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俺は人と関わるのが嫌いだった。 友達も作らずに、ただそこにいたんだ。
東條宏人
どうせ、サークルとかの誘いだろう。
西田順
東條宏人
よくみたら、同じ学科クラスの東條宏人だった。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
そんなの・・・・
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺はそんな理由で大学に来たわけじゃない。
東條宏人
と、東條はあるチラシをくれた。
西田順
東條宏人
西田順
そのチラシを貰っておいた。 たぶん、気は向かないだろうけど・・・・。 どうやら東條は、自分でサークルをつくったみたいだ。手作りで作られたチラシだったから。
東條宏人
そう言って彼は、俺の手を握るとぶんぶんと振った。 あのさ、痛いんだけど?
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言って笑って手を振ると次の人を勧誘していた。
西田順
彼の背中を見ながらそう思った。 だが、まさか彼とこんな形でこれから関わることになるなんて考えていなかった。 そして、これが俺にとってかけがえのない大学生活になるなんて思ってもみなかった
さっきあいつに言おうとしたのは親に認めてもらいたい・・・じゃなくて親に言われたから・・・が、正解だ。 まぁ?どっちもどっちか。大学ぐらいは出て、自分のやりたいことを見つけろと言われて入った大学だ。 有名な私立でも、頭がいい大学でもない、 見つけるまでは帰ってくるなとも言われたし・・・。 そう言われたから一人暮らしもしているが、そんなに遠くもないから休日に家に帰っている。
西田順
一緒に遊ぶ仲間や、飲みに行く友達さえ居ない。 いつから俺はそんな風になってしまったんたろう。 自分でもよく分からない。 気がついたら人と関わることが嫌いになっていたんだ! きっとそれは、あいつのせいだ。 アイツの・・・・。 俺は一人窓を開けていま、思い出しかけたことを忘れようとしていた。 ふと、その時東條が言っていたことばを思いだした。
東條宏人
西田順
俺をこんな風にしたのは、高校になって初めて親友だと思っていた奴に俺の大切なかのを奪われたんだ。 そして、自殺させた。 少なくとも俺は、そう思っている。 彼女の気持ちを踏みにじったのは、あいつしかいないって!! あいつに違いないって・・・。
里子
里子は笑ってた。俺は、里子の笑顔が好きだった。 彼女と一緒にいられる日々がずっと続くと信じていたから。 ずっと、続くはずだったのに・・・・。 ある日のことだ。 彼女は、手首を切って1人部屋で亡くなっていた。 俺はどんなに驚き、ショックで泣いたか・・・。
西田順
なぜか、思い出してしまうんだ。 忘れたくても、俺の記憶から、消せない過去。 いや、一生消えない過去なんだ。
西田順
彼もきっと裏切ると思っていたんだ。 だから、おれは東條のことをすぐに信じることが出来なかったんだ。
東條宏人
西田順
気が付くと、日が暮れていた。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
自分の泣き顔を見られるのがいやだから、そっぽを向いた。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言うと、東條は、泣いた。
西田順
これは、演技か?
俺は、騙されないぜ?
演技に決まってる。
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言ってにっこりした。
西田順
そう言って、俺は窓を閉めた。
西田順
そう呟いた。
あいつも同じなんだ。
きっと・・・・
だけど、あいつが流した涙の意味を深く受け止めていなかった。
もし、あのとき彼のことをもっと早く知っていたら、きっともっと長く彼といられたんだろう。
それに気付くのはもっと先のこと。
俺が人と向き合うようになるのも・・・・
気になって外を見るとあいつは、東條は・・・・
まだ俺を見ている。
気づかれるのが嫌でそっぽを向いた。
西田順
と、一人黙々と作り始めた。
あいつの顔を忘れようと必死だった。
次の日、
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
東條は、なぜかガッツポーズをしている。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
だから、人と関わりたくないんだ。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺は、無視しようとした。」
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言って東條は笑って舌を出し、
東條宏人
彼の顔から笑顔が消えて寂しそうな顔になりながら真剣な目をしていた。
今までとは違う寂しそうな顔だ。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺は、東條の横を通りすぎようとした・・・
東條宏人
西田順
聞かないふりをしようとした。
東條宏人
西田順
尚も黙る俺。
東條宏人
西田順
東條宏人
・・仕方なく彼についていくことにした。
東條が作ったと言う、演劇クラブに・・・
東條宏人
東大地
そういう彼は、つえをついて俺の前に来た。
犬をつれている。
彼は、俺の頬に手を当ててきた。
俺は、彼の手に自分の手を当てながら・・・
西田順
東大地
そう言って笑った。
東條宏人
西田順
まだ、黙るしかなかった。
隣には、手話で話す彼もいた。
西田順
東條宏人
西田順
他に二人もいた。
東條宏人
西田順
東條宏人
東條宏人
東條宏人
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
東條が、そこまでいうと、思い出したくないことをまた、思い出してしまう!
