「君が好き。」
その言葉を言えたらどんなにいいのだろう
でも俺は
この繋がれた縁を切りたくなくて
今日も言葉を飲み込む。
奏太
そっか…そんな事が…
凛花
凛花
…うん。
凛花
まだ好きだけど…
凛花
凛花
仕方ないよね…
奏太
そんな泣くなよ。
奏太
お前はいろんな人から愛されてるから
奏太
奏太
きっとすぐにまたいい恋愛ができるって
君が強めのお酒を飲み干し
うつらうつらとしだす頃
俺はまだ
この時間が終わらなければいいのにと 思っている。
凛花
…うぅ。
凛花
ごめん酔ったみたい…
悲しいかな
俺は
ただの「友達」
奏太
わかった。
奏太
奏太
送っていくよ。
君を好きになって どれくらい経つだろう
春も夏も
秋も冬も
同じように変わっていく 君の表情がたまらなく好きだ。
奏太
なぁ、今度飯行こうぜ?
凛花
凛花
あー。
凛花
うん。
凛花
ごめん。
凛花
彼氏できて
凛花
今、2人で出掛けられないんだ。
なぁ。
俺じゃダメなの?
俺じゃ君を満たせない?
こんなに長くいたのに
こんなに君を知っているのに…
こんなに…
君を愛しているのに…
凛花
凛花
久しぶり、元気してる?
奏太
奏太
あ、うん。
奏太
珍しいね、LIME。
凛花
いや、何してるかな?って
なんで
なんで俺を気に掛ける。
奏太
相変わらずだよ。
奏太
仕事してー仕事してー仕事してー
奏太
の毎日。
凛花
あはは。
凛花
変わんないなw
めちゃくちゃ胸がドキドキしてるのに
嬉しいのに…
奏太
なんかあった?
凛花
凛花
いや…べつに…
ただもどかしい気持ちだけが
胸を騒つかせるんだ…。
ずっと前から君を見ていた。
ずっと前から好きだった。
ずっと、ずっと…
気持ちを飲み込み
嗚咽しそうになるくらい のたうちまわって
それでも寄り添いたいと…
そう願った。
きっとまだ
俺はずっと
「友達のまま」なんだろう。
何気ない日常会話も
何気ない気遣いも
それは1人の男としてではなく
「友達」…として。
凛花
あんまり無理しすぎんなよ!
奏太
お前もな!
それでもいい。
君の声を聞き、
君の名前を呼ぶ。
ただ…それだけで…
凛花
ね?
凛花
凛花
今度時間あるかな…?
奏太
…え?
奏太
奏太
…あるけど…
好きにならせてくれてありがとう。
幸せな時間をありがとう。
「ありがとうを君に」
俺は君の幸せを
1番に願える男でありたい。