テラーノベル
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ピッ
こさめ
こさめ
こさめは学校が休みの日、配信をしている
まだここが、唯一の居場所だから
こさめはパソコンに向かって両手をあげた
コメントが一気に流れ出す
こさめファン
こさめファン
こさめファン
こさめファン
こさめ
こさめ
わざとらしく大声で返すと、またコメントが笑いに染まる
こさめ
こさめ
こさめ
バカをやって、バカって笑われて
こさめファン
そう言われて
____それが、いつもの自分
けど、心の奥でちょっとだけ思う
こさめ
喉が少し枯れてきた
声が低くなるのを誤魔化しながら、テンションだけで押しきる
こさめ
こさめ
こさめ
こさめファン
こさめファン
こさめファン
コメントが爆笑してる
こさめファン
こさめファン
こさめ
こさめ
いいながら、少しだけ笑った
こさめ
こさめ
ピッ
配信が終わって、画面が暗くなる
こさめ
背もたれに体を預けて、スマホを開いた
しばらくボーッとしてから、コメントを見返す
こさめ
無理やり口に出してみたけど、
どこか、胸の奥がスカスカしてる気がした
こさめ
何気なく流してたコメントの中
ひとつの名前が目に止まる
こさめ
コメントはしてない
けど、何となくいつも画面のどこかに"いた"気がする
静かだけど、気配りだけあった___そんな存在
その時、スマホがブルッと震えた
こさめ
見てみたら、さっき見つけた人の名前があった
こさめ
恐る恐る開いてみると、
そこには並んだ文字があった
Ilu__0220
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
いるま
こさめ
本当に不意打ちすぎて言葉が出なかった
こさめ
冗談でも、煽りでもない
本当にただ、"気付いてた"ってだけの言葉
こさめ
そう思ってしまった
返事は…すぐには送れなかった
どう返していいのか分からなかった
…でも、画面の中の君は、いつもよりずっと
近く見えた
こさめ
こさめ
この人が…こさめの演じる日々を少しづつ、終わらせるなんて…この時のこさめはまだ知らない
コメント
2件
おおお!今回も神作でした!✨️