やめろ!
西田順
俺は、頭を抱えた。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺は、その彼らを傷つける言葉を放った。
西田順
俺は、そういうと、その場から走り去った。
いつでも受け止めてくれるだと?
そんなの嘘だ!!
だいたい俺の過去を知らないあいつらに俺の過去を受け止められるはずがないんだ!!
これは、消えない過去。
戻れない過去なんだ。
おれには、やり直せる過去なんてないんだ。
俺の心はズタズタだった。
彼らはなにも知らないのが当たり前なのに・・・
俺は今、どうしていいかわからない・・・。
いつのまにか俺は歩いていた。
夕日がきれいな夕方だった。
里子が、生きていたらきっと二人で見ていたに違いない夕日。
隣にはいない寂しさを押さえながら、俺は、アパートに戻るつもりでいた。
だけど、部屋に帰っても誰もいない。
当たり前か・・・
独り暮らしなんだから・・・・
俺は立ち止まり、階段に座った。
そう言えば、東條がくれた劇団のチラシを一度も見ていなかったな。
俺は、鞄の中からチラシを出して、読んでみることにした。
東條は、どうして彼らのような人をメンバーにいれたんだろう・・・・
春日部 正也、斎藤 一樹・・・・心に闇を持つシンガー
榊 裕平・・・・聴覚障害のギタリスト
東 大地・・・視覚障害のダンサー
彼らは、障害を持っているけれど、僕たちと変わらない人間。
生きている人間なんだ
彼等が持つ生まれ持った才能を生かしたいと思って始めた劇団です。
彼らの演技や演奏を最後まで見て、聞いてやってください!
そんな言葉がチラシには書いてあった。
どうして彼らといられるんだ。
見ず知らずの彼らと・・・・
彼らといても、自分を変えることなんてできないよ
そう思っていた。
夏木理子
西田順
振り向くと、女の人がいて、にっこりしている。
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
その人は、俺の話を聞いていない・・・
それどころか、
夏木理子
西田順
どこかで聞いた台詞
夏木理子
(東條と同じこと言うなよ)
俺は、心のなかで密かに思った。
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
あんなこと言ったあとだし・・
夏木理子
その人に、腕を掴まれ、強引に連れていかれる。
そして俺はなぜかドキドキしてしまった
それは・・・・
彼女の笑顔が似ていたんだ・・・
面影も・・・・
小屋についた。
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
証明が消え、振り向くと・・・驚いたことに、盲目だという彼が踊っている。
しかも、楽しそうなんだ。
西田順
しばらく俺は、いつのまにか彼らの演技に引き込まれていた。
耳が聞こえないといっている彼もそれを感じさせず、器用にギターを、引いている。
西田順
思わず呟く俺・・・
夏木理子
彼女は、なにかを言おうとしたが・・・
西田順
俺は、暗闇の中を帰ろうとした。
夏木理子
西田順
東條宏人
夏木理子
西田順
見つかってしまった。
バレずに帰りたかったのに・・・・
東條宏人
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
さっきの四人がいなくなり、東條だけになる。
いま、見せていた笑顔とは違い、真剣な表情になる。
西田順
俺は、いつのまにか、彼らから目が離せなくなっていた。
彼女の言う通り・・・夢中になっていたのかもしれない。
そして、改めてすごいと思った。
盲目のダンサー、東さんが現れて、まるで時代劇の敵と戦うように、東條と剣のやり取りをしている。
つまり、斬り合い・・・俗に言う チャンバラ
のようなものだろうか?
