次々と明らかになって行く虐待の事実
部屋の中から発見されたナイフと
隠されていた使用済みの避妊具が
静(じん)さんがあすみさんに暴行を加えていた証拠として押収された
でも一昨日、取調室で話してくれた静さんは
あすみさんのことをかなり気にしている様子だった
六歳で父親と戦う決意をして
それからずっと彼女を庇っていた
その後トキ子さんが亡くなり
母親による虐待が始まったのは五年前
十二歳だった静さんは
なぜかその時は従ってしまった
今はもう十七歳
今なら母親の無茶な要求に対し
拒否したり抵抗することもできたはず
それでも黙って従ったのは何故なのか
母親の暴挙を止めようとしていたはずの静さんが
なぜその暴挙に加担してしまったのだろう
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
沢田マリカ
沢田マリカ
沢田マリカ
芹沢大和
その声を聞いた人物は
今回の一件で私たちの無実を証明してくれた
井川家の隣に住む吉村さんと言う方だった
吉村さんはその声の他にも
腕や足に包帯を巻いたあすみさんの姿や
あすみさんが静さんに蹴られる現場を目撃している
ただ、怒鳴り声に関しては
キッチンでの作業中に隣家から聞こえたと言うだけで
怒鳴っている現場を見たわけではないようだ
当時あの家に住んでいたのは
祖母のトキ子さんと父親の悟志さん
そして母親のかすみさんと、静さん、あすみさんの五人
いくら塀や壁の向こうから聞こえた声だとしても
嫁と姑の声を聞き間違えるだろうか?
静さんの行動も気になる
芹沢大和
沢田マリカ
芹沢大和
芹沢大和
沢田マリカ
母親がどんな手を使ったのかはまだ不明だが
確実にわかることは
静さんは何らかの理由で母親に強要され
あすみさんに身体的、性的虐待を加えていた
静さんは自分のせいで彼女が深く傷ついたことを悔やんでいて
彼女を救いたい気持ちから私を指名してくれた
明日の静さんとの面会でどこまで聞けるのか
芹沢さんもかすみさんと面会することになっている
まだまだ謎の多い今回の事件
一つずつきちんと解明していかなければ
本当の意味であすみさんや静さんを救うことはできない
しばらくして優真さんと梶原さんが戻ってきた
あすみさんは少しずつだが着実に回復していて
経口での栄養摂取ができるようになれば
一週間後には一般病棟に移れると言う
梶原智香
三村優真
梶原智香
梶原智香
あすみさんはまだ十六歳
十八歳になれば自分の意思で何でも決められるが
あと二年は監護者の元で生活をしなければならないため
優真さんのマンションで一緒に暮らすことはできない
引き取ってくれる親戚がいればいいが
見つからなければ児童養護施設に行くことになる
その後、所長の携帯に警察からの着信が
高城寛貴(所長)
高城寛貴(所長)
高城寛貴(所長)
高城寛貴(所長)
それは警察からの電話だった
現場となった井川家を調査していた捜査官が
あの部屋であるものを発見したと言う
既にナイフと使用済みの避妊具が発見されたあの部屋に
一体、何があったと言うのか
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