テラーノベル
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海が見える町に、風鈴坂と呼ばれる長い坂道があった。
夏になると、どこからともなく風鈴の音が聞こえる、不思議な坂だ。
高校2年生の俺は、毎朝その坂を自転車で登っていた。
理由は一つ
坂の途中にある古いバス停で紬が待っているから。
紬は転校だった。
少しぼんやりしてして、風の強い日は髪がいつも絡まっている。
でも彼女は、風の音を聞くのが好きだと言った。
紬
蒼はその意味がよく分からなかったけれど、紬の隣に立つと、不思議と胸が落ち着いた。
ある日、町に(風鈴祭り)が近づいていると知る。
坂の一番上にある古い神社で、
大切な想いを風鈴に託すと、ちゃんと届く
という言い伝えがあった。
俺は迷っていた。
言葉にしなくても、この時間が続けばいいなと思っていたから。
一方紬は祭りの日が近づくにつれ、どこか寂しそうだった。
紬
夕暮れの坂で、風鈴の音が強く鳴った。
祭りの夜。
坂は無数の風鈴の光で照らされていた。
俺は、小さな青い風鈴を手に持ち、震える指で短冊を書く。
蒼
神社の境内で紬と目が合った。
紬
その瞬間、風が吹き抜け、二人の風鈴が同時に鳴った。
夏が終わっても、風鈴坂には変わらず風が通る。
時々、二人はあのバス停で並んで立つ。
言葉がなくても、同じ音を聞いていれば、それでよかった。
風は、ちゃんと想いを運んでくれたのだから。
風は、ちゃんと想いを運んでくれたのだから。
コメント
1件
チャッピーにお願いして作ってもらいました…!笑すみません、書き忘れました、。