彼が盲目であるということを、忘れるくらいだ。
夏木理子
そうだ。彼はたしか世界を目指すダンサーだと言っていた。
もし、目が見えていたならきっとその通りの道に進んでいただろう。
それとも、別の道を歩んでいたかもしれない・・・
なぜか勝手だがそう思った
と、そこへ、耳の聞こえない榊さんという人が俺の肩をたたき、
榊裕平
と、書いた紙を渡してくれた。俺が手話がわからないのを、察したのだろう
最後まで見ててください
て、なぜか笑顔をくれた。
西田順
と、言ったら・・・
榊裕平
と、紙に自分の気持ちを書いてきた。
西田順
そのあと彼は、再び舞台に向かっていった
あんなこといった俺が優しいなんて・・・・・
二人のシンガーのハーモニーが、響く・・・
そして、ダンサーの彼が踊る・・・・
ギタリストの彼が、奏でる・・・・
東條宏人
東條が、そう言って近づいてきた。
正直その通りだと思ったけど・・・・
西田順
と、答えた。
東條宏人
西田順
東條宏人
彼らといる時間を大切にしたい。
東條が、そう言った本当の気持ちを知らないでいる俺は、
西田順
とだけ言った。
彼は、笑顔見せながらもどこか寂しげだった。
俺は、そんな彼の笑顔に、惹かれてしまったのかもしれない。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言えば、俺はいつのまにか、笑うことを忘れてしまっていた。」
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そんな彼は、自分もフルートを吹き始めた。
優しく・・・
リズムよく・・・
そのフルートにあわせて二人のシンガーは、歌いだし、盲目の彼もピアノを弾き始め、なぜか演奏会になっている。
彼らのやりたいことがますますわからない。
彼らが楽しそうなのはわかったが・・・
俺はただ、黙ったまま彼らの歌や演奏を聞いていた。
数日後、午後の授業が終わってからなぜかひとりで窓の外を眺めていた。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
冗談だったんだけど・・・・
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
東條は、まっすぐに俺を見た。
東條宏人
西田順
東條宏人
・・裏切らない・・・
今まで、その言葉をどれだけ信じて来ただろう。
その言葉でどれだけ傷ついたか。
でも・・・・
東條の瞳は、まっすぐに俺を見ていた。
今まで付き合っていた友達と違って、まっすぐに俺のことだけを見ていた。
彼なら俺を裏切らないのか?
西田順
東條宏人
西田順
今の俺には、誰かを信じることは無理なんだ。
きっと、人を信じることなく生きていくんだろうな。
そう思いながら下を向いていた。
西田順
俺は思わず独り言を、言っていた。
その言葉をまさか、東條が聞いているなんて・・・・
東條宏人
そう言って振り向いて俺を見た。
だけど、なにも聞かずにその場を去っていったんだ。
俺はしばらくそこにいた。
なにも考えず一人になりたかったからだ。
だけどいつまでもいられないから、帰ることにした。
そしていつもの道を帰ろうとした。
あの二人の歌声が聞こえてきた。
二人のハーモニーは、なぜか学生たちの足を止めていた。
だけど、彼らの歌声を聴いているだけで、その小屋へ向かう人はいなかった。
いい声しているのに・・・
そういうだけだった。
彼らがどんな人か知っているのか・・・それとも知らないから見に行きたくないのか・・・・。
生徒たち
そう呟いている人もいる。
俺もその中の1人かもしれない。
東條が、本当にやりたいことが、わかっていなかったから・・・・。
西田順
ふと、気になって彼らの舞台をそっと見ることにした。
なんて楽しそうに歌うんだ。
なんて、華麗に踊るんだ。
その光景は、確かに俺の目に焼き付いた。
心に染みたこんな気持ちになるのは久しぶりだ。
俺が、ここに来たのを知られたくなくて、こっそり抜け出し、いつもの道を歩きながら思ったんだ。
東條が、なぜ、俺をあそこに誘うかがまだ、理解できない。
なんせ東條という男を俺はまだよく知らないからだ。
2年も同じ大学にいて、あんな男がいるなんて・・・・。
この俺を裏切らないといってくれた気持ちが本気かどうかもまだ、わからない。
信じていいのか?
すごく時間がかかった。
そして、次の日の日曜日。
父さんに頼まれたものがあって、病院にきた。
俺は、思いがけないものを見てしまった・・・・・
えっ?東條?なんでここに・・・・
そう、東條は、1人、病院にいた。
なぜ、俺がここにいるか?
父さんは、ここの医者だから。
西田父
西田順
西田父
西田順
西田父
父さんはコーヒーを出してくれた。
俺をソファーに座らせると、
西田父
西田順
西田父
西田順
俺の顔を見て父さんは、
西田父
西田順
父さんは、俺と理子が、付き合っているのを知っていたから、俺の心をわかってくれた。
俺の心を最後まで理解してくれている。
もし父さんがそばにいてくれなかったら、今頃俺も・・・・。
今の大学を薦めてくれたのは父さんだ。
自分の知り合いが教授をやっているからというのもあるのだろう。
俺の事情を話しておいてくれたんだ。
俺はいつか父さんに親孝行しなきゃ。
西田父
西田順
俺はそう言いながらも、視線はなぜか東條の方をむいていた。
まだ、父さんは、気づいていないようだ。
西田父
西田順
西田父
ようやく俺が向いている方向へ向いた父さん。
西田父
西田順
西田父
西田順
俺は知らなかった。
父さんは実は【知らないフリ】を、していたなんて・・・。
西田順
西田父
西田父
俺は、東條を気にしながらも、病院をあとにした。
西田父
そう、父さんが呟いたのも聞かないまま・・・・。
次の日、俺は里子の墓の前で手を合わせている東條を見た。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
確かにストーカー行為だけど・・・・。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺は、花瓶一杯のひまわりの花を供えた。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
もしかして、この間の?
