どす黒く濁ったような 真っ赤な色をした水滴が、
俺の手を真っ赤に染める。
その水滴は…。
俺が。
彼奴を。
殺した証。
…あははっ!!
こんな簡単に死ぬなんて 彼奴はやっぱり馬鹿だな〜!
次は。
誰を殺そうかな?
次の誰かを殺すためにも。
誰にも見つかってはいけない。
そう思い、俺は
どす黒い水滴のせいで 真っ赤に染まった
俺の手を洗いに。
洗面台へと足を運んだ_。
歩くたびに俺の手から
どす黒く、濁った水滴が
ぽたぽたと、床に零れ落ちる。
その間、ずっとずっと…
彼奴の怯えた顔と。
俺を見る真っ赤に 充血した目と。
最後に聞こえた、
彼奴の…。
お前を一生!!!
呪ってやる!!
…という、声が。
頭から離れなかった。
…くそっ!!!!
なんなんだよ!!!
…ヒトゴロシに殺された、
愚か者のくせに!!!!!
その時、俺は知らなかった。
愚か者は、 彼奴ではなく。
俺の方だった なんて…。
しばらくして、 俺は…
洗面台に到着した。
…俺は、彼奴がすぐ隣に
居る気がして…。
鏡を見るのが怖かった。
…だから、出来るだけ早く 手を洗って、
タオルで手を拭いて、
すぐさま、
洗面台を後にしようとした_。
その時だった。
?
?
…背後から、誰かの鋭い声が 聞こえた。
…本当は、気づいたけど…
もしかして、彼奴…なのか…?
…という不安が 押し寄せてきて…
…ああ。そう。
俺は鏡が怖くて。
首を傾げて、
知らないフリをした。
そして…。
…さっきは無かった事にして、
もう一度。
洗面台を後に_。
…出来なかった。
その瞬間、俺の足に
ヒヤリとした感触を感じた。
そして、俺は思わず、
振り向いた…。
?
俺
俺
俺
俺
…鏡の中に居たのは。
全身、真っ赤に染まった… 化物みたいな…。
…俺だった。
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
俺
…どういう事だ…!?
鏡の中の俺
鏡の中の俺
い、今…。
殺人鬼って…!?
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
…ん…?
これって…。
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺が、彼奴に言った言葉…!?
鏡の中の俺は、
俺にしか聞こえないほどの
小さな小さな声で…。
俺の耳に囁いた…。
生きているとは思えない、
冷たい氷のような声で。
その時の鏡の中の俺は…。
驚くほど笑顔で。
それを聞いた俺は。
心臓が凍りついた気がした_。
それぐらい、怖かった。
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺は、
殺人鬼と化した、
殺人鬼らしくない 弱々しい俺を
甲高い声で嘲笑う。
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺の…。
充血した恐ろしい目に 睨まれた俺は…。
…恐ろしさのあまり、 動けなくなった。
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
…意外だった。
さっきのカンカンに怒った 顔とは違う…
寂しそうに、俺が 笑っていたから…。
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
?
鏡の中の俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
…俺は。
俺の言葉に、共感を抱いた。
間違いは正さなくては ならない事。
人殺しはしてはいけない事。
そして…
俺が、俺の為を思って
殺してくれる事…。
…だから。
俺は、俺に 殺される事にした。
俺
俺
俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
俺
鏡の中の俺
俺
鏡の中の俺
鏡の中の俺
俺
鏡の中の俺
この日。
一人の殺人鬼の家から、
一つの銃声が鳴り響いた。
しかし…。
不思議な事が、一つあった。
…それは。
銃声が鳴り響いたのにも 関わらず、
殺人鬼の家には、
どれだけ探しても…。
肝心の銃は、 見つからなかったという…。
これを読んでくれた皆さんは、
何処にあるのか…
分かりますよね…?
なーんて。
自分が言った言葉は、
いつか、鏡となって 返ってきます。
皆さんも、言葉には、
呉々もご注意ください。
コメント
26件
初コメです<(_ _)> 言葉の重みがよく伝わってくる物語でした…✨フォロー失礼しますm(*_ _)m
初コメ失礼します😳 言葉の重さを理解しないといけないですね。 最後の解説(?)で、色々と怖さが込み上げてきました(( 鏡の中の俺の責任感は何故か尊敬します!!w
鏡見るの怖くなる( 鏡の世界でももう一人の自分が居る。そう思って色々背負っていかなきゃ駄目だね。