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近所のおばさん
近所のおばさん2
近所のおじさん
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がやがや私たちを見て話を広げる大人たち
黒い服を纏い根の歯もないことで話を膨らませる彼らを、
当時の私は悪魔だと思っていた
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夕陽
夕陽
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弱ったこえで私を呼ぶたった一人の肉親
涙で目を腫らした夕陽の耳を塞ぎ、
私はただこの苦痛な時間が早く過ぎるのを待っていた。
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かと思えば、
騒がしかった声は途端に止んだ。
それと同時に大きな影が私と夕陽に差し掛かった
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顔を上げれば、複数人の男とその中央に
黒の着物を纏った男がいた
険しい顔で私と夕陽を見るその人は目を閉じ、口を開く
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???
???
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ため息混じりに吐いたその言葉は、
悲しみなのか、憎しみなのか
哀れみなのか
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ただ、
見かねたように私たちを見るその目が、
憎らしかった
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陽央
陽央
???
???
鴫埜 勝久
陽央
陽央
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私がそう言うと
目の前のおじさんは、大きく笑い出した
豪快に笑うその声は、その場には似つかわしくない
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私は夕陽を守るように抱きしめる
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鴫埜 勝久
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また笑い出すおじさんとは裏腹に
おじさんの周りにいる男の人たちはわなわなとしていた
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笑いを収めたおじさんは、
目を細めて再度、私と夕陽を見た
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鴫埜 勝久
鴫埜 勝久
鴫埜 勝久
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警戒する私に対して、おじさんは口角を上げた
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鴫埜 勝久
鴫埜 勝久
鴫埜 勝久
鴫埜 勝久
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そう言い背中を見せるおじさん
おじさんが着る着物の背には
美しい鳥の紋様が描かれていた
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陽央
陽央
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″生き残るためには、この人に着いて行った方がいい″
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その時と私は、自分の中で何故かそう捉えた
怖がる弟の手を引き、
私は"鴫埜 勝久"に着いて行った
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〚鴫埜組〛の長に。
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その4年後、
弟の夕陽は死んだ。
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私は祖父への復讐を抱いて、
今をまだ生きている
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〚命短し哀せよ己〛
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