コメント
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あぁぁぁ好きだ
藍都
どこからともなく現れた黒いもやが人型を模していく。
完全に人と化したソレは、白髪の男が座る王座の前にひざまづいた。
霊神
霊神
藍都
霊神
霊神
藍都
霊神
霊神
魔族と言えど腹は減るものだ。御伽噺で言う吸血鬼は血を吸うもの、と言う固定概念は人間の考えに過ぎない。魔族も人間も、口にする物は大差ないのだった。
藍都
霊神
藍都
藍都が目を閉じ、息を整えた。 すると、
ソレは完全に『人間』の形を形取った。
藍都
この感覚は、まだ慣れないな…。
霊神
藍都
藍都
霊神
さらに何か買ってこ。
おかしいな、あいと君どこだろう…。
パタパタとおぼつかない足取りで王城の中を駆け回る。
朔蘭
もたれかかった窓から見えたのは、唯一、この王城に出入りができる橋だった。
朔蘭
朔蘭
ふと、その上を歩いている誰かの姿を発見する。
まさか、また人間が…。
朔蘭
どこに行くのかな。 ここから声をかけても…、届かないよね。
バタバタと今度は慌ただしい足音と共に、渡り廊下を駆け出した。
王都にて。
買い出しも終わったし、さらのお土産でも買ってこうかな。
藍都
先日の騒動がまるでなかったかのように至って普通であった。普通すぎて、嫌気がさす。
人間なんて身勝手で、自分を悪だとも思っていない。
忘れて、喚いて、投げ捨てて、斬り捨てる。
別に人間が絶対的に嫌いってわけじゃないけど、嫌いだ。
キョロキョロと辺りを見渡しながら、雑多の間を歩いていく。
ふと、不思議と目に留まった店に足が向いていた。
何か面白いものがあるといいけど…。
店主
店主
俺のことか。
藍都
店主
店主
藍都
店主
藍都
店主
何がいいかな…。
様々なものが棚に陳列され、店の奥までずらりと並んでいる。
人間は変なものを集めるのが好きなんだな…。
藍都
ふと、隅っこに追いやられたソレに目がいった。
これは…、ピアス?
藍都
店主
藍都
藍都
店主
店主
藍都
藍都
店主
店主
店主
藍都
藍都
あっけらかんと言ってみせる藍都に店主の男は目を見開かせた。
店主
藍都
店主
にこりと笑ってみせる彼の笑顔に店主が一瞬たじろいだ。
店主
藍都
店主
ラッキー。
藍都
店主
店を後にした藍都は、帰りを待ち侘びている仲間と愛しの恋人が待つ王城へ帰路につこうとしていた。
先ほど店で購入、否、譲り受けたピアスを梱包越しに太陽にかざす。
藍都
おそらくあの話は半分が嘘で、半分が本当。
多分、妖精の羽は使われていないけど、妖精が使う魔術の痕跡がある。
製作者がかけたものなのか、はたまた、妖精の悪戯なのか。
本意は分からないが、『妖精』が関わっているのは間違いないようだ。
多分、このピアスに対する人間の扱いが雑だったんだろうな。
大事にしてたら物にも心が宿る。 こんな話、人間にしても信じてはくれないけど稀にあること。
藍都
藍都
ふと、先ほどから感じていた違和感が今までで一番藍都を刺激した。
この違和感、なんだろう。
ピリピリとしたものが彼の肌をつつく。
そのとき、キーンという甲高い音が耳の中で響いた。
藍都
藍都