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交差するオモイ

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交差するオモイ

2 - 交差するオモイ

♥

39

2021年06月15日

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「今日は転校生が来ます」

突然の報告だった

「入っておいで!」

コツコツ…

足音が響く

教室に入ってきたのは

天使のように白くて

美しくて、儚い女の子

白瀬 美麗

白瀬…美麗です

東雲 咲希

(わぁ…綺麗な子!)

東雲 咲希

(何か天使みたいだな…)

伊織 雄飛

(へぇ、転校生か~)

結城 樹

(こいつは…)

「席は結城の隣よ」

「結城、よろしく頼むわね」

結城 樹

俺かよ…

白瀬 美麗

よろしくね

結城 樹

…………

東雲 咲希

返事してあげてよ!

東雲 咲希

よろしくね!美麗ちゃん!

前の席の女の子が挨拶をしてくれた

目を細めて笑う眩しい笑顔から人柄の良さが伺えた

白瀬 美麗

…うん

伊織 雄飛

俺もよろしく!

次は通路を挟んだ席からの挨拶

綺麗に整えられた髪がサラリと揺れる

爽やかイケメンと言う所だろうか

白瀬 美麗

よろしく…

「じゃあ、HR始めるよ~」

…………

放課後

東雲 咲希

美麗ちゃん!

白瀬 美麗

何…?

東雲 咲希

今から時間ある?

白瀬 美麗

あるけど…

東雲 咲希

じゃあ、喫茶でも──!

「おい!」

声の方を振り向く

そこに立っていたのは結城くんだった

結城 樹

咲希、帰るぞ!

何故か怒っているようだ

口がへの字に曲がっている

東雲 咲希

はいは~い

白瀬 美麗

(東雲さん不満そう…)

東雲 咲希

ごめんね、美麗ちゃん

東雲 咲希

私先帰らなきゃ!

東雲 咲希

また明日ね!

白瀬 美麗

…うん

2人が教室から出ていく

一気に静まり返った教室には私一人が残された

白瀬 美麗

(私も帰ろうかな)

「白瀬さ~ん!」

白瀬 美麗

……?

伊織 雄飛

白瀬さん!

白瀬 美麗

誰?

伊織 雄飛

伊織雄飛だよ!

伊織 雄飛

よろしくね!

伊織 雄飛

探してたよ!話したくてさ!

白瀬 美麗

私と?

白瀬 美麗

…変わってるね

伊織 雄飛

え?どこが?

白瀬 美麗

私と話したいって所

白瀬 美麗

私なんて根暗なのに

伊織 雄飛

根暗かぁ…

伊織 雄飛

ねぇ、白瀬さんってさ

伊織 雄飛

アルビノなんでしょ

白瀬 美麗

…………

白瀬 美麗

(あぁ、やっぱりバレるよね)

白瀬 美麗

(また馬鹿にされるんだ…)

白瀬 美麗

(もう…何も言わないで…)

伊織 雄飛

ま、でもさ気にしなくて良いと思うよ

白瀬 美麗

えっ…?

伊織 雄飛

ほら、僕の目を見てよ

今まで俯いていた顔を上げる

白瀬 美麗

目?

白瀬 美麗

…あ、少し色が違う

伊織 雄飛

そうなんだ

伊織 雄飛

左目の色素が少し薄くて、灰色っぽくなってるんだ

伊織 雄飛

でも、嫌だって思ったことはない

白瀬 美麗

どうして…

白瀬 美麗

馬鹿にされたり、笑われたりしなかったの?

伊織 雄飛

もちろんしたよ

伊織 雄飛

けど、この目は僕の宝物だから

白瀬 美麗

宝物…?

伊織 雄飛

そう

伊織 雄飛

他の人に何を言われたっていい

伊織 雄飛

この目は他の誰も持っていない

伊織 雄飛

僕だけの大切な宝物

伊織 雄飛

だから、僕はこの目が大好き

白瀬 美麗

…………

伊織 雄飛

それだけ伝えたかったんだ!

白瀬 美麗

ありがと…私の為に

伊織 雄飛

いえいえ!

伊織 雄飛

あ、何か僕ばっかり話しちゃったね

伊織 雄飛

何か聞きたいこととかある?

白瀬 美麗

聞きたいこと…

白瀬 美麗

あ、じゃあ一つだけ

伊織 雄飛

なに?

