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あほオタク( ˙-˙ )
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初音ミク
卒業式の日の放課後。夕暮れの教室で、ミクは満面の笑みを浮かべながら、真っ白なリボンでラッピングされた箱を私の机に置いた。
箱の隙間からのぞくのは、綺麗に層が重ねられたバウムクーヘン。
初音ミク
ミクの視線は、もう私を映していない。
私の隣に立っている、金髪のサイドポニー――ネルのことだけを、盲目的な愛おしさを込めて見つめている。
ミクのその無邪気で悪気のない言葉が、今の私には何よりも鋭利な刃だった。
重音テト
私は、人生で一番綺麗に整えた『嘘の笑顔』でそう言った。
どうぞお幸せにーーそう心で思いながら
初音ミク
嬉しそうに微笑み、教室の隅へ自分のカバンを取りに移動した。
ミクが背中を向け、二人きりになった瞬間。
隣に立っていたネルが、ゆっくりと私の方へ顔を寄せた。
昼間の天使のような笑顔は消え失せ、底冷えするような真っ黒な瞳が、狂気じみた愉悦に濁っている。
ネルは、ミクには絶対に聞こえない低い声で、私の耳元に悪魔のセリフを囁いた。
亞北ネル
ネルの唇が、歪に吊り上がる。私の絶望を目の前で味わうことが、たまらなく気持ちいいと言わんばかりに。
亞北ネル
重音テト
初音ミク
ネルは瞬時にいつもの愛らしい外面へと表情を変え、優しくミクの手を握る。
亞北ネル
初音ミク
二人の後ろ姿が、夕暮れの廊下へと遠ざかっていく。
私はガタガタと震える膝の力が抜けて、その場に崩れ落ちた。
私とミクが、一日一日の何気ない日常を積み重ねて、丁寧に築き上げてきたバウムクーヘンのような、分厚い思い出の年輪。
それは目の前でネルという悪魔にすべて奪われ、二人の『引き出物』として私の手元へ突き返されたのだ。
重音テト
誰もいない教室に、私の乾いた笑い声が響く。
涙がボロボロと溢れて、机の上の白い箱を濡らしていく。
私は震える手で箱を開け、悪魔から手渡された呪いのようなバウムクーヘンを一口、無理やり口に押し込んだ。
重音テト
喉を焼くような涙の味しかしない。
主役になれなかった私は、二人のまばゆい物語のエンドロールの、一番隅っこで消えていくスタッフロールの一行にすらなれなかった。
ただ、二人の幸福を遠くから見送るだけの存在。
私は最後の甘い嘘すら吐けないまま、ひたすら苦い贈り物を、一人静かに噛み締めるしかなかった。
アイコトマト
ミク・テト・ネル
アイコトマト
ミク・テト・ネル
アイコトマト
アイコトマト
アイコトマト
重音テト
亞北ネル
初音ミク
アイコトマト