意地っ張り女子は考えた

私は気づいている

彼が私の事を好きだと

あまりにもヘタレな彼に

少し、チャンスをあげよう

ここなら伝えやすいでしょ？

俺は気づいている

彼女が俺の事を好きだと

呼び出されたかと思いきや

まさかの

俺から伝えなくてはいけないらしい

高飛車な彼女に少し

とぼけてみることにした

嘘でしょ！？

告白する気がないなんて…

自分で言うのもアレだが

好意、というものをなかなか口で伝える事が出来ない

しかし、戸惑っていると

女子生徒の会話が聞こえてきた

私は死角にいてどうやら見えていないらしい

とられちゃう…そう思った私は

思い切って

彼に抱きついた

女子生徒達は去っていた

二人きりの空間に静寂が訪れる

それでもなおとぼける俺は

どうやら思っていた以上に意地悪らしい

嘘だ

彼女の真っ赤な顔、震える手、しがみつく体

全てから想いが伝わってくる

彼女なりの精一杯の言葉に

俺は抱きしめ返す

抱き着いていた体が離れる

そう思った瞬間

腕が引っ張られ

私の唇と彼の唇が重なった

意地悪な彼に

これから振り回される予感しかしない…