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……弟子? クロトが? この不審者達の?
クロトはパチパチと目を瞬かせると、人当たりの良い笑顔を彼らに浮かべてみせた。
クロト
クロト
クロト
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クロト
彼らの親しげな会話から察するに、彼らは本当にクロトの師なのだろう。
その割には、ちょっと邪険に扱われているみたいだけど……。
照れ隠しかな。
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赤橙色の髪の女性が、口を尖らせて不満気にそう言った。
感動的かどうかは隅に置くとしても、もう少し歓迎してもいいんじゃないかと私も思う。
師匠と仰ぐくらいなんだから、きっとお世話になってきたんだろうし。
クロトは飄々とした態度で肩をすくめた。
クロト
いつもの表情の中に、ほんの少し懐かしさを滲ませてクロトは言う。
クロト
その声に安堵の色が混じっていたのは、きっと私の勘違いではないだろう。
……自分と同じ境遇の者がいるという事実で、どれだけ心が安らぐか。
私だって、そんなことくらい分かる。
クロトの言葉を聴き、赤橙の髪の女性が目を伏せた。
それから徐に首を傾げて、ポツリと告げる。
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主語のない言葉。クロトになら分かるだろうという、絶対的な信頼を置いたもの。
けれどクロトは、それが何のことかよく分かっていないようだった。
クロト
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彼の疑問符が入った答えに、彼女は訝しげに眉をひそめる。
そのままこめかみに手を当て、信じられないといった口ぶりで、芝居掛かった口調で話し出した。
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ずんずんクロトの方へと近付いていき、遠慮の欠片も見当たらない手つきで彼の頬をつねる女性。
クロトは顔を顰めることなく彼女の攻撃を受け止め、何の反応も示さない彼に飽きた女性が手を離した所で、やれやれと手をあげ呆れた声を出した。
クロト
クロト
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クロト
?
クロト
?
クロト
二人はお互い気まずそうに顔を見合わせてため息をついた。
な、仲良さそうで何より……。
と、ひと段落着いた所で、黙って一連の流れを眺めていた女性と共に現れた男性が徐に口を開いた。
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ごほんと咳払いをした女性は、胸に手を当て高らかに告げる。
ソル
ソル
ソル
レミ
ラン
ユリ
ソル
ソル
ソル
レミ
何か問題でもあるのだろうか。
ソルさんは呆然とした様子でポツリと呟く。
ソル
男性がソルさんの言葉足らずな部分を補うように、クロトを半眼で見やった。
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彼のの無用心という言葉で、ソルさんが何故そんな顔をしていたのか理解できた。
怪盗やってるのに、ホイホイ自分の名前を言うなってことではなかろうか。
あれ、でも、どうして私の名前が本名だって分かったんだろう?
クロトの方を見るも、彼は一向に目を合わせようとしない。
……うん。クロト、私に何か教え忘れてたな。
それも多分、結構重要なこと。
ソル
ソル
クロト
ソル
ソル
ソル
レミ
何だそれ。早く教えて欲しかったよクロト。
もう既に色んな所で本名を名乗ってる気がするんだけど……。
クロトは私のじとっとした視線に気がつくと、無意味に手を動かし始めた。
誤魔化し方下手だし、貸し一つだよ。まったく。
……といっても、私がクロトに作っている貸しの方が多いんだけどね。
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リュンナ
リュンナ
リュンナ
男性──リュンナさんはそう言うとにぃっと口角をあげた。
笑顔を見せようとしているのは分かるんだけど、彼の表情筋が硬いせいか、おおよそ柔和な笑みだとは思えない。
目線が合った私たち三人は、各々曖昧な笑みを浮かべて返した。
私たちの微妙な反応を知ってか知らずか、リュンナさんはポケットからハンカチを取り出し、何もないところからお菓子を取り出す、といったマジックをしてみせる。
マ、マイペースな人だなぁ……。
クロト
クロト
ソル
クロト
クロトに尋ねられたお二人は、何やらコソコソと密談し始めた。
何だか少し、怪しいような……。
ソル
ソル
リュンナ
……ソルさんはともかく、リュンナさんまで(恐らく)笑顔で早口なのは、何かがおかしい。
彼等と初対面の私でも気付けるのだから、クロトが気付かない訳がない。
案の定、クロトは怪訝そうな表情をしていた。
ソル
リュンナ
ソル
リュンナ
ソル
リュンナ
ソル
リュンナ
矢継ぎ早にソルさんとリュンナさんから放たれる言葉たち。
怪しさは更に募るけれど、それ以上に……。
私は横目でクロトを見遣る。
彼は自分の師匠からの、容赦のない指摘に顔を引き攣らせていた。
ごめんクロト、これに関しては私、フォローできないかな……!
ソル
リュンナ
皆の圧力を感じたのか、クロトは渋々といった風に頷いたのだった。