これは実際にあった事件と その事件を基にした 「ネクロの花嫁」という曲から
無理くりmfsrにもってった ものです
わんくっしょん💨💨
🗣️本作品はnmmnです 🗣️実在する歌い手様のお名前を お借りしています 🗣️本文は全て捏造であり、 事実とは異なります 🗣️腐発言はここ以外では お控え下さい
1930年 クロリダ、 キー・ウェスト島
突然のことだった
貴方に目を奪われた
そう、一目惚れってやつ
幼い頃から本ばかり読んで 病気の親を見て何も出来ない自分を 恨んで
その思いを糧に医者になる為 努力した
結果医者にはなれたが人間 らしいことなんて何も出来て いなかった
そんな僕の人生に現れたのは 貴方
一目惚れってやつは中々に 面倒で
隣に妹らしき人が付き添って いるところを見ると患者だろう
何て名前だろう どんな人なのだろう どうやって笑うの 何が好きなの
全て知りたい 独占したい
自分の中から出てくるのは 小学生でも考えられる ようなフレーズに考え
沢山の医者を巻き込み、脅し やっと彼のことが少し分かった
彼は肺結核を患っていて、 とうに夫が居た
日本では許されていないと言うが、 この島では同性婚は当たり前である…
だがつい先日、彼の夫は 彼の病が発覚すると 瞬きする間もなく 彼を捨てた
未亡人…ではないが、 取り敢えず夫は 居ないのだ
ということは 自分のものに出来るのでは ないか
その時僕には 2人の娘と美しい妻が居たが そんなものより 何より彼しか見えなかった
自分で言うのも何だが、持ち前の 甘いマスクと真摯な対応で、
彼はあっという間に僕と恋に 堕ちた
僕は彼の家に上がり込んでは、 独自の治療法を続けた
周りや、彼の家族からは
「もう治らない」 「デタラメな治療はやめてくれ」
と止められたが、 いやそんなことはない 治らないだって? そんなの僕ぐらいの才能があれば 何とか出来るに決まってるだろう??
デタラメ?? まぁ見てなよ、彼は僕のだ 僕が治して見せるんだから
深夜、月明かりが射し込む中 ベッドに彼を横たわらせた
白い肌が月明かりとマッチして 妙に扇情的だった
僕が手をとって 思いを込めて伝えると 彼は微笑んで口付けをくれた
次の日、彼の家に 何時も通りに行くと 彼と彼の家族の姿は 跡形も無くなっていた
近所の方に聞いて回ると 酷く怖がられた
「レントゲン医師で有りながら デタラメな治療ばかり 繰り返していて気味が悪い」
そう言われた 彼の家族もそう思ったから、僕から 彼を隠したのだろうか
_絶対に許さない…_
僕らは愛し合っていたんだ 彼も僕に治療され、触られることを 拒みはしなかった
それだけ僕のことを愛していたって ことだろう??