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
帰ろうとする東條にやりたいことが、聞きたいことがあったんだけど・・・・
西田順
そう、俺が言ったら・・・
東條宏人
西田順
東條宏人
変わらない笑顔で、東條は、行ってしまった。
聞きそびれてしまったな。
彼が、病院にいるのを、見てしまったから。
どうしていたのか。
どこか悪いのかって。
そんな心配をしている自分が信じられないんだ。
そして、その事実は、東條を、知っていくうちに知ることになるなんて今の俺には考えもいないことだった。
彼と過ごす・・・・笑い合う日々が短いだなんて・・・・
考えてもいなかった。
クラスのみんな
教室には、いつもの挨拶が飛び交う。
今日は、朝から大雨だった。
そう言えば、梅雨に入ったんだっけ?
梅雨が明ければ夏だな・・・・。
西田順
東條宏人
東條は、自分が俺に挨拶されて、すごくびっくりしている。
・・・の前に周りのみんなもびっくりしている。
西田順
東條宏人
そうやって答えてくれたのは、やっぱり、東條だけだった。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺が話を始めようとしたら、抗議が始まるベルが鳴ってしまった。
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言って笑う東條が、なんだか苦しそうな顔をしているように見えた。
案の定。、東條は、そのあとなんだかボーッとしていた。
西田順
東條宏人
そう言って席を立とうとした東條の体がぐらついた。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
そう言って笑った俺は・・・
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
しつこく頼む東條。
西田順
東條宏人
そして、俺は知らなかった。
このとき、東條が思っていた本当の気持ちを・・。
彼の本当の決意を・・・・。
俺は、彼の笑顔にいつのまにか惹き付けられているようだ。
東大地
俺の足音に気づいたのは、なぜか、盲目の彼・・・・
西田順
東大地
西田順
そうか、彼のパートナーの犬のことか。
西田順
東大地
ダンサーの彼は、ラッキーの頭を撫でる。
西田順
俺は、ラッキーの頭をそっと撫でると、気持ち良さそうな顔をしてくれた。
東大地
西田順
東大地
西田順
東大地
西田順
彼は・・
東條は、彼らに信頼されているんだな。
榊裕平
榊さんは、気を使ったのか紙にそう書いてくれた。
榊裕平
西田順
もしかして・・・・
榊裕平
西田順
彼は、こうも言っていた。
彼らといる時間を大切にしたい
と・・・。
まるで自分がいなくなってしまうような言い方だったのが気になるんだ。
東條宏人
噂をすれば東條が、やって来た。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
斎藤一樹
西田順
俺はなぜか緊張していた。
東條宏人
彼らは、真剣な顔になる。
そして、静かに演技が始まる。
俺はただ、黙って見ていた。
そんな中、雨がまた降りだして・・・・
夏木理子
と、呟く女性がいた。
西田順
俺は静かに席を立つと・・・
西田順
と、話しかけてみた。
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
本当だ。
彼の言う通り、里子と同じ名前だ。
東條宏人
春日部正也
春日部さんが、舞台から降りてきてくれた。
夏木理子
東條宏人
この前は、彼女も、東條も笑顔だったのに今日はなぜかお互いよそよそしい感じがする。
西田順
と言ってみたものの
東條宏人
と、なぜか東條が、謝っていた。
夏木理子
そう言って、静かに帰って行った夏木さん。
東條宏人
東條は、なにも言わず、舞台の片付けを始めようとしていた。
俺は、正也さんに、聞いてみた。
西田順
春日部正也
その通りだ。
彼らはなぜかぎこちない・・・・。
気のせいか?
