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私の名前は花梨(かりん)。 花も恥じらう……いや、自分で言ってて恥ずかしいが、とりあえず高校生である。 名前は、親がとあるゲームのファンで、そのヒロインから名前を貰ったと聞いた。 そのゲームというのが、所謂乙女ゲームである。 正確にはネオロマンスと言って微妙に違うらしいけど、その辺りの違いは私にはよく分からない。 先日、リビングで友人から借りた異世界転生ものを読んでいたら、手元を覗いてきたお母さんになにそれ? と聞かれたので、悪役令嬢だよと答えたところ、更に頭の上にクエスチョンマークを浮かべていたから、乙女ゲームの悪役令嬢に転生しちゃう話と端的に答えた。 お母さんも、結構オタクだったりするから、こういう話が出来るんだ。 すると……
母
花梨
花梨
なんて事はない、当たり前な事を追加で説明しても、どこかピンときていない様子。
母
花梨
母
花梨
母
花梨
花梨
母
信じられないなら、お母さんが持ってるゲームやってみる? と言われて、別の意味でもびっくりしながら、お母さんが大事にしていたゲームをプレイさせて貰った。 すると、本当に悪役令嬢なんて居ない! そもそも女の子自体がヒロイン以外に居なかったり、少なかったり、居てもサポートキャラかライバルで、最後はヒロインと仲良くなったり、協力して敵を倒したりしていた。 ただ、もしかしてお母さんが持っているゲームだけがそうなのかもしれないし…… そう思ったままを言ってみたが、乙女ゲームは大体似たようなものだし、そもそも乙女ゲームなんだからヒロイン以外の女の子なんてそんなに要らないでしょ、と、身も蓋もない返事。 そうだけど……確かにそうなんだけどさ……
花梨
母
確かに、あり得そう。
母
焼けた靴を履かせたり、鳩が目をくり抜いたりしてね、とサラリと残酷な描写を口にしたお母さん。 うん、そこは知らなかったな。
母
花梨
母
一応突っ込んだら、ちゃんとどうしてそういった描写が無いのか説明してくれた。 なるほど、子どもには確かにハード過ぎるよね。 そう納得していたら、あとはまあ、某夢の国の影響よ……と言われて、続けて納得した。
母
花梨
勧めるって事は、行って読んだんだ。 そうでなければ、そういった事を知っている人は多くないから、勧めてこないだろう。 じとーっとした目で見ていると、
母
あれは麻疹みたいなものだから。 そう遠い目をして言うお母さんに、これ以上は何も言うまいと、自室に戻った。
花梨
ジャンルとしても、読み物としても面白いんだけど、乙女ゲームを知った後だとなんだかモヤモヤするのは、乙女ゲームがそういう物というテンプレみたいになっているからかな?
花梨
バフっとベッドへダイブし、枕へと顔を埋めた。 このもやもやをどうやって昇華させよう。
花梨
飛び込んだばかりのベッドから起き上がり、ガタガタと勉強机の引き出しを開けてノートを取り出す。
花梨
私なりの乙女ゲームの世界への転生物を! そう結論付けた私は、人物と世界観を書き連ねていった。
続くかどうかはわからない……