背後の死神さん

注意事項は1話『出会い』にてご覧下さい

俺は、本当に初兎くんに恋をしているのだろうか

てか、恋したらどんな感じになるんだろう

初兎くんをまともに見れないのって恋が理由だったりする…？

少しだけ、初兎くんと距離を置く

置かないと、なんかおかしくなっちまいそう

動かない心臓が動いてる気がする

俺らしくな、

多分、あいつは俺と初兎くんと二人きりにしたいだけ

頑張ってねと言わんばかりの目線をこちらに送ってきた

殺してやりてぇ

いつもより無言が辛い

え、恋するとみんなこうなるもんなんか

いつもみたいに冷静になれない

焦りすぎててもいいことなんてないって思っているのに

今はダメダメすぎる

なんか、気まづい雰囲気になってしまった

初兎くん、どうしたんやろ

俺が変な声出して幻滅でもしたんかな…

いきなり苦しそうな顔をし始めた初兎くん

俺、なんかしちゃったかな

勘違いしちゃうから…？

え、もしかして

恥ずすぎるからこんなこと今すぐ辞めたい

辞めたいけど、辞めたらもう聞けない気がする

俺の勘違いかもしれないけど…

もしかしたらって思ってもうたしな

ちょっと震えてる初兎くん

言うのが怖いってことよな

これ、やっぱり期待していいのでは

さすがに、無理かな

無理やり聞くのは可哀想やし

諦めるしかない、よな

言ってくれるらしい

けど、ここで誤魔化される可能性もあるしな

やっぱり、期待しないでおこう

いふくん、いい匂いしたな

心音は聞こえんかったけど

さすがに死者だから心臓動いてないか

『お願い、聞きたいんよ』

本当は言うならばもっとあとに言うつもりだった

でも、好きな人にお願いされて

無理だなんて、俺は言えない

もう、当たって砕けろ

顔を真っ赤に染めるいふくん

かわいいな、案外初心なんやな

まあ、俺もくっそ恥ずくて顔熱いけど

もっとかっこよく言いたかったな

そんな顔するから勘違いしてまうんよ

お願いだから、いふくんにその気がないなら

そんな顔しないでほしい

顔だけではなく耳まで真っ赤に染まったいふくん

て、てか返事丸だったよな…

この恋が実るなんて思っていなかった

本当に、嬉しいよ

【背後の死神さん】 『実る』 ℯ𝓃𝒹

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