すれ違っているだけではなさそうだ。
それにさっきの夏木さん、なんだか泣きそうな・・・いや、泣いていた気がする・・・・
東條宏人
それを知らないフリを、しているのか、東條も平気なフリをしていた。
そして、四人をバスに乗せると送り出した。
東條宏人
・・いつもと変わらない笑顔で・・・・。
東條宏人
そう言って、小屋に戻ろうとしたから、
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
そう言って、俺もバスに乗り込んだ。
彼は、自分は乗らずにみんなを見送ってくれたんだ。
彼がまさか、あんな風になるなんて・・・・・・。
小屋に戻った東條は、
東條宏人
東條は、1人、練習場に残り、なにかをやっていた。
時々ひどく咳き込みながら・・・・・。
東條宏人
東條は、苦しそうに壁にもたれた・・・・
東條宏人
そう何度も呟き・・・、咳がひどくなった彼はよろめいてしまった・・・。
雨は、激しさを増していた。
ガッシャ~ン
とても苦しそうにしていた彼は、机のものをなにか落としてしまった
誰もいないから音はよく響いていた。
その姿を誰も見ていないと思っていたのだろう・・・・・。
しかし・・・・・
東大地
東條宏人
東條は、苦しそうに言って、そちらの方を向く・・・・。
ラッキーも、心配そうな顔で近づく。
東條宏人
東大地
東條宏人
さらに咳き込む東條。
東大地
探し当てた東條は、東さんに携帯を、渡そうとしたが・・・
彼の体はぐらつき・・・・
東大地
咄嗟に東さんは、東條を、抱き止めた。
東條宏人
東大地
東條宏人
東條の意識は、だんだん朦朧としている。
しかし、東さんは、これ以上どうすることもできずにいる。
何が起こっているのか全然わからない東さんだが、それでもしっかり彼の体を支えている。
東大地
熱で体が熱くなっている。
しかし、彼は盲目でなにもできない。こうして彼を支えることしかできない・・・
東條宏人
東大地
東條宏人
東大地
東條宏人
東大地
東條宏人
そう言うと彼は、意識を失ってしまった。
東大地
東條宏人
東さんの呼び掛けにも答えなくなってしまった。
東大地
ラッキー
ラッキーは、東さんの言葉を理解したように降りしきる雨の中を走り出した・・・。
俺はというと、一度は家に帰ったものの雨でダメになってしまったひまわりを見つめていた。
西田順
今度は間違いないよ。見守ってくれよ? 」
ラッキー
西田順
雨でびしょ濡れに濡れたラッキーが、走って俺の周りを、うろうろしている。
西田順
ラッキー
俺になにかを伝えようとしている?
ラッキー
ついてきて!
そう言っているように聞こえる。
近くに、東さんがいないし・・・彼の身に何かあったのかもしれない・・・。
西田順
俺は、ラッキーの後について行くことにした。
さすがに、何かあった人をほっておくわけにはいかないから・・・・。
そして、ついた場所は・・・
東條宏人
そして、中にはいると、信じられない姿をみた。
東さんの胸に倒れ込んでいる東條の姿を・・・。
西田順
東大地
西田順
東
そう言えば、昼間咳き込んでいたし、風邪を引いている・・・と言ってた。
やっぱり、治ってないじゃないか!
たしかに、熱があるのか身体は熱い。
東大地
東條は、気を失ったまましゃべらない・・・
それどころか、ゼェゼェと、苦しそうだ。
西田順
こんなとき、やはり医者の道を進むべきだったのかと思ってしまう。
なんとか寝かせたが、苦しそうな東條の顔を見て、
西田順
そう呟いたら、
東條宏人
弱々しく目覚めた東條は、聞こえていたみたいで俺が電話するのを止めた。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
遮るように答えた東條。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
俺は、東條の肩に初めててをかけた。
東條を、おぶってみると、なんて細いからだをしているんだ。男にしては軽すぎないか?
東大地
西田順
俺は、ラッキーの頭を撫でて、
西田順
ラッキー
東大地
それから、東さんを家まで送り、東條の家まで来た。
俺は東條をおぶっていた。
東條宏人
西田順
東條宏人
東條宏人
西田順
東條宏人
本当は、どんな言葉をかけていいのかまだ、よくわからない。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
俺と東條は空を見上げた。
東條宏人
そう言えば、何度もそんなことを言ってくれたっけ。
東條宏人
空・・・か。
あの空は、今の東條を、表しているのだろうか?
時々見せる切なそうな顔。
みんなを引き付ける笑顔。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言って、家に入った東條。
俺はなんだか嫌な予感がした。心配で心配で仕方がなかった。
なずか、眠れずにいた。
夢を見たんだ。
東條宏人
そう言って、どこか遠くへいってしまいそうな東條がいて、追いかけるんだけど、追い付けなくて・・・・・
西田順
目が覚めた俺は、汗びっしょりになっていた。
こんな気持ちになるのは、たぶん初めてだ。
彼をなくしたくない・・・・。
俺が初めて彼に対して思った瞬間だった。
それから2週間、彼らのもとへ通い続けた。
東條が、倒れてからなぜか彼が気になって仕方がなかった。
だから、決めたんだ。
劇団・・・というか、サークルに入るって・・・・。
しばらく彼らといてわかったことがある。
楽しい
って。
やっと、そう思えるようになった。
・・・というのもあるけど・・・・
俺にはまだ、よくわからない。
ただ彼が・・・、
東條が・・・
どこか遠くへいってしまいそうな予感がするからだ。
仲間を残して・・・・。
あんな夢を見たあとだし・・・
俺、おかしいのかな。
そう思って東條の方を見ると・・・・
西田順
俺はいつのまにか夏木さんを、理子さんと呼んでいた。
二人は、外でなにかをはなしている。
夏木理子
また、雨が降りだしている。
今度は誰の心を示しているのだろう。
東條宏人
そう言って、東條は走っていってしまった。
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
彼女は、なにも言わずにいなくなってしまった。
これが、どういうことなのか俺は知らなかった。
やっぱり、東條は人に言えない秘密を抱えている気がする・・・。
あの二人をぎこちなくさせる何かがあるんだ。
そして、その不安が的中した。
ある日、俺の携帯が鳴った。
正也さんからだった。
西田順
その電話の内容に驚いた。
西田順
西田病院
西田順
よかった・・・。
なぜかそう思った。
俺はまだ、東條に伝えたいことあるのに・・・・。
西田順
俺は息を切らしていたけど、落ち着かせたつもりで病室に入った。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
傘を挿すのも忘れるくらい心配だった。
母さんが、倒れたのもこんな雨の日だった。
ただの風邪だから心配するなって笑っていたけど・・・・。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
そんな素振りを誰にも見せなかったから。
確かに東條はまだ、自分のことを話してくれてないのもあるけど・・・
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺は、そう言って病室を、出たが、今度は違う胸騒ぎがした。
病院を、出たところでラッキーが、来ているのに気づいた。
西田順
ラッキーが、怪我をしている?
