君と過ごす一秒一瞬を

今日こそ鉄の好きな人を聞きたい！

最近毎日LINEも学校でも話してるし

もしかしたら自分じゃないかなって。 勘違いしちゃう

聞かなきゃってわかってても やっぱきけなくて、 こうなっちゃうんだよね……

鉄とは小学生の頃から 家族絡みで仲が良く 家も近いため高校に入っても よく一緒に登下校するほどだ。

でも、鉄を好きだって 気づいたのはつい最近。

いつから好きだったのかは分からない

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

ガチャ

こんな簡単に了承して貰えるとは 思わず、張り切ってしまう。

こういう些細なとこまで気を使える そんなところが好きになった 1つの理由なのだろう

ﾊﾟﾁｯ

ある台風の日僕達は世界のどこにも無いだろう不思議な体験をした。……

ざっと言ってしまえば、台風の日に 出会った男女が期限のある 切ない恋をする。そんな話だった

20分後

40分後

君じゃなきゃ、僕はもう何も出来ないんだ！君以外何もいらないんだ！…

映画に夢中な2人は 通知に全く気づきもしなかった。

もしその時気づいていたら、、。 こんな今はなかっただろう

20分後

ｻﾞｰｻﾞｰ ﾋｭｰﾋﾞｭｰ

ぽんっ（頭を撫でられた）

せわしなく降り続ける雨 それでも、2人でいるなら へっちゃらな気がした。

聞くなら今しかないよね。 勇気出さないと、！

鉄が好きな人いるなんて そんなん当たり前。

分かってたのに、目があつくなる

台風の音も聞こえないくらいに 胸が騒がしい。

思ってもみないことを口にして わざと明るく振る舞う。

そうしないと、涙が出て しまいそうだから

図星すぎていきなり大きい声 を出してしまった。

素直になりたい。 好きな人聞くのも、映画だって 勇気を持って誘ったのに

やっぱ、友達にしか 見られてないんだよね…

少し不機嫌そうに笑う君 どう答えたら正解だったのか 私にもわからなくなってしまう。

ギシッと軋むベッド

軽く鉄の背中を叩く

ばっ！とあっという間に 私の体から離れる

手を広げて差し出してきた

映画のために暗くしておいた部屋、 それでも目立つくらいに 君の笑顔がすごく眩しい。

でもやっぱぎこちなくて、 真っ赤な顔押していて、 そんなところが愛おしい。

初めての顔をたくさん見れて 幸せ以外のなんでもなかった。

その後、 「俺があんな目で見てたのに気付かないなんて飛んだ鈍感やろうだな笑」 と、笑われた

また、 「正直映画の途中からもう 半端じゃなくハグしたかった。」 と言われたので恥ずかしさと 嬉しさで思わず叩いてしまった笑

飾りっ気のない自分の部屋も、 毎日通る変わりない帰り道も、 よく行くショッピングモールだって、

全て大切な思い出の場所

もっと増やしていきたいな。

あの日私が勇気を出さなければ あの日台風が来なかったら あの日君が伝えてくれなければ

今のような姿はない

だからちゃんと言葉にして 伝えていくんだ。

いつまでも

となりで笑っていられますように