同日夜
カケル
カヤ
カヤ
カケル
カヤ
カヤの自宅前に着けた俺の白のSUVのテールランプが点滅し彼女を出迎えた 賑やかな昨日の夏祭りとはうってかわって住宅街は静まり返っており俺たち二人だけの静寂が広がっていた
カヤ
カケル
カヤ
カケル
そうして俺たちふたりは夜のドライブに繰り出した
出発してしばらく車内には沈黙が広がっていた。オーディオからは流行りのポップスが流れており、いやにミスマッチな明るさと重なって異様な空間だった。
カケル
カヤ
カケル
カヤ
カヤ
カヤ
カケル
一直線に駆け抜ける車と裏腹に俺はまだ一歩が踏み出せずにいた。ただひたすら迷い続ける。 伝えるでもない。聞くことでもない。 どうすれば、今のこの曖昧な関係から前へ進むことが出来るのか。 そればっかりを考えていた俺には、ドライブはその場しのぎに他ならなかった。
ひとしきりの沈黙の末、俺は迷いのまま言葉を絞り出してしまった。
カケル
カヤ
カケル
聞くな。そんなこと。 聞いちゃいけない。
心の俺が必死でせきとめる。
カケル
俺の不甲斐なさのツケをカヤに背負わせるな
カケル
カケル
カケル
カヤ
それをカヤと見つけていくんだろ
後ろ向きな俺が前に進もうとしてるカヤを巻き込むな
カケル
カケル
カケル
それは俺のエゴだ。 カヤの気持ちを何も考えていない。
カケル
カヤ
気がつくと俺はただの己の解消のなさをカヤに八つ当たりしていた。 ハッと我に返ったときには遅かった。
カヤ
慌てて助手席を向くとカヤの頬には雫が流れ落ちていた。
俺は自分が投げ出した取り返しのつかない言葉たちを猛烈に悔いた
カケル
カヤ
カケル
カヤ
ただ泣きながら謝る彼女に対して俺はただどうすることも出来ず、戸惑う気持ちを抑えてグッとハンドルを握ることしかできなかった
カヤ
カヤ
カケル
カヤ
カヤ
カケル
カヤ
カヤ
カケル
カヤ
カヤ
カケル
カヤ
カヤ
カヤ
そう言い終わるとカヤは声を上げることも無く助手席で静かに泣いていた。
俺は間違いと戸惑いに包まれた車内で 精一杯頭の中の俺を殴った。
夜はふけていく。白塗りの車は星のきらめく高台を目指し坂道を蹴り上げていった。
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