でも、これ・・ラッキーの血じゃない・・・。
まさか、東さんの?」
ラッキー
ラッキーは、この間と同様、ついてきて!という感じで俺をみた。
そして、大学に戻ると・・・・
西田順
俺は、練習場の小屋の近くで倒れている東さんを発見した。
西田順
東大地
弱々しく答える東さん。
足に怪我をしている。
東大地
そして、傍らで怯えている3人の姿が・・・。
西田順
斎藤一樹
西田順
榊裕平
榊さんが、震える手で俺に紙を渡す。
その紙には・・・・
゛小屋の中にいる゛と、書かれていた。
西田順
小屋にはいると、そいつは、振り向いた。
久しぶりだな。西田君。
不気味に笑っているそいつは俺が一生・・・
二度と会いたくなかったやつだ。
西田順
?
西田順
?
そりゃあ、最初は、驚いたけど・・・・
でも、俺は、この数週間で彼らといることが、自分にとってすごく居心地がいいってわかったんだ。
夏木理子
そこへ、理子さんも来てしまった
夏木理子
俺は、思わずいつもの名前で言ってしまった!
?
彼は、不気味な笑みを浮かべた。
西田順
これ以上誰かが傷つく姿を見たくない。
もう二度と、あんな思いもしたくない!
西田順
?
西田順
?
西田順
?
西田順
この場から離れなきゃと思った。
そうしなければ同じことを繰り返してしまうって。
西田順
?
そいつは、理子さんの手を離そうとしない。
夏木理子
ラッキー
?
思わず、理子さんの手を離し、あっちにいけと言ってるが、歯を剥き出しにして、怒っているラッキー。今にも噛みつきそうだ。
東條宏人
そこに現れたのは・・・
西田順
東條宏人
でも、東條は、倒れそうだ。
西田順
俺は、理子さんの手をとると、走り出した。
そして、倒れそうな東條の手を取ると、
西田順
東條宏人
そう言っていつもの笑顔をくれる。
?
西田順
このままだと何をするかわからない。
俺は、やつの顔を見ずに言った。
?
東條宏人
東條は、彼に歯向かおうとしている。
西田順
これ以上、ここにいたら・・・
東條宏人
?
西田順
俺は、彼が東條の胸倉を掴んだから押し倒した。
西田順
?
そう言って机を蹴り飛ばし出ていった。
春日部正也
東條宏人
西田順
東條宏人
東條は、そういうと、なんだか苦しそうにしている。
西田順
約束しただろ?今は、自分の身体を、治すことを考えるって。これ以上無理をすると、入院長引くぞ?」
東條宏人
斎藤一樹&春日部正也
正也さんと、一樹さんは、震えている。
西田順
東大地
斎藤一樹
東條宏人
東條は、椅子に座って言う。
西田順
きっと、忘れていたんだと思う。
夏木理子
東條宏人
西田順
東條宏人&夏木理子
二人は同時に振り向いて答えた。
西田順
東條宏人
夏木理子
西田順
夏木理子
東條宏人
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
俺は、すべてを話そうと頑張ったけど・・・・
言葉がつまってうまく伝えられなくなってきた。
東條宏人
西田順
東條宏人
斎藤一樹
西田順
そして・・・
西田順
夏木理子
東條宏人
西田順
そして、呼んでおいたタクシーに無理やり乗せた。
西田順
と、運転手に伝えた。
不服そうな彼の顔がなんだかおかしくて・・・
西田順
そう言った。
彼が重い病気じゃないように願いを込めて・・・・
だけど、俺の願いは叶わなかったんだ。
こんな形で知ってしまうなんて・・・・。
あの日、東條が病院にいた理由も・・・・。
父さんが、東條の担当医になったのも・・・・。
なぜ、東條が倒れてばかりいるのかも・・・・・。
西田順
俺は、知りたかった。
夏木理子
理子さんは、俺になにかを伝えようとしてくれていた。
夏木理子
理子さんは、涙を流し始めた。
西田順
夏木理子
西田順
どういうことなんだ?