1年後、やっと彼を見つけた
彼の病は明らかに進行していた もう死ぬ寸前だった
でも最期、僕を見て微笑んでくれた 額には汗が浮かび、 瞳は涙でぐちゃぐちゃ だったけれども
どんな絵画にも 絶世の美女にも負けない 僕はそう思った
彼は死んだ
彼は僕に遺言を遺していった
『俺が死んだら お前に遺せるのは体だけ 病気が重いし、 もうお前とは結婚出来ない… でも死んだら 俺の体を預けるから、ずっと 面倒を見てね』
ええ勿論ですよ 言わずもがな
僕はずっと貴方から離れない
例え貴方が俗世に 個体を持たなくなって しまったとしても
遺体は松や、 パームツリーに囲まれた 豪華な霊廊に安置された
費用は全て僕が持った こうすることによって、彼の墓の 墓碑銘の隣に僕の名前も載せられた
結婚なんぞ出来なくとも、貴方は 永久に僕のもの
死しても尚、 僕は貴方から離れられない のだから
彼の家族が 「息子を思い出す」といって 彼が住んでいた家を 引き払おうとしていた
嗚呼そんな 僕と彼が愛を告げあった あの部屋すらも 無くなってしまうというのか
彼はもう実体を持たぬ存在 ならせめて、 彼が居たという事実は遺して おきたいのだ
僕は反論した
僕は幸い、生まれてから 一度も贅沢を したことはなかった
レントゲン医師として 名高くなっても尚
ということは金は有り余る程ある 彼の生前、沢山の贈り物を したにも関わらず 僕の持ち金は溢れる程
彼の為になら残りの人生、彼の 家族にすがっても 構わないと思ったが故の 行動だった
それから僕は毎日彼の部屋に籠り、 日記を読み、そこに 僕の名前がたまに 載っていることに気付き、 毎日を過ごした
夜は彼のベッドにくるまり、 まだ少し残る彼の残り香に包まれて眠った
そんな日々を過ごす内、僕は彼に 会いたくなった
当たり前だろう?? 愛する人を毎日感じ、 匂いを感じていたら 会いたくなる
会いたいと願ったのみ それが何の罪になるのでしょうか
僕は葬儀屋を買収した 金に目が眩むなんて、 彼の家族といい 人間はなんて愚かなのだろう
彼を見よ、僕を見よ 愛する者の為、気高く生きている
さぁ…_!
棺を開けると其処には彼が居た 白いガーゼ地のワンピースのような 物を来て、手を胸の前で組んで
天使宛らだった
その天使のような美しさ ずっと保っていたい
気付けば僕は毎晩霊廊に通い、 貴方が貴方のまま… 僕を愛した貴方で居られるように 「治療」を施した
なーに、彼にホルマリンを たっぷり振りかけ 損傷した手足をスポンジで 拭いて清めた
オーデコロンをくまなく振り、 滅菌した木綿で 幾重にもくるんだ
たったそれだけ 彼はとても綺麗だから 僕のような俗人が 手を加えては良いものでは ないのだ
損傷や腐敗は彼には 似つかわしくない だから抑える為の溶液を 恒温槽に満たして 彼を其処に浸すようにして戻した
彼は死しても…いや死んでない 少し手が届かぬところに行っただけ
ほら今でも微笑んでくれる貴方が 見える
2年後、何時もの通り霊廊に行くと 貴方が棺の前に立って、歌っていた
月明かりが射し込むその様は、 2年前 僕が貴方に求婚した時に似ていて…
あの時貴方は僕に口付けをくれたね それは了承してくれたんでしょう??
貴方は恥ずかしがり屋さんだから 中々口には出してくれなかったけど
でも沢山、沢山貴方の愛は 伝わっていたよ
その時貴方が僕に 向かって手を伸ばした 唇が動く
それは滑らかで艶やかで 生前と何ら変わりはなかった
貴方と一緒に居たいの
懇願する貴方の言葉の違和感に 気付かなかった
だって貴方は僕のことを お前と呼んで まるで弟のように 接してくれていたでしょう?
でもたまに僕が業と意地悪すると 「…もぅ」って、顔を赤らめながら甘えてくれた
…あれ、貴方ってなんだっけ 彼ってなんだっけ 僕が愛した人はなん_
その一言で、どうでも良くなった
婚礼用のタキシード 何時かのあの妻と着たものは 忌々しいから 捨ててしまった
貴方との新しいスタートだ 折角だからと貴方に 出会ったあの日、 町で新調してきて貰ったんだよ
似合ってるねって笑ってよ 貴方の笑顔はこの夜空の 星をいくら集めても 足りないくらい美しいのだから
「新居」に運び込み 棺を開けると、 貴方が横たわっていた 嗚呼_
そこからは大変だった
彼の朽ちたドレスを ピンセットでつまんで オーデコロンや香水入りの 石鹸とワインで 彼を洗い、
腐った眼球には義眼を嵌めて、 鼻には添え木をした
義眼にするには勿体ないくらい 貴方は目は綺麗だったけど…
貴方の目はまるでガラス玉に宇宙を 詰め込んだような、 そんな神秘的な何かを 含んでいたから
でも貴方は綺麗なのが好きだったでしょう? 綺麗好きだったから
なら義眼でも構いませんよね そもそも僕がすることなら何でも 「…お前がいーなら」って喜んでくれるでしょ?
