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見事にパシられちゃった…

時は戻って2分前。

救急箱を返しにテントへ向かえば保健室の先生に「絆創膏を取りに行ってきてくれ」なんてパシられてしまった

まったく、あの人は変わらず人使いが荒い

__?

お、田中…?

さっき呼ばれたと言って走って行ったがこんなところにいたのか。

…?!!

何を話しているのか横目で見て通り過ぎようと思ったそのとき、話し相手が目に入る

巫子…?

30m程離れているから恐らくあっちから気付かれることはないだろうが、ちょっと隠れながら進んでみたりする

てかなぜ巫子?

田中と仲良かったっけ…

少しずつ距離が縮まってくると会話の内容も聞こえてくる

巫子

__、__んです!

うん、知ってる

絞り出すように喋る巫子の声はよく聞こえない

もうちょっと近づいてみる。

巫子

だから、好きなんです!

俺のほうが好きだし!

巫子

私は大好きですー!!

…は?

ってことがあって…

優吾

え、巫子ちゃんと樹が?

慎太郎

巫子ちゃんに聞いてみればいいんじゃね?

巫子とは…

慎太郎

…喧嘩とか?

っす…

優吾

じゃあ樹に聞いてみっかぁ

っすね…。

一点を見つめながらそう言う冰は、叱られたときの犬に見える。

いや、「猫」宮ではあるんだけど。

…そういえばしばらくインス夕動かしてねぇな

そう思い横に座る冰にスマホを向け、ぱしゃりと写真を撮った

大我

落書きさーせて

大我は、「避けられねぇ…!」と言いながら冰の頭を撫でていた手を止め俺のスマホを奪ってくる

優吾

っふ、犬じゃん

返されたスマホの写された画像を見るとご丁寧に犬耳が付け足されている

やはり、今の冰は誰が見ても犬みたいだ。

🟡yugoko_chi         ︙

♡  💬  △        □ いいね!:ky0m0_taiger、他 犬系猫 #妹ちゃんと喧嘩中? #落書きは京本

優吾

どっちが先に来ると思う?

大我

俺樹

慎太郎

じゃあ俺北斗

優吾

んー、俺は

ジェシー

HEHE!膝やべぇんだけど

優吾

お前かよ 笑

ジェシー

えっ、何だよ

北斗

犬宮くんどしたのっ?!

猫宮だよ…

北斗

ツッコミに覇気がない!!

北斗

いつもだけど!!

慎太郎

お、当たった

慎太郎

きょもアイス奢りね

大我

だめだよ、最初はジェシーだったもん

大我

ここは何も賭けてないこーちに奢ってもらおうよ

慎太郎

えぇ?! 笑

優吾

ここカオスすぎんだよ…

周りの話し声に加え、俺たちの話し声も混ざり一層テント内は騒がしくなる

だが

冰、どうした?

……。

いつの間にか来ていた樹と、冰の間だけは静かだった

なぁおい、言ってくんないと分かんないって

大丈夫だよ、関係ない

そう冰が言うと大我が近寄ってきて俺だけに聞こえる声で通訳をしてくる

大我

気にしなくていいよ、僕が縛り付けたりするようなことはしたくないし。

その言葉を聞いて頷いていると慎太郎も近づいてきて「樹から見た冰の言葉」を話してくる

慎太郎

お前とは関係ない。話しかけんな。

優吾

いや言い過ぎ…

とは思ったものの、やはり樹にはそのように聞こえているようで。

んだよそれ…

今にも沸点に届きそうである。

どうだっていいでしょ、僕はもうどうでもいい。

そこに追い打ち

大我

君たちの恋愛に僕のことなんて関係ないんだから、僕も気にしないように努める。

慎太郎

別に元々おめぇのこと好きじゃなかったし。おめぇもそうっしょ?

優秀な通訳者を両脇に、嫌な汗を掻く

ぁあ!どうでもいいよ!!

…そう、それは良かった

…友達だって、仲間だって思ってたのは俺だけだったのかもな。

は…?

大我

ねぇ、これ止めたほうが良い?

そう俺に聞いてきた大我に反応するより先に樹の怒号と乾いた音がテント内に響く

北斗

おっ…と?

優吾

っちょ、樹…!

あまりに急な出来事に時が止まる

勝手にしろよ…

ジェシー

樹!!

早足で去っていく樹の後を追うジェシー。

足大丈夫なのかよ…

そんなこと考えてる場合じゃねぇわ

大我

っとー…冰、大丈夫?

瞬きもせずに立ち尽くす冰の前で手を振る大我と、叩かれた頬の処置をするべきかと慌てる北斗。

と、

慎太郎

あー、ごめん

慎太郎

ちょっとお取り込み中でさ?

カナ

っでも、

慎太郎

心配しなくても大丈夫だから

こちらに来ようとする三沢さんと、それを抑える慎太郎。

うーん…多分火に油だよね。

優吾

あ、でも

次リレーじゃん

優吾

冰ー。

優吾

出番もうそろだけどどうすんの?

北斗

ちょっ…こーち、?!

出ます…。

さっきまでキラキラだったオーラはすっかり失われた冰からそんな返答がくる

大我

俺の手冷たいから冷やしたげる

…ん

大我

あらやだ素直

優吾

ほい、じゃあ行くぞー

北斗

え、ちょ、

慎太郎

こーち!追いてかないで〜

行ってらっしゃい、と手を振る大我に「北斗どうにかしとけ」とだけこっそり伝え、冰の腕を引く

…すみません、空気壊して、

まだ親交は浅いけれど、冰はこれからリレーを走り切れるのか不安になるくらいには暗い表情だった

…一応俺、やな奴に見えたかもしんないけど戻って来る樹とジェシーから離すために動いたんだかんな

まぁ多分あいつらが戻ってきたのは謝るためだろうけどね。

……。

優吾

1位取るぞーっ

慎太郎

おーっ!!

カナ

お、おー!

こいつらは多分、一回離れてお互いの必要性知るべきだと思うんだわ。

ま、全部「多分」だけど

あっ、

ジェシー

行っちゃったね

大我

どんまい

冰の腕を引っ張っていったこーちの後ろ姿を見て思う。

大我

流石縄師…。

おにこーち。

あんなんでリレー勝てるわけないじゃん。

人気者になんてなりたくありませんでした

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