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キキーッ

うわああ!!!

バーン

こうして俺の人生は

あっけなく終わりを迎えた

次に目が覚めたのは

木の上だった

枝だらけの…巣?のようなものに

横たわっていた

何かがおかしいことは明らかだか

自分は生きているのかと手を動かそうとした

しかし、瞳が捉えたものは

黒い翼だった。

自分がカラスであることを自覚し

全てを悟った瞬間に

カラスが人間に忌み嫌われていることを改めて思い知らされた

飛んでいるだけで石を投げられる時もあった

もちろん自分もカラスは好きではなかった

黒いからだがなんとも気味が悪く

寧ろ嫌いだった

しかし自分はいかに浅はかな人間なのだろう

自分もカラスを嫌っていたくせに、いざカラスになると

なぜ嫌われるのだろう?と疑問にも思うしとても苦しいのだ

自分がカラスを嫌っていた理由は黒くて気味が悪い、だったけど

カラスの羽はよく見たら、青や紫、緑がかっているのだ

なんという皮肉。神様の悪戯だ。

嫌っていたカラスに、自分がなるなんて。

それから2ヶ月後

ユナ

マキちゃん、おはよう

ユナは自分を嫌ったりしない唯一の女の子だ

ユナがマキという名前をつけてくれた。

誰一人として気づかない羽の色もユナは気づいてくれたし

飢えた自分を助けてくれた

ユナの母親は自分達を嫌って庭から追い出そうとする

それにホースで水をかけてくる

そんな母親をもっているのに、ユナはとても優しい

ユナ

健太くんに会えないかな~

どうやらユナはケンタという男が好きらしい

どうにかしてユナの恋を叶えたい

ユナ

健太くん!いつもサッカー頑張ってるね!

ユナ

お疲れ様!

ユナ

これ差し入れだから…

ケンタ

ありがとう

ケンタ

嬉しいよ

ケンタ

なんだよこれ…まじいらねえ

ケンタ

手作りのものなんて誰が食うかよ
気持ちわりぃ

ケンタ

タオルもセンス悪いし

ケンタ

可愛いから貰っとくけど、顔がいいだけの奴だな

ケンタ

あの顔がなきゃ終わってるぜ

あれがケンタ…?

ユナはあいつのどこが良くて好きになったんだ…?

人が大切に選んで、心を込めて作ったものを捨てるなんて

あんな野郎、死んじまえばいいのに

ユナの好きな奴だから仕方ないけど、ちょっと攻撃するくらいいいだろ

ユナの気持ちを踏みにじるな

カァーカァー

ガァッー!!!

ケンタ

い、痛え!!

ケンタ

何すんだよクソカラス!!

カァッー!!カァッー!!

ケンタ

痛え!!くそ…

ユナ

健太くん!?

ユナ

血が出てる!!

ケンタ

高橋!助けてくれ…

ケンタ

カラスが、カラスが…!!

ユナ

マキちゃん…どうしてあんなことしたの…

ユナ

酷いよ!!

ユナ

健太くんを傷つけるなんて!!

ユナ

わかってくれてると思ったのに…

ユナ

信じられない…

違う。違うんだ

君のためなんだ

ケンタは良くない奴なんだよ

信じてくれよ!!

カァーカァー

ユナ

なんで呑気に鳴いてるの…

呑気なんかじゃない!!

ユナのために…

カァーカァー

ユナ

なにか伝えたいの?

ユナ

無理だよ

ユナ

もう知らないから

ユナが自分の前に現れなくなって1日が経った

元々ろくに餌も取れず生きていたからユナが餌をくれないとやっぱり腹が減る

ユナの家に行っても、ユナは庭に出てきてくれないし

部屋のカーテンすら開けてくれなくなった

とても謝りたいのに、どうにもならなくて

ユナの家をうろつくばかりだ

今日もいつものように飛び回っていた

公園の上を通る

瞳がユナの姿を捉える

ひとりだ。

カァーカァー

ユナ

カラスだ…

ユナ

マキちゃんに謝らないと…

ユナ

きっとマキちゃんは私のために行動してくれたんだ

カァーカァー

ユナ

マキちゃんだ…!

ユナ

マキちゃん…!

ダッ💨

ユナ

マキちゃん、ごめんね!!!

プップーー

キキーーーッ

ユナ

きゃぁぁぁ!!

バーン

あ…ハァ、ハァ…

ブォーン🚗💨

なんで飛び出したんだよ!!

自分なんかに謝るために飛び出すなよ!!

助けを呼ばないと…

誰か救急車を呼んでくれ!

カァーカァー

誰か!!

カァー!!カァー!!

誰か…!!

カァーカァーカァー…

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