コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
俺が自分の「心と体の違和感」に
気付いたのは、小学校入学を控えたころだった。
おばあちゃん
お母さん
姫
おばあちゃん
お母さん
お母さん
他の子供
他の子供
他の子供の父親
他の子供の母親
姫
両親は古い人間だった
お母さん
女の子はスカート、色は明るく派手すぎないもの、
おしとやかに・・・物心ついた時から自分にとって
それは苦痛でしかなかった。
姫
姫
でも、父も母もかわいい格好をした俺を見ると
とても喜んでいた。
自分が好きな、男の子っぽい衣類が欲しいと言うと嫌そうな顔をするので
次第に口にすることはやめた。
思春期を迎えると、体の変化に心が付いていけなくなっていた。
姫
姫
自分の姿を見るのが辛くて、
部屋には鏡を一つも置かなかった。
そしてーーーー
凛
姫
凛
好きな人が出来た
それは友達で、女の子だった。
この頃俺は、自分がレズビアンだから、
普通の女の子のように生きられないのだと思っていた。
でも、ネットで同性愛について調べていると、一つの言葉を知った。
姫
心と体の性別に差がある人
日本では、「性同一性障害」と呼ばれる事も多いが
これは医学用語であり必ずしもイコールではない
姫
姫
着たくない女子用の制服
本当は男子の話に混ざりたかった日々
大嫌いな水泳の授業
女性らしくなっていく自分の体
ずっと考えていた。年々、自分の中で大きくなっていた気持ち。
姫
そして高校の卒業式を終えたその日
両親に、自分の心は男性であると告白した。
お母さん
姫
姫
姫
姫
お父さん
お父さん
お父さん
お母さん
お母さん
お母さん
お父さん
姫
お父さん
姫
父さんは、俺を全力で拒絶した
両親にすら認めてもらえないような俺が、
社会でこれからどうやって上手くやっていけるというんだろう
コンコン
お母さん
姫
姫
お母さん
翌朝
お母さん
ガチャッ
お母さん
ダラーッ(血)
お母さん
お母さん
お父さん
お父さん
お母さん
カッターナイフで手首の血管を深く傷つけ、
それでも死ねなかった俺に、
お医者さんは「運が良かったね」と言った
姫
姫
父さんは一度もお見舞いに来なかった
俺が医者に頼んだのもあるし、俺の顔を見るのが嫌なんだろうと
ぼんやり思っていた
退院日
お母さん
姫
お父さん
姫
お父さん
姫
お父さん
姫
お母さん
母さんが出したのは、性同一性障害の診断をしてくれるクリニックのパンフレットや、トランスジェンダーについて書かれている本などだった。
お父さん
お母さん
姫
姫
姫
お母さん
お父さん
ずっと胸につっかえていたものが、
スッと消える感じがした。
誰かに認めてもらうことで、
こんなにも勇気付けられるなんて。
その後、俺は両親の助けを得て、性別適合手術を受けることにした。
病院からの診断後、性別変更判定会議を経て手術をし、戸籍上も男性となった
お父さん
お母さん
???
お母さん
アラタ
トランスジェンダーしかり、LGBTへの風当たりはいまだに強く理解も追いついていない。
両親の助けを得られた自分が、今度は悩んでいる誰かを助けられるように
『新た』な道を、切り開いていきたい。