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梅雨

つまりは憂鬱

それなのに今日は委員会

雨音が静かに響く放課後

いつものように図書室でぺちゃくちゃ喋っている

不意に吹き出して角名がわらった

私たちはお互い動きを止め

「「は、なんでそっちが断ってんの？」」

といった

タイミングを合わせたように声が重なった

すると近くを通りかかった先生が

と笑っていた

ケラケラと笑いながら

私たちは最後の本を運んだ

気がつけば

外の雨も弱まっていた

そこには私が校長と走ってる写真があった

そこには角名が笑ってる写真があった

角名の目？

何言ってるんだろ

何も写ってないけど

私は思わず写真を隠した

さっきの写真なんだったの...

訳わかんない

自販機で水を買い

1回の廊下を歩いていると

前を見ると

弥生ちゃんが立っていた

一応説明するけど

角名の一番最近の元カノです

なぜ別れたかも分からないです

1年の頃同じクラスだった為私も関わりはある

私は思い返した

ん...あれ

私もしかして

角名といる時間結構長い？

微笑んだ弥生ちゃんの顔は柔らかい

でも

ほんの少し目が笑っていない

あー...弥生ちゃん

こういうところあるんだよな

だから上手く掴めないっていうか

まぁけど比較的純粋な子だし

実際そこまで悪いわけでもない

私は思わずペットボトルを落としそうになった

私は首をぶんぶんと振った

ニコッと笑った弥生ちゃんは

やっぱり可愛かった

教室に帰ると

角名がこっちを見た

弥生ちゃんのことも聞きたいし

それだけ言って角名は教室を出た

そして放課後

私はある場所に寄った

この人は英語の先生

最近よく留学のアドバイスを貰っている

先生なんだけど

先生ぽくないって言うか

保健室をでて

私は参考書を見つめた

私は頭をぶんぶんと振り

昇降口に向かった

放課後

昇降口のロッカーの前

靴を履き替えたタイミングで声がかかった

弥生だった

いつも通り清潔感のある制服に

緩く巻かれた髪

誰が見ても“いい子”に映るタイプ

とだけ冷たく言った

気まずくは無いけど

完全フラットな状況でもない

一瞬空気が固まった

今の会話のどこに優しさを感じたんだよ

要素が

なかったはず

弥生は柔らかく笑い

そのまま外に出ていった

背中は強がるように真っ直ぐだったけど

いつもより心做しか

歩くのが遅かった気がする

溜息をつき横をみると

○○がいた

○○はローファーに履き替えると

俺を見た

さっきのなんやったんやろ

多分普通に聞いても教えてくれないし

...ん？

というか

なんで私が気にしてるの

あれは弥生ちゃんと角名の話であって

私には何の関係も...

角名に腕を引かれ

その勢いで私は聞いた

1個か...1個

角名は溜息をつき

こういった

そういった角名の目は

いつもより優しかった

あ...角名って

好きな人にこんな顔するんだ

へー...なんか

ちょっとうらやましいかも

そんな一途だったんだ角名

...それって誰？

え？

よく考えたらそれ誰

少し暑くなった放課後

私たちは遠いようで近い未来を想像した