白瀬 美麗

東雲さんと結城くんって仲悪いの?

伊織 雄飛

え?咲希と樹?

伊織 雄飛

何で気になるのか分からないけど…

伊織 雄飛

見れば分かるよ!着いてきて!

腕を引っ張られる

思っていたり力が強い

意識しなくてもやっぱり男の人なんだと実感してしまう

白瀬 美麗

え、ちょっ…!

雄飛くんに連れてこられた先には

並んで歩く東雲さんと結城くん

白瀬 美麗

何を見てたら良いの…?

伊織 雄飛

まぁ、見てれば二人の関係は分かるよ!

伊織 雄飛

ほら、見てて!

白瀬 美麗

あ、うん…

私達は影から見守る事にした

東雲 咲希

ねぇ、樹

結城 樹

んだよ

東雲 咲希

何怒ってるの?

結城 樹

怒ってねぇ

東雲 咲希

怒ってるじゃん

結城 樹

怒ってねぇって!

東雲 咲希

嘘だ

東雲 咲希

だって、怒った時の癖出てるよ

結城 樹

あ?癖?

東雲 咲希

下唇を強く噛み締めてる

東雲 咲希

怒ってる証拠だよ

結城 樹

たまたまだろ

東雲 咲希

…………

東雲さんが得意気にニヤリと笑う

東雲 咲希

ははぁ~ん…

東雲 咲希

もしかして…

東雲 咲希

美麗ちゃんに嫉妬したのぉ?

結城 樹

はぁ?!

結城 樹

違うに決まってんだろ!

東雲 咲希

図星かぁ~

結城 樹

違ぇって!

東雲 咲希

もう分かったからそうムキにならないの!

東雲 咲希

ほら、美味しいケーキ屋さんでも行こ!

東雲 咲希

樹好きでしょ、ケーキ

結城 樹

…………

結城 樹

しゃ~ねぇ

結城 樹

ケーキで許してやるよ

東雲 咲希

もう!素直じゃないんだから!

結城 樹

うるせぇ!

東雲 咲希

あ~、生意気な口きいたから

東雲 咲希

今日は樹の奢りだね~!

結城 樹

はぁ?!何でだよ!

東雲 咲希

やったぁ!樹の奢りだ!

結城 樹

ったく、しょうがねぇ奴だな

結城 樹

今日だけだぞ?

東雲 咲希

ありがと!樹!大好き!

結城 樹

へいへい

東雲 咲希

樹は?

結城 樹

あ?

東雲 咲希

樹は私の事好き?

結城 樹

当たり前だろ

東雲 咲希

好きって言ってよ~…

結城 樹

…はぁ

結城 樹

好きに決まってんだろ

東雲 咲希

ふふっ(笑)

結城 樹

笑ってんじゃねぇ!

東雲 咲希

何か嬉しくって!

結城 樹

何言ってんだ

結城 樹

早く行くぞ!

東雲 咲希

は~い!

伊織 雄飛

…ね?

伊織 雄飛

仲良いでしょ、あの二人

白瀬 美麗

うん、そうだね

伊織 雄飛

入る隙が無いくらい…

白瀬 美麗

(さっき何か言った…?)

白瀬 美麗

私なんかが心配する必要なかった

伊織 雄飛

なんか…とか言わない!

伊織 雄飛

白瀬さんは白瀬さんのままでいいの!

白瀬 美麗

分かった

白瀬 美麗

もうマイナスなこと言わない

伊織 雄飛

約束だね

伊織 雄飛

はい!

私の前に小指が突き出される

白瀬 美麗

なに?

伊織 雄飛

指切りげんまんだよ!

伊織 雄飛

ほら、早く!

白瀬 美麗

あ、うん

伊織 雄飛

指切りげんまん

伊織 雄飛

嘘ついたら針千本飲ます

伊織 雄飛

指切った!

伊織 雄飛

これで約束完了だね

白瀬 美麗

うん

白瀬 美麗

約束…だね

白瀬 美麗

(何か嬉しいかも…)

伊織 雄飛

じゃあ、帰ろっか

白瀬 美麗

うん

伊織 雄飛

僕こっちだから!

伊織 雄飛

またね!

白瀬 美麗

うん、また明日

白瀬 美麗

(雄飛くん…か)

白瀬 美麗

(何だか不思議な人…)
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