が伸びてくる)
少女
少女
パイを拾った1人の少年 そしてそれを一口
少年
少女
少女
少女
少女
少女
もらえるのって
こんなにも嬉しいのね…!!
彼女の頬には涙がつたっていた
少女
彼は手を差し伸べて言った
少年
少年
少年
少年
この世界で”呪い”を持った たった2人の物語
街の人
街の人
街の人
あんな呪いで消えるなんてごめんね
みんな声を揃えて
街の人たち
少女
少年
少女
少年
2人は笑っていた 街の人の言葉なんか 聞こえていないみたいに
少女
少年
少女
少年
少女
少女
誰よりも大切に思えるから
少女
少年
少年
少年
少年
見つめ合う2人 それから……
「もう声は届かないのね まるで透明になったみたいだわ」
そして誰もが知らぬふりをした 何故なら世界が
呪われてるから
少女
いいの
少年
まるで僕たちが狂ってるみたいに
振る舞うんだよ!
少女
私たちはいつか眠りにつく
少年
少女
少女
少年
少女
死んだ世界で唯ふたりだけが
「幸せだった」