テラーノベル
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薄暗いお洒落なバーのカウンター席。高い酒のグラスを傾けながら、直哉は隣の日車をニヤニヤと見つめた
直哉
いつものカチッとしたスーツ姿。高級な空間にも全く物おじせず、日車は綺麗な所作で静かにグラスを回している
日車
直哉
直哉は懐からブラックカードを取り出し、スマートに店員に渡そうとする
それを、日車はすっと大きな手で制する。直哉の手の上に、日車の重い体温が重なる
!?!? 突然の肉体的な接触と、上から力強く包み込まれるような手の温かさに、思わず直哉の心臓が跳ねる。引き剥がそうとするが、ミリも動かない
直哉
直哉の焦りを手のひらで完全に抑え込んだまま、視線だけで店員を促す。自分のカードを手渡し、一瞬で支払いを済ませてしまった。
ジャケットを羽織りながら、日車は低く落ち着いた声で直哉を見下ろす
日車
プライドをへし折られた悔しさで耳まで赤くなりながらも、直哉はすっと冷ややかな鼻笑いを浮かべて席を立つ
直哉
立った直哉の前に一歩詰め寄り、日車は至近距離でその顔を見据える。そのまま、耳元に届くくらいの低い声で楽しそうに微笑んだ
日車
直哉
日車の底意地の悪い揺さぶりを至近距離で浴びせられ、直哉は一瞬にして思考を真っ白に染め上げられる。
直哉
直哉は日車の返事も聞かずにツカツカと足早に店を出ていく。決して走らない。それが俺のプライドや、と言い聞かせるように…
直哉
直哉
直哉
体の奥に残る熱い緊迫感に、ただ苦い敗北感だけを噛み締めながら、直哉は夜の街の雑踏へと消えていった
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