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
理子さんは、俺に抱きついた・・・・。
その姿を、東條に見られていた。
そんなこととは、思わずに・・・いつもの練習をしようとしていた。
東條宏人
みんな
みんなは、嬉しそうに駆け寄る。
俺も理子さんも、東條のもとへ戻り、さっきのは聞かなかったふりをしようとしていた。
でも東條はよそよそしかった。
西田順
東條宏人
いつもと違う東條の気がする。
みんな
みんなも少し戸惑いながら、練習しようとしている。
斎藤一樹
東條宏人
東大地
でもそんなみんなの優しい言葉にいつもと違う答えが返ってきた。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
東條の声が響いた。
西田順
なぜか彼が怒っているように見えたんだ。
なんで怒っているのか理由がわからない。
東條宏人
西田順
なぜか心配になって追いかけた。
バシャバシャと顔を洗う東條。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
・・・びっくりした・・・
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
彼は図星だと言う顔をした。
なんだかそれがすごくおかしかった。
西田順
東條宏人
西田順
これが、今の俺の本心だ。
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
俺の予想通り数分後に彼らはきた。
みんな
その声は、すごく心配している声だ。
みんな
東條宏人
彼らは泣きそうな顔で言った。
西田順
みんな
西田順
みんな
東條宏人
笑ってごまかしているみたいだ。
西田順
東條宏人
・・・まだ、真実はつかめていないけど・・・
西田順
おれは、みんなを誘導して練習場に戻した。
そして俺はこのあと、衝撃的な事実を知ることになるなんて思ってもみなかった。
あんなに元気なはずの東條が、まさか治らない病に侵されていたなんて・・・・。
東條の具合が良くなくて、再び入院することになったみたいだ。
なぜ検査入院が必要なんだ?
熱が下がらないらしいんだ。
医師1
西田順
医師1
そういい始めた医者からの証言に、俺は言葉を失った・・・・
西田順
その病名は、聞いたことがあった。
西田順
父さんに、確かめたかった。
確か、担当医と言っていたよな。
俺は、病室で眠る彼に・・・・
西田順
初めて下の名前で呼んでいた。
自分でもびっくりするくらい自然に出た。
西田順
そうか理子さんが言ってた病気のことって、このことだったんだ。
・・・俺はなにもかも知ってしまった。
彼の命が、あと半年であることを・・・・。
病気が、進行していて、半年もつかどうかもわからないとまで宣告された。
本人には、もう宣告してあるらしいのだが、彼には口止めされていることも聞いた。
もっと早く知っていたら、偉そうなこと俺だって・・・
水くさいよ、東條!!
同じ時間、父さんはある会議に出席していた。
これから手術をするという患者についての報告会だった。
医師2
医師1
医師2
医師3
西田父
医師1
西田父
医師1
西田父
医師1
西田父
俺は、東條の口から、直接聞きたかった。
いや、できたら、父さんの口からでもいいから、聞きたかった・・・・・。
その会議が終わり、様子を見に来た父さんに・・・・
西田順
西田父
西田順
西田父
俺の話を遮るように言う。
廊下に出て、父さんはコーヒーを出してくれた。
西田順
西田父
西田順
西田父
西田順
西田父
西田順
西田父
西田順
西田父
西田順
俺は溢れる涙を止めることができなかった。
西田父
西田順
西田父
西田順
西田父
俺はしばらく父さんの胸で声もたてずに泣いた。
まさか、目を覚ました東條に見られているとは気づきもしなかった。
俺は決意した。
今さら言わなくてもわかるだろうけど、東條のサークルに正式に入部することを決めたんだ。
ビラ配りをしていたら、電話が鳴った。
西田順
俺は、急いで小屋に戻った。
何事もなく舞台にたつ彼がいる。
西田順
東條宏人
俺は舞台に上がり東條の手を取ると、
西田順
みんな
みんなは、ビックリしている。
東條宏人
西田順
俺が東條の手を引いて行こうとしたら、
東條宏人
みんな
西田順
まさか、自分からばらすのか?