あ、そうだ 貴方の美貌を僕が朽ちても周りに、 後世にも知らしめられるように
デスマスクを作ろうか
だがここで誤算が起きた
彼の髪や目鼻を守る為、 油引きした絹で 顔を覆ってから蜜蝋と 香膏を被せると その絹が石膏が固まる間に しっかりと顔に 張り付いてしまったのだ
おぞましい、最早人間とも、 亡骸とも 言えない、そんな顔…
でも僕にはそれこそ美しく思えた 貴方だから
僕が貴方の新しい顔を作ったんだ 美貌が溢れて止まらなかった 貴方しか皆知らないんだから
僕しか見れない貴方の顔 そう思うと興奮してきた
髪はグリセンであの輝きに戻した 胸の上で組まれていた手は、彼に 施しをしている内崩れていたので
滑車で元に戻した 手は相変わらずすべすべしていて 低体温症を患ってもいたから
相変わらず冷たくて 生前と変わりなんて 全くしなかった
今にも目を開けて あの優しい微笑みを 浮かべて
抱き締めてくれそうだった
さぁ、まだしなくては いけないことがある 貴方を完璧に再現するんだ
そしたらまた僕たちは一緒になれる 僕が死ぬまで、いや死んでも永遠に
内臓の代わりに吸収材を 絹を全身に貼り、滅菌消毒を施し ドレスを着せ、キルトの 布団でくるむ
全身を貴方が好きだった花と 僕の好きな宝石で飾る
化粧を施して、血流を良くさせれば ほら
『以前と全く変わらない 輝くような美しさ』
そこからの7年間
彼の髪を花で飾り、コロンと香水を 振りかけ虫除けの為絹と 蝋で縮んだ皮膚を補い
貴方が寂しがるといけないから 毎晩添い寝した
貴方はとんでもなく寂しがり屋で そして求める人
僕は懸命に貴方を愛した 愛した分を貴方は何時も 3倍で返してくれる人だから
骨がばらばらであったなら ピアノ線で補強し、 髪が抜け落ちればその髪で ウィッグを作った
そして独学で調べたりもした 貴方を「蘇生」させる方法
全てはまた、貴方に会う為 そうやって恋を謳い、僕は手を 染め続けた
分かってたんだ もう、彼は還ってこない
でもこうしていれば何時か、 神がご加護を授けて くれるのではないか
少しのお情けをかけてくれるのでは ないか
1940年 10月
彼の妹が僕の元を訪れた 彼の妹は恐ろしく 彼に似ていなかった
白い肌に欲情を誘う唇 それは変わらない 只恐ろしく傲慢で欲張り
何より金が大好きで、 生在るものでも無いものでも 変わらず愛したあの人とは 雲泥の差だ
妹はいった 僕が「毎晩死体と寝ている」 と村の人たちが噂していたと
妹は僕に彼のことを聞いた 聞くよりも霊廊に行く方が 早かったろうに
そう、この家族は彼の墓参りや 弔いなど、この9年間 一切しなかったのだ
なのに金だけには敏感で、毎日毎日 僕に頼って金をせびる日々
妹は彼の姿を見つけると 悲鳴をあげた 悲鳴を聞き付けた村人が 警察に連絡をした
僕はまた、彼と引き離された 僕らが何をしたっていうんだ??
刑務所に入ってからも、周りの目は 痛かった
誰も僕に近寄ろうとはせず、看守 さえも僕を疎んだ
裁判の結果、僕は無罪を勝ち取った 当たり前だ、僕らは純愛を貫いた ただそれだけなのだから
世論は僕を認め、世間と彼の家族は 僕を批判した
何故裁かれなくてはいけない? 彼は死にゆくと勝手に決めて、 見捨てたお前らに
何故僕らはそんな醜い正義で互いを 手放さなくてはいけない?
