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美里
雄也
美里
雄也
雄也
美里
ピピピッピピピッ
雄也
雄也
美里が死んでから2週間。
毎晩毎晩
こんな夢を見る。
美里
そう言っていつも夢の中で
美里は俺の前から消えるのだ。
雄也
そう言いながら俺は
ダブルベッドから起き上がった。
もちろん
隣には誰もいない。
しんとした部屋の中で1人
仕事へ行く準備を始める。
新しいスーツを着ようと
クローゼットに手を伸ばす。
取手に手をかけたところで
俺は動きを止めた。
クローゼットの中には
美里の私物がたくさん入っているのだ。
まだ心の傷が癒えていない俺には
それを見ることさえ辛かった。
雄也
そう言って俺は
結局クローゼットを開けずに
洗濯したばかりの
まだ少し湿っぽいスーツを着て
会社へと向かった。
謙介
雄也
謙介
雄也
謙介
謙介
雄也
雄也
謙介
同僚の謙介。
昔からの付き合いなので
俺の変化にはすぐに気がつく。
雄也
謙介
謙介
謙介
雄也
謙介
俺は
これまでの夢の話を謙介に説明した。
謙介
謙介
謙介
雄也
雄也
謙介
謙介
雄也
謙介
謙介
謙介
雄也
謙介
謙介
謙介
謙介
謙介
雄也
雄也
雄也
謙介
謙介
謙介
謙介
雄也
雄也
そして俺は
家に帰ると
若干戸惑いながらも
クローゼットを開けた。
雄也
雄也
『雄也へ』
『この手紙を読んでいる時』
『私は死んでいるでしょう』
『病気になってから、貴方は沢山のサポートをしてくれましたね』
『抗がん剤で髪が抜けても』
『笑いながら可愛いバンダナを付けてくれて』
『とても嬉しかった』
『ありがとう』
『雄也』
『死んでごめんね』
『もっと貴方と一緒に生きたかった』
『貴方は私の人生の中で』
『1番大切な人です』
『……じゃあ』
『もう、逝かなきゃ』
『雄也』
『幸せになってね』
『美里より』
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
雄也
その日から二度と
俺の夢に美里は出てこなかった。