テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

一覧ページ

義理のお兄ちゃんは恋愛対象ですかっ！？

第1話 - 義理のお兄ちゃんは恋愛対象ですかっ！？　第一話

2022年04月30日

#切ない

#初恋

#恋愛

#青春

#青春恋愛

#禁断の恋

鈴蘭

「義理のお兄ちゃんは恋愛対象ですかっ！？　第一話」これが、いわゆる一目惚れ…ってやつなのかな…？初めてあなたを見た時、なんていうか、ぴぴっと来た。気づいたら、好きになってて、あなたに見てほしい…。そう思うようになっていた。これは、私の、初恋の物語だ。

蒼井　渚

ああ、また騒いでるよ…。本当に邪魔…。

東雲　結愛

え、何が…？

蒼井　渚

いや、見て、あそこ。

東雲　結愛

え、う、うわ…。何あの人だかり…。

蒼井　渚

どうせ、橘先輩とか、藤堂先輩とか目当ての女子でしょ。
ああ、ほんっと、邪魔でしかない…。

蒼井　渚

こっちは、そこの廊下通らなきゃいけないっつーの。

東雲　結愛

…サバサバしてるなぁ……。

蒼井　渚

ん？そう？

蒼井　渚

っていうか、まじで女子の生態が理解できん。

東雲　結愛

なんで？

蒼井　渚

いや、聞いて！？あたし、バスケ部のマネ、してんじゃん？
その用事で、橘先輩と、藤堂先輩と、二階堂先輩に話してたら、帰り際に、
女子共から、まじで殺されそうになったんだって。

東雲　結愛

え、ええ…！？なんで…？

蒼井　渚

橘先輩、藤堂先輩、二階堂先輩といえば、あたしらの高校のバスケ部のエース
でトップ３じゃん？しかも、顔がかっこいいとかなんとかで、学校中の女子から
崇められてんじゃん、だから、あの三人にきやすく話しかけんなって言われた。

東雲　結愛

ああ…。確かに、あの三人の人気は半端じゃないもんねぇ～。

東雲　結愛

ファンクラブみたいなのもできたみたいだし。

東雲　結愛

で、大丈夫だったの？

蒼井　渚

あー、一応。ぶっ飛ばしといた。

東雲　結愛

…渚らしいや。うん…。

東雲　結愛

っていうか、渚はあの三人に興味はないんだ。

蒼井　渚

そりゃそうじゃん。毎日バスケ部の練習で見てたら、興味もわかないし、
あたしのタイプは、イケてるオジサン系の俳優の桐生さんだから。

東雲　結愛

あ…、そうだったね。

蒼井　渚

んで？結愛は？

東雲　結愛

えー、私はあんまり興味ないかな…。まだ、あの三人の事、見たことないし。

蒼井　渚

え？

東雲　結愛

え？

蒼井　渚

え、いやいや、見たことくらいはあるんじゃないの？

東雲　結愛

確かに渚はバスケ部のマネだから、毎日見てるだろうけど、
私はバスケ部のマネでもないし、あの三人、いつも周りに人だかりが
出来てるから、なんだかんだ言って、まだ生で見れたことないんだよね～。
接点とか全然ないし。

蒼井　渚

へー、そうかー。

東雲　結愛

まぁ、別にあの見物人を押しのけて見たいと思うほど三人が好きって訳じゃないし

蒼井　渚

へ～。あ、それじゃ、私、そろそろバスケ部のマネの仕事あるから行くわ。

東雲　結愛

うん！頑張れ！

蒼井　渚

ありがと。

東雲　結愛

私も、そろそろ帰ろっかな…。

新崎　芽衣

きゃっ！

東雲　結愛

あ、ごめんなさいっ、大丈夫ですか？

私は、急にぶつかってきた女の子を助け起こした。

新崎　芽衣

ご、ごめんなさいっ…。あ！！！ど、どうしよう…。

東雲　結愛

どうしたんですか？

新崎　芽衣

ク、クッキーが…。

東雲　結愛

え、大丈夫！？

女の子は、ぶつかったときに、持っていたクッキーの上に倒れてしまい、袋の中のクッキーが割れていた。

東雲　結愛

ご、ごめんなさい…。せっかくのクッキーが…。

新崎　芽衣

だ、大丈夫です…。どうせ、最初から私なんかが…。はぁ…。

東雲　結愛

どうしたんですか？

新崎　芽衣

いや、今日、バレンタインだから…。橘先輩に…クッキーを渡したくて…。
でも…やっぱ私なんかじゃ無理だったんです。

新崎　芽衣

どうせ、橘先輩の事が好きな女子はたくさんいるし…。

東雲　結愛

あ…、そ、そっか。

東雲　結愛

でも、まぁせっかく作ったクッキーだから…

東雲　結愛

渡すだけでもどうですか？きっと大丈夫ですっ！

新崎　芽衣

…いや、クッキーも割れちゃったし…。

新崎　芽衣

やっぱ、大丈夫です！

そういうと、女の子は、走り去っていった。

東雲　結愛