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
東條は、俺が言おうとしていることを無視している。
西田順
東條宏人
そう言って俺の手を離し練習していた。
俺は何も言わずに・・・。
いや、いてもたってもいられなくてそのままその場を去った・・・。
彼をこのままつれていくべきはかどうかわからなくなったからだ。
東條宏人
夏木理子
西田順
振り向くと理子さんがいた。
俺は泣き顔を見られたくなくて背を向けた。
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
あんなに明るくて、みんなに信頼されているやつが?
いじめられていた?
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
彼の気持ちにもっと早く気づくべきだった。
僕の方こそ、ごめんなさい。そう、経壇に向かって言ったそうよ。」
西田順
だからあのとき、涙を流してくれたんだ。
俺が最愛の人を、自殺と言う形でなくした痛みがわかるから・・・・・。
西田順
夏木理子
西田順
夏木理子
西田順
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
半分図星だった。
東條のそばにいたいと思ったから・・・・。
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言いながら、笑って戻っていく東條の後ろ姿がなんだか消えそうだった。
俺が舞台の袖に戻ると・・・
斎藤一樹
西田順
いつも無口な彼が口を開いた。
斎藤一樹
西田順
斎藤一樹
と言うと、彼は泣いてしまった。
西田順
斎藤一樹
西田順
斎藤一樹
西田順
それも辛いことだ。
斎藤一樹
西田順
斎藤一樹
西田順
斎藤一樹
西田順
斎藤一樹
そうだな。いいコンビだ。二人ともすごくいい声だ。
正也さんはというと・・・・
春日部正也
西田順
春日部正也
みんな、同じ気持ちなんだ。
彼の力を改めてすごいと思った。
俺も、彼をなくしたくないと思ったから・・
俺の空を見つけるまで、生きててほしい。
いや、病気なんて治ってずっと生きていてほしい。
生きててくれよな?東條。
俺は、東さんや榊さんと笑って話す東條を見て思った。
俺は出来る限り東條をフォローしていくことにした。
父さんからも、色々注意しなければならないこともちゃんときいた。
あとは、本人が生きたいという意思が強いかどうかにもよると、言われた。
西田順
東條宏人
西田順
そんな細かいこときにするなよ。
もっと、大切なことあるだろ?
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
本当は、ここ数日間彼女に相談を受けていた。
彼女は、あれから泣いてばかりいるから。
彼女の気持ちを考えたら言えないことがある。
ほっておけない。
もう一度、誰かをすきになるかも知れないと思ったが、この気持ちはきっと、知られてはいけないんだ。
たった数ヶ月一緒にいただけだが・・・・
彼女の笑顔を最近見ていない気がするんだ。
いや、初めてあったときは見たかもしれないが・・・・
そのときと、事情が違う。
東條宏人
西田順
眩しい太陽、暑い日差し・・・・
東條の体はもう限界に来ているはずだ。
時々すごく疲れきった顔をしている。
俺たちが、支え続けているからか?
少しだけ、元気になった気もする。
彼は、隠すのがうまいと聞いた。
確かに、理子さんの言う通り、時々疲れはてているのに笑顔を絶やさないんだ。
なぜ、彼が病気にならなきゃいけないんだ。
しかも、死ぬかもしれないなんて・・・・。
ねぇ?西田君、夏休み終わったらさ、もう秋だね。大学の夏休みは、1ヶ月ほど長いから。 すぐ文化祭があるね
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
そう言われて、みんなは支度を始めた。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
なぜだか、戸惑う東條。
西田順
東條宏人
西田順
東條宏人
西田順
一瞬だけあのときと同じ寂しそうな笑顔になった。
そんな東條の様子が気になったけど・・・
西田順
そう言ってみんなと合流し、その場をあとにした。
そのあと・・・
東條は、立っているのもやっとだったのか、理子さんに、寄りかかっていた。
夏木理子
東條宏人
夏木理子
東條宏人
夏木理子
東條宏人
夏木理子
東條宏人
彼が初めて弱音を吐いた。
俺は、東條が心配で戻ってきてその言葉を聞いてしまった・・・・。
西田順
東條宏人
ちゃんと最後まで笑っていられるか自信なくなってきちゃった 」
夏木理子
理子さんは、東條を抱き締めていた。
彼は、彼女の胸のなかで涙を流していた。
彼が・・・東條が・・・泣いている。
東條は、ずっとひとりで苦しんでいたんだ。
この病気のことを、聞いてからずっと・・・・。
一人で苦しんでいたにちがいない。
・・・いや、違う・・・
彼は逆に一人になりたくなかったのかもしれない・・・・。
人と笑うことで、自分の人生を・・・
残りの命を過ごそう。
そう考えていたのだろう、
東條宏人
彼が、そういっていた意味がようやくわかった。
誰かといることで、自分の存在を、遺そうとしていたんだって・・・。
そう考えたら、俺はいつのまにか泣いていた。
・・・俺はその場を去って、一人泣いていた。