転校初日
◯◯の学校生活は、予想以上に"騒がしい"幕開けとなった
目黒
◯◯ちゃん、こっちの席きて
ラウール
いや、さっきは俺が案内するって言ったし
深澤
お前ら順番守れよ。公平にじゃんけんで決めようぜ
教室に入った瞬間から、目黒・ラウール・佐久間・阿部・渡辺ーーー全員が入れ代わり立ち代わり声をかけてくる
朝のHRが始まるまでの10分、まるでアイドルの囲み取材のような騒ぎ
◯◯
え、えっと…じゃあ、日替わりで案内してもらうとか…?
とりあえずの提案に
渡辺
天才か?
向井
それ1番フェア!
佐久間
俺は火曜日がいい!
阿部
いや、そこはじゃんけんで
またもや揉める始末
そんな中、ガラッと扉が開く
岩本
お前らうるさい。席つけ、HR始めるぞ
と、低めの声で入ってきたのは岩本
一言で全員がピシッと席に戻るのは、もはや芸術
岩本の隣に座る形で、やっと落ち着いた◯◯は小声で
◯◯
ありがとう
と言った
岩本
ん、気にすんな。…困ったら、俺のとこ来いよ
その低音ボイズに心臓が跳ねる音がした
休み時間になれば、今度は違うメンバーが次々と現れる
向井
◯◯ちゃん、もうお弁当?俺のも一緒に食べない?
深澤
それより俺と購買行こう。揚げパンの日なんだよね
阿部
数学、ノート取った?わからないとこあったら教えるよ
渡辺
てかさ、連絡先、交換しとく?グループとか案内するし
どこかの漫画に出てきそうな"学園逆ハーレム"が、現実で展開される
◯◯は困惑しつつも、全員がそれぞれ違う優しさを持って接してくれることに、少しずつ安心感を覚えていった
その中でも、目黒のさりげないフォローが刺さる
目黒
無理して笑わなくていいからな。疲れたら、屋上行こう。俺の隠れ場所、教えてやるよ
静かで落ち着いた言葉が、どこか特別に感じられて、
◯◯
…ありがとう
また小さく呟いた
放課後
下駄箱で靴を履いていると、背後から声がした
ラウール
◯◯ちゃん、今日さ、ちょっとだね付き合ってくれない?
振り返ると、そこにはラウール
◯◯
えっ、どっか行くの?
ラウール
うん、秘密。言ったらつまんないでしょ
にやりと笑うその顔に、不思議と断れない
と、すぐ横から別の声
佐久間
ラウール、それはずるい!俺も誘いたかったのに
ラウール
はぁ!?聞いてねぇし!
またもや始まる争奪戦に、◯◯は思わず笑ってしまう
◯◯
ふふっ…みんな、仲良しなんだね
すると一斉に
SnowMan
それはどうかな
今、◯◯を巡る静かな(いや、かなり騒がしい)戦いが本格的に始まった