控訴時効が過ぎていたから、結局は ただそれだけの理由で僕は呆気なく 釈放
もう彼には会えない 身となってしまった
刑務所の扉を開ければ、 目に飛び込んで来たのは 何時ぞやの嫁だった
彼女も美しい人だった
それが今や白髪だらけになり、 皺も増えた 僕が共に半生を過ごした 彼とは全く違ったが
「お帰りなさい あなた」
そういって泣いてくれた彼女は 何よりも美しい、 彼にも劣らない心を持っていた
ここに記述として記す
You are my bride forever
俺が溜め息をつくと、それに先輩は 溜め息で返してきた
なんて事件だ
なんて歪んだ、異常の愛 これこそ正に狂愛と いうのではないか
こんな事件のファイル、 気にならなければよかったな
上司の話によると、 彼は50センチ平方の 箱に切断されて入れられ 医者に気付かれないよう 秘密裏に再埋葬されたそうな
医者、というと字面が 汚い奴が多い印象があったのだが…
この医者の字はまるで、 印刷されたかのように綺麗だった
達筆過ぎんだろ………
この2人、実は身分差があったので 位の高い医者に逆らえず、 彼は偽りの愛を 今まで囁いていたのでは ないかと思っていたのだが_
嘘でしょ~…!?
…そんな
そう考えると、 医者はただただ一途だった のではないかと
どんな気持ちでこの 用紙を書いたのだろう 走馬灯を過らせながら、 自分がやったことは 彼にとってマイナスでしかないと
悔いながら書いたのではないか
書いてある通り、 勝手に死にゆくと彼を 見放した俺らが正義を振りかざして 2人を引き離すなんておかしいのではないか
こつん、と頭をはたかれた
…
力説する先輩 そりゃそうだ、愛する人には一番に 幸せになって欲しいに決まっている
そういった俺の声は 酷く震えていた
それから数日後、警察署内に 通報があった とある家の隣人からのだった
年寄りの爺さんが暮らしている そんな一軒家のポストが 溜まっているというのだ
それはすなわち、 死を意味する
きっともう手遅れであろう でも俺は手早く準備をして向かった
先輩たちの方が早く着いていて、 俺は応援の形で後から着いた
そういって先輩は息をついた まだ中には入っていなかったらしく
一緒に入ろうといってくれた 俺はまだ刑事になってから 年端もいかず 死体とご対面するのも初めてだ
気遣ってくれたのであろう 先輩と共に 俺は家の中にはい_
一人の検視官に、腕を掴まれた 何でだよと先輩もいってくれた
すると検視官は手を離し
「私は言ったわよ」 と行ってしまった 一体何だって言うんだ
中に入ると腐乱臭がした
…これは
狭い部屋の一角には聖壇があり、 そこには写真が飾られていた
その写真を俺は、信じられなくて 凝視する
そう、俺の写真だった モノクロの俺は、額縁の中で優しく 微笑んでいた
その聖壇の前、 倒れている人影を見た
花束を抱え、同時に 人の頭らしき物も 抱えて優しげな笑みを浮かべて
かつては美しかったで あろう老人だった
イケメンだったのが ありありと分かるその細い腕には
そんな…偶然にも程がある
『そらるさん…』
『そらるさん 愛しています』
不意に声が聞こえてきた それは、何時かのあの_…
俺は驚いて息をのんだ
先輩が呼んだ俺の名前は果たして 前世ではなんという名前だったのであろうか
コメント
3件
語彙力凄い。 テキストの使い方上手 話の内容凄い。 神ですか
もうさ、お兄ちゃん語彙力スゴすぎだよ。 語彙力、分けて、( ◉ω◉ ) ネクロの花嫁がネクロの花嫁でスゴかった。( ←いや、語彙力 )
解説 [srさんは前世、その患者の「彼」でした。 なので老人へと成り、死体と成り果てたmfさんを見て、前世の記憶が甦った、と最後はなります] 分かりづらく、そして長文 ご拝読、有り難う御座いましたm(__)m