ネオン
ネオン
さとみ
ちぐさくん
さとみ
ちぐさくん
尖った氷の塊が飛んでいく
さとみ
透明なガラスの破片が飛んできた
それは氷と当たり砕け散る
さとみ
ちぐさくん
しばらく氷とガラスぶつかり合っていた
だが次第に俺はおされていた
ちぐさくん
スッ
ピシャッ
肩にガラスがかすり血が出る
さとみ
ちぐさくん
さとみ
そう言い彼は床にあるガラスを拾う
そして手の上で溶かし変形させて見せた
さとみ
さとみ
ちぐさくん
不意をつこうと氷を飛ばした
だがいとも簡単に防がれた
さとみ
ちぐさくん
ちぐさくん
彼の足もろとも地面が凍る
彼は動けなくなる
ちぐさくん
ちぐさくん
さっきより大きな氷で目を狙う
ちぐさくん
さとみ
ヒュンッ
ちぐさくん
体が浮いき吹き飛ばされる
ドンッ
床にうちつけられ肺が痛くなる
ちぐさくん
さとみ
ちぐさくん
さとみ
さとみ
さとみ
ちぐさくん
さとみ
空っぽの人生だな
ちぐさくん
確かにこいつの言う通り俺は空っぽだ
俺は人生の半分の記憶がない
5、6歳までの施設での記憶は全くない
それ以前に俺は12歳の時に記憶喪失になった
それまでの記憶は全部なくなった
さとみ
ちぐさくん
さとみ
ちぐさくん
絶対笑われる、そう思ったのに
さとみ
ちぐさくん
その言葉は彼の…
さとみの本音のようだった
さとみ
ちぐさくん
さとみ
そう言いながら手の上でガラスを溶かし弄ぶ
あぁ、俺は死ぬのかな
ホントに何も無い人生だった
楽しかった事嬉しかった事も全部忘れた
どうせ生きていた所で…
あっきぃ
王子…?何?
あっきぃ
ちぐさくん
そうだ!記憶を無くしたからってなんだって言うんだよ!
これから沢山の思い出を作ればいい話だ
それに王子達は俺を頼ってくれた
その気持ちに…
ちぐさくん
さとみ
ちぐさくん
ちぐさくん
辺りに真っ白の雪が嵐のように降る
さとみ
ちぐさくん
天井に氷柱を作り出し雪の中にが降っている範囲に落ちる
さとみ
雪の中に血の色が流れてくる
雪が止む、
そこには頭に氷柱が当たり苦しそうに顔を歪めている青年が立っている
ちぐさくん
さとみ
彼は疲れたように両手を挙げる
さとみ
ちぐさくん
さとみ
ネオン
ネオン
ネオン
ネオン