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『新た』な道

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『新た』な道

1 - 『新た』な道

2022年03月09日

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俺が自分の「心と体の違和感」に

気付いたのは、小学校入学を控えたころだった。

おばあちゃん

姫ちゃんは何色のランドセルがいいの?

お母さん

ピンクとか・・・。水色もかわいいわよ!。定番の赤もいいわねー。

・・・姫は、これがいい

おばあちゃん

え!?これは男の子が買うものよ?これはダメよ

お母さん

こんな色姫ちゃんには似合わないよ。

お母さん

こっちの明るい色から選びなさい

他の子供

パパ

他の子供

僕この色にする!

他の子供の父親

おぉ、かっこいいじゃないかー。いいなぁーパパが子供のころは黒しかなかったんだぞー。

他の子供の母親

良かったわね。好きな色があって。

(どうして俺は、好きな色を選んじゃいけないんだろ・・・。)

両親は古い人間だった

お母さん

女の子らしくするんだよ

女の子はスカート、色は明るく派手すぎないもの、

おしとやかに・・・物心ついた時から自分にとって

それは苦痛でしかなかった。

ズボンがいい(泣)・・・。

スカートは嫌い(泣)・・・。

でも、父も母もかわいい格好をした俺を見ると

とても喜んでいた。

自分が好きな、男の子っぽい衣類が欲しいと言うと嫌そうな顔をするので

次第に口にすることはやめた。

思春期を迎えると、体の変化に心が付いていけなくなっていた。

(何で胸が大きくなるの・・・?(泣))

(こんなの、俺の体じゃない・・・(泣))

自分の姿を見るのが辛くて、

部屋には鏡を一つも置かなかった。

そしてーーーー

姫ちゃん、一緒に帰ろー。

う、うん・・・

やったー♪

好きな人が出来た

それは友達で、女の子だった。

この頃俺は、自分がレズビアンだから、

普通の女の子のように生きられないのだと思っていた。

でも、ネットで同性愛について調べていると、一つの言葉を知った。

(トランスジェンダー?)

心と体の性別に差がある人

日本では、「性同一性障害」と呼ばれる事も多いが

これは医学用語であり必ずしもイコールではない

(トランスジェンダー・・・!)

(俺は、生まれつき心と体が逆だったんだ。)

着たくない女子用の制服

本当は男子の話に混ざりたかった日々

大嫌いな水泳の授業

女性らしくなっていく自分の体

ずっと考えていた。年々、自分の中で大きくなっていた気持ち。

(性別を、変えたい)

そして高校の卒業式を終えたその日

両親に、自分の心は男性であると告白した。

お母さん

・・・姫・・・なんて、言ったの?

私、・・・いや俺は、トランスジェンダーなんだって・・・、

ずっと女性のフリをして生活をするのが辛かった。

誰にも言えなかった・・・。

だけど、もう、このままでは生きていけない・・・。

お父さん

ふざけた事を言うんじゃない!

お父さん

何が不満なんだ!?やっと卒業して、これから進学も控えて・・・

お父さん

何を考えてるんだ!冗談じゃないぞ!

お母さん

お、お父さん

お母さん

落ち着いてください・・・!

お母さん

姫の話を聞いてあげて・・・っ

お父さん

何も聞く事なんか無い!(激怒)

(ビクッ)

お父さん

精神科に連れて行って治療させなさい!

ーーーーーーッ・・・!

父さんは、俺を全力で拒絶した

両親にすら認めてもらえないような俺が、

社会でこれからどうやって上手くやっていけるというんだろう

コンコン

お母さん

姫・・・ご飯、食べて

どうして・・・俺は性別が逆なの?

普通逆だろ!

お母さん

・・・っ・・・

翌朝

お母さん

姫?そろそろ顔を見せて・・・。よく話し合いましょう?

ガチャッ

お母さん

姫?

ダラーッ(血)

お母さん

ーーーーッ姫!!あ、あなた!!

お母さん

早く来て姫が・・・ッ!

お父さん

何だ騒がしーー

お父さん

ひ、姫!母さん救急車を!

お母さん

は、はい・・・っ

カッターナイフで手首の血管を深く傷つけ、

それでも死ねなかった俺に、

お医者さんは「運が良かったね」と言った

運が悪かったの・・・

間違いでしょう・・・

父さんは一度もお見舞いに来なかった

俺が医者に頼んだのもあるし、俺の顔を見るのが嫌なんだろうと

ぼんやり思っていた

退院日

お母さん

ほら、そこ気をつけてね。

わかってるよ・・・

お父さん

お帰り、姫

・・・・・・・・・・

お父さん

座りなさい。少し話そう。

・・・・・・・うん・・・

お父さん

まずは、ごめんな。姫の気持ちを踏みにじって。・・・あんなに思い詰めてるとも知らずに。

父さん・・・

お母さん

お父さんね、あの後すごく後悔してて、たくさん勉強したのよ。

母さんが出したのは、性同一性障害の診断をしてくれるクリニックのパンフレットや、トランスジェンダーについて書かれている本などだった。

お父さん

今まで、ずっと一人で悩んでいた事に気づきもしないで、ごめんな・・・。

お母さん

そういえば姫って、昔から男っぽいところがあったものねぇ。

・・・父さん・・・母さん・・・

ごめんなさい(泣)・・・

馬鹿な事をして・・・ごめんなさい(泣)

お母さん

私たちこそ、ずっと気づいてあげられなくって、ごめんね。

お父さん

お前が元気でいてくれるなら、性別なんてどっちでもいい。姫の生きたいように生きなさい。

ずっと胸につっかえていたものが、

スッと消える感じがした。

誰かに認めてもらうことで、

こんなにも勇気付けられるなんて。

その後、俺は両親の助けを得て、性別適合手術を受けることにした。

病院からの診断後、性別変更判定会議を経て手術をし、戸籍上も男性となった

お父さん

まさか、二度も我が子に名前を付ける日が来るなんてなぁ。

お母さん

ふふ、なんだか不思議ですね。

???

父さん、母さん、素敵な名前をくれてありがとう。

お母さん

これから、あなたがあなたらしい人生を歩めるように・・・頑張ってね。アラタ

アラタ

うん!

トランスジェンダーしかり、LGBTへの風当たりはいまだに強く理解も追いついていない。

両親の助けを得られた自分が、今度は悩んでいる誰かを助けられるように

『新た』な道を、切り開いていきたい。

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